絶望を快感に

第一章〜レイプは犯罪です

オマケの話〜あの動画はどうなった？

同棲を始めて暫く経ったある日の事。


俺はソレの存在すらすっかり忘れていて、篤人との幸せな日々を謳歌していた。

「なぁ～俺のパソコンの調子悪いんだけど、篤人のやつちょっと貸してくれない？」

「ん？いいぞ。パスワードはお前の誕生日だ。」

「俺のなんだ？笑」

篤人は俺に対して隠し事なんてしない⋯ってかできない奴だった。

ちょっと？常識と掛け離れた奴で、何でも無茶苦茶IQが高いらしい。
“馬鹿と天才は紙一重”なんて言うが、篤人は8：2⋯いや、9：1で馬鹿の割合が大きいと思う。
一緒に生活を始めて、自分がいかにマトモな人間でい続けられるか、これに掛かっていると本気で思った。


まぁ、これは追々（続編で）話していくとして、まずは課題を終わらせないといけない。

借りたパソコンを立ち上げて、パスワードを打ち込む。

「まさかのトップ画面まで俺じゃん（笑）」

映し出された画面にはデカデカと俺が映っていた。
こんな写真いつ撮ったんだろ？

⋯ほんのちょっと、好奇心が湧いてしまった。

悪いとは思いつつ、写真のフォルダを探してしまう。
そこには日付毎に写真や動画が残されていて、かなり大量に保管されていた。

そもそも出会ってからまだそんなに月日が経っていないのに、既にここまで埋まっているのは恐ろしい。その殆どが俺だ。

一体いつからあるのかとクルクルと前に戻してスクロールすると⋯⋯


「あれ？この日付って⋯⋯」


俺は見てはいけないものを見てしまった。


まさか、ここにあったなんて⋯
俺もすっかり忘れていたが、こんなとこに保管されているなんて。




※最重要フォルダ
20xx年○月△日
「隼人との初めて記念日♡」



これ、俺を襲った日付じゃん。
あの時の動画、普通は絶対脅しのネタだって思うじゃん？

うん、今なら分かるよ？
篤人にとっては、ただ記念日として記録しときたかったんだね。



⋯⋯俺の彼氏、一歩間違えれば犯罪者なんですけどぉ⋯⋯（泣）
被害者が俺だから良かったけど⋯⋯
ん？いや、良くはない。

今後これ以上ヤバイ犯罪犯さないように、徹底して見張ろう。うん。

まぁ、多分コイツが犯罪犯すほど馬鹿をやるのは俺だけだろうから、もうこの際開き直ってやるしかないけど。


俺はそっと写真のフォルダを閉じ、自分の課題をやり始めた。





※ところで大量に保管されていた写真はいつ撮られたものなのか？
撮られているものには大学内やバイト先だったり⋯明らかに隠し撮りも含まれているが、これは一体誰が撮ったものなんだろうね？