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昏鐘の勇者編

13 500年勇者をしてきた者

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 悟の白いオーラを身に纏っていた、

「まさか覚醒したのか勇者として!?」

 春樹は悟の異常をそう感じ取った。

「そうなるな……」

 ゆっくりな口調で喋る悟。

 すると、纏っていた白いオーラが悟の四肢や体を包み込んでいった、

「それ以上はさせるか!」

 春樹は一瞬で悟に接近し右腕を振り上げ殴った、

バシィン!!

 しかし、その拳は悟には届くことはなく、その右腕は悟に捕まれていた。

「くっ」

 悟は冷たい視線をし春樹の目の奥を覗いていた、

「やめろ視るな!」

 春樹は嫌がりだし、暴れた。

「そういう事か……」

 悟は春樹に魔法で記憶を覗いた。

「はぁはぁ視たのか……」

「あぁ視た、そして春樹がそうなったのも分かった、けど俺はそれを否定したい」

 春樹はそれを聞いた瞬間。

 同じ事実を知りそれでもこの世界を救いたいのかと思い、それに対して不快感を感じ黒い剣を発言させ斬りつけた。

「ならばお前をここで倒し俺はこの世界を終わらせてやる全てを!!」

「させるか……それを止めるための勇者だ……」

 強く力強く悟をそう言うと向かってくる春樹の剣を消した。

「一本だけだと思うなよぉさとるぅぅ!!!」

 春樹は憎しみを増幅させ魔力の剣を六本出現させると悟の周りに漂わせた。

「何年、何十年、何百年、俺は僕はお前達と戦っていると思う……」

 その瞬間、悟の周囲に白い光の波動を発すると発現した魔力剣は消失した、

「何だと……」

 春樹は呆然と膝をついた。

 『力を求めた末にこの世界の真実を知り、世界を滅ぼすために魔王の力までを頼ったのに届かないのか、これでも勇者には……届かないのか……力、まだ力が必要だ……魔王様俺に私に力を!!』

 心の中で春樹は懇願した。

「ここまでだ春樹……」

 悟は魔力剣を発現させ春樹の首に目掛けて斬ろうとした瞬間、ふっと影が現れた。

「何だ?」

 悟は剣を斬るのを取り止めると上空を見上げた。

「あれは……まさか……」

 上空にあったのはとてつもなく直径一キロの大きい黒い塊がそこにあった、

「ワールドオーダーか!!」

 その黒い塊から沢山の触手が春樹に向かって来た。

「させるか!!」

 悟は春樹に向かってきた触手を切り落とすも数本の触手が湾曲したり変則的になり春樹を刺した!!

「止めろ!! 彼を苦しめて殺すのか!!聞いてるんだろ!!」

 しかし、その声は届かず春樹に因子が注入されていった。

 春樹は激しく動き出した。

「く゛、く゛る゛し゛ぃ゛」         

 激しく動き回った後触手は注入し終わると戻っていた。

「いま、殺らなければこの国が終わる!?」

 剣を春樹に対して振りかぶったその瞬間。

「悟……何してるの……春樹はクラスメイトだよ」

 その声に悟は振り向くとそこにいたのは美希だった。

 そして、春樹は黒い靄を吹き出すとその辺一帯を黒く染めた。

 
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