上 下
72 / 97

ハイ・ピクシーが仲間に

しおりを挟む
ハイ・ピクシーのピナッチが仲間になった事もあって、アタシ達は今日はランテルムに帰る事にした。


冒険者ギルドに行って、ギルドカードに従魔登録をしないとね。


……果たして、ピナッチは従魔なの? ハイ・ピクシーとして冒険者登録しても良いのでは?



冒険者ギルドではー


「これまでハイ・ピクシーの登録事例はありませんね。ハイ・ピクシー自体初めて見るのですが……ピクシーの場合は、従魔で扱ってます。ピクシーだけですと何を言ってるのかも何を仕出かすかも判らないので」

ああ~、基本、妖精って自由奔放そうだし。しかも、あの訛りって、判りずらそうだよね。そっか、それで意志疎通が難しかったのか。

ピナッチは言葉が上品になったし、判断力もありそうだけども……本人に聞いてみるか。


「ピナッチどうする?貴方、冒険者登録する気ある?それとも従魔登録で済ます?」

「従魔の方が気楽そうですし、マスターのそばに居ないとアイスクリームが食べられませんから。従魔一択ですわ!」


な、なるほど。


かくして、アタシのギルドカードは従魔登録3人目となっちゃった。


さて、それはそうと、ユリースとアリシアさんは、しばらくの間、アタシ達と正式にパーティーを組むこととした。


魔法修行もあるけど、アタシ達と組んで冒険者としても、人としても、経験を積みたいと。その真剣さが判ったので、アタシもこれ以上彼女を拒否するのは止める。


スーリヤがランクB、アリシア(正式に仲間になるので、さん付けはもう止める事となった)はランクC、アタシもランクC、ユリースはランクE。


アタシが前衛、スーリヤとアリシアが中衛、ユリースが後衛で、これにベゼリーが前衛で合流すれば、後は回復役が居るとバランスが最適なのかな。


まずは、ユリースの経験稼ぎとランクアップを目指して、明日から活動開始。外で薬草採集や小物討伐、街中で掃除やお使いクエストなど。


アタシは合間にチーズやバターの工場見学をするつもりだったけど、アタシ以外の皆も興味あるって言うので、それも一緒に見に行くことになった。まあ、優先順位はまだ後かな。

夕方、パーティー結成記念に皆で食事会と言うことで、ギルドの食堂で始めたんだけど。


「お嬢ちゃん達、俺達と一緒にイイコトしな~い?(笑)」


「女子供のガキばかりで冒険者ごっこか?(笑)」


「空魚に綺麗な鳥に妖精か。ガキには過ぎた従魔だな。俺達に寄越しな(笑)」


アホな冒険者パーティーが3組わらわら湧いてきて、食事中のアタシ達に順番に絡んで来ましたよ。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

もう死んでしまった私へ

ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。 幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか? 今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!! ゆるゆる設定です。

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?

新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。 ※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!

孕ませねばならん ~イケメン執事の監禁セックス~

あさとよる
恋愛
傷モノになれば、この婚約は無くなるはずだ。 最愛のお嬢様が嫁ぐのを阻止? 過保護イケメン執事の執着H♡

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

婚約破棄されたら魔法が解けました

かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」 それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。 「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」 あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。 「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」 死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー! ※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です

ヒューストン家の惨劇とその後の顛末

よもぎ
恋愛
照れ隠しで婚約者を罵倒しまくるクソ野郎が実際結婚までいった、その後のお話。

処理中です...