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2 璃子視点

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悠真に別れを告げる一週間前…

流石に耐えられない…
デートしようって言ってもやる事があるからって断るし、家に行ってもずうっと画面見てて話しかけても適当に相槌打ってるだけだし。元々あんまり話すタイプじゃなかったからずっと喋って欲しいとか構って欲しいとかいうわけじゃないけどそれでも流石に酷すぎるよ!
私が本気で泣いたりすれば構ってくれるんだろうけど、そんな嫌々構うみたいなのされたくない…

もう別れた方がいいのかな…
悠くんのことは嫌いじゃないし、むしろ大好きなんだけどでも不満を抱えたまま付き合い続けるのは私はしたくない。

もうこれは、スッパリ別れた方がいい!

でも悠くんを傷付けたくないし、なんかいい方法ないかな…
なんて考えているとタイミングよくテレビで男との別れ方特集が‼︎
なんて私にピッタリな特集…これは今からでも録画しなきゃ!

それからそれを元に別れ話の内容を考えた。


う~ん
悠くんお金がない訳じゃないけど…これだったら別れられそう!
もし私の事がとてつもなく好きだったとしても、こんな条件を全部クリアできる男性はなかなかいない筈…
そうと決まれば練習しなきゃ。私大事なところで失敗しちゃいそうだもん…



当日。私は大事な話があると言って悠くんを呼び出した。
流石にこれまで来てくれなかったら、自信なくすなあ…なんて思っていたところに悠くんがやって来た。
よかったー来てくれなかったら折角の練習が無駄になっちゃうところだったよ…
おっと、ちゃんと別れ話しなきゃ

「…別れてもらえますか?一年以内に結婚したいんです。」

「…それなら僕じゃダメ?」
っ悠くん私とそんな事を考えてくれてたなんて!
いやいや感動してる場合じゃない。今のまんまじゃどっちにしろ無理だよ…

「あと結婚指輪はエルメスとかじゃなきゃ嫌だし、新婚旅行は世界一周とかじゃないと嫌だし…」

「それくらいなら何とかなります…」

「ほらやっぱり無理でしょ…って、ええ!」
え、何。それくらいなら?エルメスが?世界一周旅行が?え、怖い。

「…そんなに意外ですか?」

「意外に決まってるでしょ!今までそんな素振り全く見せなかったし、いつもあんま喋ってくれなかったり、構ってくれなかったりして…別に悠君の個性を否定したくはないけど、でも寂しかったから別れようって思ったのに条件軽々と超えて…ぐすっくるんだよ!」

やばい…感情昂ぶっちゃって自分でも何言ってるかわかんない…

「それは…今はあんまり何か買ってあげたりできてないけど、将来璃子の好きなものなんでも買ってあげたり、叶えてあげたりできるように株でお金貯めててそれがあるから…」

株?いつも見てた画面は株の取引してたのか…

「そんなの…言ってくれなきゃわかんないじゃん…そんなサプライズ嬉しくない。」

言ってくれれば私もこんな話せずに済んだのに…

「うん。ごめん。これからはもっと大事にするから…だから僕にもう一度チャンスをくれませんか?」

っっっっ悠くんに子犬みたいな顔で断れる訳ないじゃん!
今更こんな事言われてもって思うのに憎めない。
というか折角の決意もこんな事で絆されるなんて私チョロすぎるんですけど!
「…許す」

「よかった…捨てられたらどうしようかと…」

「?なんか言った?」
なんか言われた気がしなくても無いけど…
「ううん」
でもまあ丸く収まってよかったよね?
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