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二部 送る村

9 村に起きた悲劇

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「あれは半年前ぐらいだ……」

 歪めた顔で村長はゆっくりと話し始める。

 ─────

 村長の話しによると亡国となったと知らされる前に村の者達はいつも通りに明朝に漁に出ていた船がボロポロに帰ってきて一人だけ残された村の青年によってその存在がわかった。

 その青年が療養して三日後にあの怪物が村を襲いに来た、その時、村中の男をかき集めて挑むも返り討ちにされる、その時、怪物はその中から一人だけ男を選び海の中に持って帰る時に「太陽が6回登った時にまた来る」とだけ残して言った。

 ─────

「それがこの村に起きた出来事……」

 タクヤは唇を噛み締めて言葉を出す。

「村長さん、その療養していた村の青年さんは?」

 女神様はに言うと村長は首を振り、

「そやつは、俺があいつを倒すと言ったきり海に出ていって帰ってきてない」

「勝ち目もないのにどうして行かせたんですか?」

 あの怪物に勝ち目が到底あると思えないのにどうしてその人を村の人々は止めなかったのかと疑問に思うと、

「村に残された神話の中に残された武器があったからじゃ」

 神話……

「神話って、あの神話?」

「あぁそうさその神話さ」

 神話……僕達人間が記録し始めて最初の話、

「そんな武器を持っても帰ってこなかったと……」

 そう言うと、村長はまた顔を下に向けた。

「大体の事はわかりました村長殿」

 これ以上話すのは止めようと思ったのかタクヤが立つ、

「そうですねタクヤさん、これ以上話しても何か重要な事はなさそうですしね」

 僕も同じ気持ちになりタクヤさんの後に立ちその後すぐに女神様も立ち上がる、

「村長さん、お話ありがとうございます」

「あ、あぁ、すまないね私から話せるのはこのくらいの事しかない」

「はい、それと」

「どうしたんだ?」

「ユウキはここに置いといてもいいですか?」

「そのくらいお安い事さ」

 そう言うと、村長も立ち上がった。
 そしてミント村の初日はこうして日は沈んだ。
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