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番外編・・・・龍燐と番

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「ふーふーシャー」
「龍燐様、まだこの子には早いよ」

トントンッと背中を軽く叩き、龍燐様を怖くないと認識させたいが上手く行かない。
性奴隷の獣人を保護したはいいが全く話にもならない、威嚇の言葉しか出ないからだ。

「獣人国に詳細を送ったがまだ返事が来ない」
「龍燐様確か龍我様の番が獣人国の者と聞いたけれど、会えないの」

ぎゅうと小さな猫を抱きしめる、僕は人間だから怖がると思って居たけれど何故だか僕には懐いてくれる。

「龍我の番か」
「僕も会いたいし」

龍我様と会っうのは一年に一二回くらいしかない、龍燐様は月に一回はお会いしているみたいだが。

「龍我様の運命の番はどんな感じの子かなぁ」
「まだ赤子と聞く、それに龍の番はめったに会わせないしな」

ムッと顔をしかめる。
僕は元々奴隷だったから、そこまで監禁に嫌悪感はないが、普通なら人間は息が詰まる。
僕も何年も監禁されて、外に出て空気が吸いたいし、龍燐様と結婚した事が分かり、赤子が身体に居るとしり嫌気が差してやっと龍燐様の家族に会えたんだよね。

赤子がいるなら、家族に龍燐様との結婚もちゃんと承諾して貰いたいし、何より赤子には太陽浴びさせたいし、まさか赤子を取り上げられて赤子に会えない状態になるとは思って居なかったが、その時は流石に切れたよね。

奴隷ではなく、愛していると好きなんだと家族なんだと言われても信じられなくなり、家出をした。
家出をした後が問題だけれど。

「その子も息が詰まると思うよ」
「その子供は獣人国の王族だ」
「ええっ、あーりゃ僕会わせられないかなぁ」
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