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三部 反骨の国

55 メイの過去

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「だがこれで貴様の攻撃を防げる!!」

 ハックは妙齢な魔族に向かって叫ぶが、

「あなた、後ろを向いて言ってるわよ」

「えっ?」

 と、ハックは目を開ける。

「あっ……」

 ハックははっきりと目を開け目の前に妙齢な魔族を見てしまった、

「こんな簡単な手に掛かるなんて坊やは可愛いはね」

 と、妙齢な魔族はハックの目の前に移動し彼の顎を撫でるようにし顔を妙齢な魔族と顔を合わせる、

「うっ……」

 ハックはその瞬間必死になって目を瞑ろうとするも目を閉じる事ができなかった、

「目を瞑る相手に対策を取ってるのは当然よ」

 と、妙齢な魔族は言う。

「ハック!! ハック何が起きてるの?」

 と、メイは声を上げ、

「女神様……逃げて……」

 ハックはそう言ったその瞬間、メイはハックの事が心配になり目を開ける、

「ハック!?」

 呆気なく捕まっていたハックは妙齢な魔族から手を離されるとその場で座り込む、

「ハック──ハック!!」

 急いでハックに近づこうとメイはするも、

「あらあらお嬢ちゃん貴女にも言い夢を見せて上げる」

 そう言って、向かってきたメイを捕まえると、

「離して!! ハックが!!」

 妙齢な魔族の腕を振り払おうとするも全然離れる気配は無かった、

「くっ……」

 メイは捕まえてきた妙齢な魔族を睨み付ける、

「そんなことしても無駄よ、それと私の目を見て良いのかしら?」

 そう言われるとメイは既に魔族の目と合ってしまった。

 ─────

「オギャーオギャー」

 と言う声が聞こえるメイ。
 しかし、体を動かそうとするも全く動かせる気配が無かった、

(ここは……それに声が出せない)

「ごめんね……ごめんね……メイ……貴女を一人にしたくはないだけど……」

 メイの目の前に大人の女性が目の前に居た、

(誰だろうこの人? それにどうして私の名前を?)

 メイは目の前に見える女性に疑問を持ちながらも回りを見渡すと既に日は落ちていた、

(そ、そういえばハックはどこそれにあいつは?)

 と、疑問に思っていると。 

「居たぞ勇者だ!!」

「殺せ!!殺すんだ!! 奴等は俺らの魔族に取っての敵だ!!」

(勇者……この女の人が)

「くっ……この子を連れていたら二人とも死んじゃう……」

 勇者と呼ばれている女性は森の中に入る。

「ファイアランス!!」

 女性はそう言うと背後に追ってくる魔族を足止めをしようとしたその攻撃は魔族に当たり燃え始めた、

(魔族達が燃えている)

 メイは目の前で起きている風景を見ていると途端に立ち止まった、

「メイ……ごめんね……」

(どうしたんだろう何を謝っているんだろう?)

「ごめんねごめんね」

 勇者の彼女はそう口にすると、そっとそこに置かれるような気配がすると、

「生きてねお母さん貴女を……」

 最後の一言が掠れて聞こえずそのまま勇者は去っていった、

(お母さん……あの人が……お母さん……)

─────

「お母さん……お母さん!!」

メイはそう口にしているとハッキリと意識を取り戻した。
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