勇者パーティーに追放されたけど、僕は女神様と魔王を倒しに行きます。

二部 送る村

16 神器と呼ばれる武器

　バクン

　怪物の口を閉じる音と共に僕の周りは光が消えるど、

　ドドドドドド

　と、音を立てると海中のなかだと言うのに足下が地面に着いた、

「一体何が……」

　そう思っていると地面は僕を押し潰そう始めると、

「これは地面じゃない舌だ！！」

　舌だとわかった瞬間、押し潰されると思い足を浮かせ前へと泳ぐが、

「ぐっ!?」

　泳ぐ速度よりも舌が迫ってくるのが早く硬口蓋に挟まれると直ぐに僕を転がすように舌を左右に動かし始める、

「神器は……」

　手に離さず持っている神器を見るがまだまだMagic meterが書かれているその下におそらく現在溜めているゲージは半分ほどしか溜まっていなかった、

「ま、まだmaxじゃないのか」

　その間もコロコロ転がらされていると舌の動きが途中で止まる。

　時間にしてほんの数秒の間転がされると怪物が動き出したその時、

「ハック殿！！」

　と言うタクヤの声が聞こえると怪物の口が開くと、

「つぅぎはおまぇだぁぁ」

　と、水が震えながら音は発せられると同時に、

「タクヤさんが危ない!?」

　と、思い持っている神器に全力で魔力を込め始める。
　その間にも怪物はコロコロと舌で弄ぶように僕を転がすがそれにも動じずに込め続けていると、

「充填完了──執行者モードに移行します」

「へっ……」

　突如、神器はその様なことを言い始めると周りについていた錆が剥がれ落ちていくと銃の形が変形する。

「何だよこれ……」

　銃の発射口は先程までよりも長くなり、かつ、先程までは無かった光で絵を作っておりそれを覗くとまるで標的を狙うかのように銃口の先がわかるようになっていた、

「これで殺れるのか……だけど少量でもあの威力か」

　そう思っていると先程まで激しく動いていた怪物の動きが止まると大きく口が開かれ背面から光が差し込むと僕は今だと思い大声でタクヤに向かって、

「タクヤさん離れていて下さい！！」

　と、一言を大きく叫ぶが一回じゃ心配なので少し間を置いてもう一度叫んだ。

　タクヤに注意喚起をすふと僕は手に持っている神器をじっと見つめる。
　外で何やら怪物が僕を探し少し時間を稼げたようか僕を一度探した後、

「居ない」

　という声が聞こえた恐らくタクヤの事だろう、そして海の中だから直ぐに見つかるだろうと感じて直ぐに神器を怪物の奥の方に向けて構える、

「一体今から何が起きるんだろうな……」

　僕はそう一言だけ添えて神器の引き金を引くと、

　ポン

　と、何か間の抜けた音が聞こえた、

「えっ……」

　空気が抜けたような音が引いた後直ぐに聞こえるとこれだけと思っていると、

　ボンッ

　と、先程音の聞こえた所にポッカリと黒い何かがそこに出来ていた、

「何だあ……」

　何だあれと言いきる前にその黒い何かを中心に大量の水が吸い込まれ始めた、

「ちょっ……これ僕、大丈夫なのか？」

　が、しかし、そう思うのも束の間水の流れは直ぐに止まると黒い球体は何かを探すようにふわふわと漂うと何かを見つけたかのように消えると、

　ゴゴゴゴ

　と、音が鳴り響くと同時に怪物の中が先程よりも肥大化したかのように肉が集まっていた、

「な、なんだ!?」

　そして、怪物は至るところが爆発した。

　─────

「てな感じですタクヤさん」

「そんな事が……」

　そして現在に至る。