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マカロン

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「うーっ」
「・・・・・・」
「ーっ」

パクパク食べる双子に対して両親は悶絶し兄二人は放心している状態に涙が溢れるのを我慢出来ない、自信あったのになぁ。
異世界では受け入れられないのだろうか。

「「「「「美味いーっ」」」」」

吃驚して、涙が引っ込む。
ケーキをモグモグと無心で食べ始める皆に僕の頬は緩む。

「ふふふっ、こんな美味しいケーキ初めてよ」
「借りに王宮料理人はこの国で一番の腕の集まりだが、このケーキのふわふわ感は出せないなぁ」

パクパクと食べるスピードが早まるみんな、母様の言葉に父様が頷く。

「美味しい、こんなに美味しいケーキ初めて食べた、サクヤは天才だな」

ふふふっ、ノエルお兄様に頭を撫でながら誉められて笑顔が止まらない。
誉められるって認められた事だから、嬉しくなるよね。
それが、大切な人だったり、尊敬している人からの言葉だと余計に。

「ふふふっ、ノエルお兄様はどんな物が好きですか」
「えっ、うーん、なんだろう外国の丸くってサクサクしたやつは好きだよ、出来立ての物ではないとかちんこちんに硬くって食べれなくなるが」

ノエルお兄様の言葉に母も頷く、ついこの前母と兄が外交で行った国にあるサクサクした丸いお菓子はなんだろう、情報が少なくってわからない。

「色とりどりでキレイでしたわ、でも数分で気味が悪い色に変わりましたからみな手を出さなくなったのだけれどサクヤが興味があるかと思い数個貰って来ましたよ」

母は神だ。
僕達子供の事は直ぐに分かるらしい。

「あ、分かりました作れますよ」

なんと、二人の言っていたモノがマカロンだとは思わなかった。
サクサクしていてねっとりしている筈が硬くなるのか、この世界は。
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