上 下
146 / 182
三部 反骨の国

56 メイ対妙齢な魔族 1

しおりを挟む
「あら? 私の魔法を打ち消した?」

 妙齢な魔族は不思議そうな顔をしながらメイを見つめる、

「もう、お母さんの言うことを」

「違う!! 貴女は私のお母さんじゃない!
 !」

「そう、そしたらこんな夢はどうかしら?」

 妙齢な魔族はそう言うとメイの目を合わせるた。
 すると、メイは糸が切れたような人形のように四肢に力が入らなくなるも、

「違う!! ハックはそこに居る!!」

 すぐに意識を取り戻す、

「ふぅん、そうなのね……でも、その彼はあぁなってるわよ」

 と、妙齢な魔族はハックの事を人差し指を向ける、

「あっ……あ゛ぁぁ」

 と、膝で立ちながら声を上げていた、

「ハック……彼にどんな夢を見せてるの!?」

 メイは敵である妙齢な魔族にそう言うと、

「あらあら気になる? でも教えてあげないは!!」

 妙齢な魔族は口角を上げる。
 メイはそんな魔族を睨み付けながら、

「そう、だったら貴女を倒してハックを助けるだけよ!!」

 メイはそう言うと共に左手に火の槍を一瞬で出現させると妙齢な魔族に対して投げつける、

「中々に威力のありそうなファイアランスじゃない」

 妙齢な魔族はそう言うと、メイが投げつけた火の槍を右腕で振り払うと火の槍は一瞬で消し飛ばす、

「まだよ!!」

 メイはそう言うと妙齢な魔族に接近して右手を火に纏わせる。
 その軌道は弧を描くように妙齢な魔族の顎を目掛けて行った、

「速いはね」

 妙齢な魔族は声を少し低くしながらメイを見ながら呟く。
 だが、妙齢な魔族はメイの攻撃に臆することなくその右手を先程振り払った手で受け止める、

「何っ!?」

 メイは驚きを隠せずたじろくと、

「この程度?」

 妙齢な魔族は余裕そうな顔をすると、メイをそのまま投げ飛ばした。

「くっ……簡単にはいきそうにないは」

 投げ飛ばされたメイは軽々とした身のこなしをしながら着地をする間に左手を空中に何かを描くとそこから火の槍が何本も現れる、

「行って!!」

 三本の火の槍は妙齢な魔族に目掛けて飛んでいく、

「何度やっても同じこと」

 妙齢な魔族は上から順に火の槍を消し飛ばすが、

「何っ!?」

 三本の火の槍と思われていたがその中の一つにもう一本だけ隠れていた、

「消し飛ばせない!?」

 妙齢な魔族はそれを防ぐことができず先程から振り払っていた手に当たる、

「やるわね……」

 妙齢な魔族はメイを睨み付けながら言葉が漏れる、

「まだまだこれからよ!!」

 メイは妙齢な魔族に対して強気な発言をするとまたもや同じように火の槍を出現させる。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】彼女以外、みんな思い出す。

❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。 幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。

記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。

せいめ
恋愛
 メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。  頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。   ご都合主義です。誤字脱字お許しください。

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~

大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」  唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。  そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。 「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」 「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」  一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。  これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。 ※小説家になろう様でも連載しております。 2021/02/12日、完結しました。

【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?

つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。 平民の我が家でいいのですか? 疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。 義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。 学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。 必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。 勉強嫌いの義妹。 この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。 両親に駄々をこねているようです。 私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。 しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。 なろう、カクヨム、にも公開中。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

女神様から同情された結果こうなった

回復師
ファンタジー
 どうやら女神の大ミスで学園ごと異世界に召喚されたらしい。本来は勇者になる人物を一人召喚するはずだったのを女神がミスったのだ。しかも召喚した場所がオークの巣の近く、年頃の少女が目の前にいきなり大量に現れ色めき立つオーク達。俺は妹を守る為に、女神様から貰ったスキルで生き残るべく思考した。

もういらないと言われたので隣国で聖女やります。

ゆーぞー
ファンタジー
孤児院出身のアリスは5歳の時に天女様の加護があることがわかり、王都で聖女をしていた。 しかし国王が崩御したため、国外追放されてしまう。 しかし隣国で聖女をやることになり、アリスは幸せを掴んでいく。

処理中です...