勇者パーティーに追放されたけど、僕は女神様と魔王を倒しに行きます。

三部 反骨の国

26 迫る者

「皆さんこちらです！！」

　コルが先導した先には森が続いておらずそこには道が一つあった、

「コル君、ここからどっちに行けばよいのだ？」

　一人の初老の男性がそう言われると、コルは回りを見渡すと見知った橋を見つける、

「あの橋の向こうに僕達が目指すキセル村があります！！」

　コルがそう言うと、十数人の人達が一斉にそこに向かって走り出す。

「ハックさん達はまだか!?」

　コルはそう思いじっと森の中を見つめると二人の姿がこちらに来ていた、

「ハックさん！！」

　コルはそう呼び掛けると、

「コル何してる早くお前も行け！！」

　と、大声でハックに言われる、

「は、はい！！」

　コルも集団の後ろをついていくように走り出す。

　──────

「おいおい、あっちに気を取られていいのかなヒヒヒ？」

　と、水の魔法を使いながらハック達に迫る。
　それを見たメイは手を払うとその先から炎が出ると魔族によって出される水は蒸発し消える、

「くっ、こいつも私達魔族と同等の魔法を使えるのかヒヒヒ」

「そっちに気を取られていいのか？」

　その隙にハックが魔族の目の前に居た、

「何!?」

　魔族は驚いたその時、ハックの右拳が魔法によって加速されるとストレートに魔族の顔面に入る、

「がはっ」

　魔族はそのまま木に激突する。

「タクヤさんとトレーニングしたのが効いてるな」

　ハックは手を広げて地面の方に向けながら振る。

「ハック今のうちに行きましょう」

　と、メイがハックの腕を掴んで二人ともようやく森の中から出ることとなった。

「ヒヒヒこの程度ではやられませんよぉ！！」

　魔族は上半身を動かさず下半身だけで立ち上がるとこちらに向かって走ってきて魔族も森から出ることとなった、

「くっ、浅かったか──」

「そう簡単には下がれないのねハック」

　女神様は少し不満気な顔をしながらそう言ってくる、

「そのようですね女神様」

　魔族は二人の話している間にも近づきながら水の弾を何発も発射しながらこちらに向かってくる、

「何発打っても変わらないわ！！」  

　女神様はなぎ払うように手を振り道の端から端までに火を放つと当然のように水弾は消える、

「では、これはどうかなヒヒヒ」

　魔族はそう言うと、右手を突き出す、

「女神様こっちに来て厚い炎の壁を作るんだ！！」

　と、ハックを大声を上げるとそれに反応しメイはハックの近くに来ると炎の壁を作る、

「私の水と貴方の火どちらが強いか勝負ですヒヒヒ」

　その瞬間、魔族の手から大量の水が一斉に噴射され重力を嘲笑うかのような真っ直ぐこちらに向かい炎の壁とぶつかる。

　ジュュュュゥゥゥ

　水が蒸発する音を立てながらジワジワと火の壁は押され始める、

「女神様、ここで耐えて下さい僕が本体を倒してきます！！」

　ハックはそう言うと、女神様の後ろから飛び出し魔族の方に向かう、

「また殴りにくるのか、魔法は使えないんかヒヒヒ」

　魔族はハックが見えたのかそう挑発すると、

「いや使えるさ、だけど女神様達の方がすごいから出さないしそれに」

　ハックはそう言うと、通常の三倍もあるかのような動きを見せる、

「私も対抗しないといけなさそうですねヒヒヒ」

　魔族はそう言うと、手で補助するよりも少し小さくなるが水の弾が魔族の顔の前に現れる、

「この程度でもお前を倒せるぐらいはできそうだ、私の攻撃を防いでる人間は無理そうですけどねヒヒヒ」

　魔族は言い終わるとすぐにハックにその小さな水の弾を放つ、

「だらうな、だけど」

　放たれた水弾はハックに当たることはなかった、

「何!?」

　魔族はすこし驚いたような表情をしたその時、

「ちょっと歯ぁ食い縛りやがれ！！」

　魔族は左の方に顔が飛んだと思ったその瞬間今度は左の方に鋭い痛みが入ると右の方に吹っ飛ばされるともう一度右の頬に鋭い痛みが入った、

「ハァァァァ！！」

　最後に気合いを全身に入れると殆ど距離の無いパンチを魔族の顔面に入ると次の瞬間にはハックの腕は伸びきり魔族は頭だけが完全に吹っ飛んだ。