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パーティー結成と依頼達成
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「それではパーティー名をお願いします」
受付のお姉さんがそう言うとセイは躊躇いなくパーティー名を口にする。
「そうですね。流石に私達のパーティー名ではイリヤ様が可哀相ですし、"リュミエール エ オンブル"だと長すぎるので、略してリュミエールで良いですね」
「……セイ達の?……てかそれ工房名」
ひそひそとセイに進言するもまったく意に介さず。
リュミエール エ オンブル──……正式には【Lumière et ombre】フランス語で光と影。どんなに便利な魔導具にも良い面と悪い面があり魔物だけではなく人をも殺す道具になりうるから……お世話になったエタブレのプレイヤーであるイオリさんがつけてくれた工房名。突如音信不通になって二年……そして異世界に来てしまった俺はもう二度と会う事は無いだろうけど元気にしているだろうか?
てか、セイたちのパーティー名は可愛らしい名前だったような……そう、"フェアリーテイル"……確かお伽話だっけ?
女の子三人ならそれでも良いけど、でもさ、リュミエール エ オンブルって俺の工房名だよね。俺はソロだったからパーティー名なんて無いから別にセイ達のパーティー名でも、少し恥ずかしいけど……そんな風に思っているとセイは微笑みながらこう言った。
「万が一こちらに来た場合、合流しやすいでしょう。それにあの拠点はイリヤ様の工房兼で登録が"リュミエール エ オンブル"でしたからリュミエールなら分かりやすいかと…………あとイリヤ様ってば地味にそういうセンス無いんで」
最後の方がなんか聞こえなかったけど、そうだよな。仲の良かった二人と合流できたらって思うのは当然だよな。たとえそれが叶わないとしても。
「分かった。それで良いよ」
なんとなくセイの革鎧は自分たちで討伐したドラゴンだし、ドラゴンスレイヤーとかもっと強そうな名前が良かったけど神銀なんちゃらっとか、なんとかの金剛ってのも捨てがたいな。
でも良い笑顔でセイ却下されそうな気がする。……自分の使っていた工房名から取るとかかなり微妙だけど、セイが良いならそれで良いやと無理矢理納得しとく。
「登録は終わりました。続いて常設依頼の達成報告でよろしかったでしょうか?」
「お願いします」
俺とセイは革のウエストポーチをごそごそして薬草や討伐証明を出した。まずルミエ草を三分の一くらい出した所で止められた。
「す、すみませんっ!倉庫の方でお願いできますか?」
ルミエ草190本、根付きのマナグラス115本、スライムみたいな粘体の魔石28個、一角兎的なの12匹分の角、皮、肉、魔石……一角兎は羽なのか匹なのか迷う所だ。
そしてゴブリンの耳4匹分と魔石、そしてボア1頭分の皮、肉、魔石。
セイ曰わく丸ごと持って行くと解体料がかかるらしいので、狩人を極めた時のオート解体スキルを使いインベントリ内で解体済みだ。なんて便利スキル。極めていて良かった!
ボアを倒した時つい首を落としちゃってリアルな血の臭いに吐きそうになったんだ……そんな俺に血抜きしたりなんだりと解体なんて出来るわけが無い。
「ほぉ見事な解体だ」
「……どうも」
倉庫のムキムキなおっさんに褒められるが、オート解体だから正直胸をはれない。この世界ってレベルをカンストさせてる奴なんてほぼいなさそうだから、このスキルを持ってるのは俺くらいになるのか?……なんか複雑だな。
全て常設依頼のものなのですぐに金額は出るらしい。俺とセイは倉庫の隣にあるギルドの建物にとんぼ返りだ。
受付のお姉さんがそう言うとセイは躊躇いなくパーティー名を口にする。
「そうですね。流石に私達のパーティー名ではイリヤ様が可哀相ですし、"リュミエール エ オンブル"だと長すぎるので、略してリュミエールで良いですね」
「……セイ達の?……てかそれ工房名」
ひそひそとセイに進言するもまったく意に介さず。
リュミエール エ オンブル──……正式には【Lumière et ombre】フランス語で光と影。どんなに便利な魔導具にも良い面と悪い面があり魔物だけではなく人をも殺す道具になりうるから……お世話になったエタブレのプレイヤーであるイオリさんがつけてくれた工房名。突如音信不通になって二年……そして異世界に来てしまった俺はもう二度と会う事は無いだろうけど元気にしているだろうか?
てか、セイたちのパーティー名は可愛らしい名前だったような……そう、"フェアリーテイル"……確かお伽話だっけ?
女の子三人ならそれでも良いけど、でもさ、リュミエール エ オンブルって俺の工房名だよね。俺はソロだったからパーティー名なんて無いから別にセイ達のパーティー名でも、少し恥ずかしいけど……そんな風に思っているとセイは微笑みながらこう言った。
「万が一こちらに来た場合、合流しやすいでしょう。それにあの拠点はイリヤ様の工房兼で登録が"リュミエール エ オンブル"でしたからリュミエールなら分かりやすいかと…………あとイリヤ様ってば地味にそういうセンス無いんで」
最後の方がなんか聞こえなかったけど、そうだよな。仲の良かった二人と合流できたらって思うのは当然だよな。たとえそれが叶わないとしても。
「分かった。それで良いよ」
なんとなくセイの革鎧は自分たちで討伐したドラゴンだし、ドラゴンスレイヤーとかもっと強そうな名前が良かったけど神銀なんちゃらっとか、なんとかの金剛ってのも捨てがたいな。
でも良い笑顔でセイ却下されそうな気がする。……自分の使っていた工房名から取るとかかなり微妙だけど、セイが良いならそれで良いやと無理矢理納得しとく。
「登録は終わりました。続いて常設依頼の達成報告でよろしかったでしょうか?」
「お願いします」
俺とセイは革のウエストポーチをごそごそして薬草や討伐証明を出した。まずルミエ草を三分の一くらい出した所で止められた。
「す、すみませんっ!倉庫の方でお願いできますか?」
ルミエ草190本、根付きのマナグラス115本、スライムみたいな粘体の魔石28個、一角兎的なの12匹分の角、皮、肉、魔石……一角兎は羽なのか匹なのか迷う所だ。
そしてゴブリンの耳4匹分と魔石、そしてボア1頭分の皮、肉、魔石。
セイ曰わく丸ごと持って行くと解体料がかかるらしいので、狩人を極めた時のオート解体スキルを使いインベントリ内で解体済みだ。なんて便利スキル。極めていて良かった!
ボアを倒した時つい首を落としちゃってリアルな血の臭いに吐きそうになったんだ……そんな俺に血抜きしたりなんだりと解体なんて出来るわけが無い。
「ほぉ見事な解体だ」
「……どうも」
倉庫のムキムキなおっさんに褒められるが、オート解体だから正直胸をはれない。この世界ってレベルをカンストさせてる奴なんてほぼいなさそうだから、このスキルを持ってるのは俺くらいになるのか?……なんか複雑だな。
全て常設依頼のものなのですぐに金額は出るらしい。俺とセイは倉庫の隣にあるギルドの建物にとんぼ返りだ。
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