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ジオルグ・ランテルム公爵

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全知検索で鑑定すると、こんなのが出た。


ジオルグ・ランテルム


ランテルム公爵。48歳。武に優れ政治手腕も卓越している。国王の諌め役。娘を溺愛している。


ユリース・ランテルム


ジオルグの長女。一人娘のため、過保護に育てられた。魔暴症により、魔力の属性を定められず体から溢れさせるため、身体各部の毛細血管を常に傷つけていた。多属性かつ魔力の多い生物に稀に発生する症状である。治療方法は、本来の体が持つ魔力属性割合に対し、虹魔石を用いて属性決定以前の魔力を整え循環、体に魔力属性を覚えさせること。


ふむ……この魔暴症ってのがユリース公女の病気なのね。しかし、多属性かつ魔力の多い生物って……魔法使いとしては破格の才能をもって生まれたゆえの発症だったのかしら。


まあ、二人の詳細は判ったから、影空間を出て実際に会うとしますか。


アタシは影空間から出ると、ニコッと笑って鏡に向かって手を振った。


「何をしているんだい?」

スーリヤが怪訝な顔で聞いてくるけど。


「いや、なんとなく?鏡の後ろに人が居ると思って」


貴族の屋敷だからそういう事もあるかもしれないね、とスーリヤは投げやりに答えた。

さて、あちらはどう出るかな?とりあえず覗き見に対して、慌てさせるだけの意趣返しだけどね。


ほどなくして、ドアをノックして執事が入室し、公爵が来た事を話すと、さっきの金短髪イケオジが入ってきた。


アタシとスーリヤはソファーから立ち上がって迎える。


「ランテルム公爵のジオルグだ。招待に応じてくれて感謝する」

公爵は軽く頭を下げてくる。


「ペネロッテです。こちらは旅の連れのスーリヤ」

アタシとスーリヤは腰から曲げるお辞儀をした。


「頭を上げてくれ。それよりもこの度は私の部下が大変な失礼をした。娘の治療に虹魔石を提供してくれた事と言い、感謝と同時に詫びなければならん。本当に失礼をした。それとありがとう」


今度は向こうが腰を曲げて深々とお辞儀。まぁ、これで謝罪は受けて終わりとしようかな。


「確かに謝罪を頂きました。この件はこれで終わりにしましょう」


アタシがそう言うと、お互いにソファーに座り直したところでお茶が運ばれてくる。駆け引きはめんどくさいので、今度はこちらからぶっこむか。


「それで、虹魔石がもう一つ必要という話を冒険者ギルドから聞いてます。もう一つあるとしたらどうします?」


公爵は驚いてこちらを見つめる。


「お主の極楽鳥は虹魔石を産み出せぬと聞いておるが?」

「それは事実ですけど、最初に取ったのは1個じゃないんですよ」

公爵、右手で頭を支えて項垂れた。

そりゃあ、頭抱えたくなるよね。本当なら、求めていたものはとっくに手に入っていたんだろうからね。
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