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執務室の隣は仮眠室・・

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「サクヤ、私が我慢しているのに悪い子だね」
「ふぐっ」

がばりと執務室から隣にある仮眠室に連れ去られる。
仮眠室はその名の通り仮眠室で、ベッド以外の物は一切置いていない、上着を掛ける物と少しの服を入れる棚は一応あるが、基本的にベッド以外はない部屋だ。
そして執務室の反対側の隣には仕事の資料が置いてあり本棚しかない部屋がある、僕はこの部屋が大好きだから結構入り浸っている。

「ふぁ」
「サクヤ、キスが上手くなったね最初の時は鼻から息を吸えなかったのに」
「なっ」

真っ赤な顔をきっとしているだろう僕は恥ずかしくなり、龍我様から魔法を使い逃げ出す。

「サクヤ、すまない、からかい過ぎた」
「龍我様のばーかっ」

僕は仮眠室から飛び足す、僕はうるうると目が涙目だが知らない、今はこの恥ずかしい状態が嫌だ。
気分を変えるために庭に行こう、あそこは草花が広がる中庭で精霊がうじゃうじゃいる、龍人国は精霊を大切にする為に国全体が精霊の好きな草花や木々、綺麗な川や水に山が沢山ある龍人国内に入る場所には岩や崖が聳え立っているから岩が好きな精霊達も沢山いる。
精霊が好ましい国に成っている、獣人国もそうだけどね。

「ふー」
『いいのか、久しぶりなのだろう』
『サクヤ』
「んーいいの、これからもいっぱ時間があるなの」

妹達の方がこれからは一緒には居られなくなる、貴族に嫁ぎ王族だが王族では無くなるのだから、男子である兄達王位を継承するノエルお兄様はずっと城にいるが、ノア兄様は王族のままノエルお兄様を支える家臣になる。
僕は獣人国から嫁に嫁ぐ為に僕の獣人国の王族からは外れる、獣人の愛し子と言う立場は神殿からも再度言われているし獣人国を守るために名乗るが。

『サクヤは寂しいんだな』
『サクヤ、家族は何処に居ても家族なの』
「うん」

王族も獣人国は他国に嫁に行く事はない、貴族に中に王族の血が少しも入っていないのは下級貴族のみだ。
そして、貴族の中で白虎が産まれた場合王族の養子になるか王族と結婚する事により王族にする、龍人と結婚し龍を生む事は使命だが僕の場合白虎を産みそうだ。

「そうだよね、龍人国に嫁いで来ても」

後少しで僕は獣人の生きる時間から外れる、先ほどの龍我様の言葉で龍心を受け入れる準備が出来る事を意味していた。
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