勇者パーティーに追放されたけど、僕は女神様と魔王を倒しに行きます。

三部 反骨の国

54 妙齢な魔族

　騎士達は皆、魔族にあやされており誰一人として戦おうとしない様子が無い。

「一体何が？ 皆を助けなきゃ」

　ズーカは目の前に起きているとを異常な光景として見ては足を動かそうとすると、

「ズーカさん今行ってはダメだ、何が起きてどうしてあんな風になっているのか無策で行けば貴方も他の騎士達同様になります」

　ハックは冷静になりながら、目の前で起きている光景でそういう風に察する、

「だが、このままでは彼らが今にでも殺されるかもしれない」

　ズーカの言うとおり、このままなにもしなければいずれ殺られる事を否定できないハックだったが。

「ママ、ママァーー」

　と、一人の騎士が叫びだすと次の瞬間、

「オンギャーオンギャー」

　と、泣き出す。

「一体……何が起きてるんだ」

　異様な光景。
　妙齢な魔族は泣き出した騎士に近づくとあやし始める。

「よしよし、私の可愛い坊や」

　と、見た目は殆ど成人した人間を軽々ともちあげた、

「さぁ、私と一緒になりましょうか──うふ」

　魔族はそう言うと大きく口を開けて騎士を飲み込もうとする、

「ハックさん達、僕はでます！！」

　ズーカはそう言うと妙齢な魔族に向かったその時。

「ママが危ない」 「助けなきゃ」

　各々の棋士達が口々に思い人の名前を言いながら妙齢な魔族の前に立ちはだかった、

「止めろ皆！！ 仲間が一人！！」

　ズーカはそう言いながら騎士達を退けようとする。
　しかし、騎士達はズーカを通さないように道を阻む、

「坊や、愛してる♡」

　そして一人の騎士は魔族に丸飲みにされた、

「あっ、あぁぁぁぁ！！」

　ズーカはその場で崩れる。

「あらあら坊やが、また一人増えたようね」

　と、妙齢な魔族はズーカを見つめる、

「き、貴様ぁぁぁぁ！！  あっ……」

　憎しみを持った顔をしていたズーカは次の瞬間に糸の切れたような人形のように生気が抜けたような顔をするとその場で動かなくなると、

「か、かあさん……」

　ズーカは妙齢な魔族を見てそう呟いた。

「ハックもしかして、あの魔族の攻撃方法はもしかして……」

「ええ、何となくわかりました、間違いなくズーカさんがあの魔族の目を見て合わせた瞬間」

「魔族の魔法にかかる見たいだね」

　魔族の攻撃に掛かるのはわかったものの、

「だけどこの炎は何のためにしてるのハック？」

「恐らくですが、炎で視界が悪くなれば人が居るとわかれば向かうでしょう」

「……そう言われれば回りがこんな状態で自分が一人なら複数人で逃げたくなる」

「そうです、その心理を使ってあの目立つ格好をしていれば向かっていけば目を会わせるのは簡単でしょう」

　ハックとメイは二人で対策を考えようとしていると、

「他にも私の坊やは居るんでしょう……そこに隠れてるお二人さんも出てきてはどう？」

　と、妙齢な魔族はハックとメイの事を口に出す、

「隠れているのがバレているのか……」

　ハックは小さく呟いていると、

「出てこなければ今の坊やを先に食べちゃおうかしら」

「んっ……ハック出ましょう」

「そうですね女神様」

　そうして二人は妙齢な魔族と騎士達の前に目を瞑りながら出た、

「あらあら目を瞑って、私の攻撃がわかってるらしいわね──ふふふ」

　妙齢な魔族は、その風体を表すように微笑みながら二人を見た。