優しい君を抱きたい

ツナコ

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こんなに真面目な告白を、俺は今まで受けたことがないかもしれない。
いつも彼女のほうから、つきあって。うん、いいよみたいな軽いノリで。
一挙に顔が火照ってくる。
そして、自分の心の中を、見つめ直した・・・

「朝陽さん、俺は、今まで女性としか付き合ったことがないし、男性とそういう風になるとか・・・考えたことがなくて、でも、朝陽さんと出会っていろんな所行って、話して、本当に楽しかった。
友達としてじゃない気持ちを、俺も、感じています。
でも、男同士の恋愛ってよく分からなくて・・・教えて下さい。
俺で良かったら、よろしくお願いします。」

緊張してしまい朝陽の顔を見れず俯きながらもそう答えると、朝陽は何かを我慢したように溜息をつき、

「蒼くん・・・何でそんな可愛いの?!
ありがとう!大事にするからね!」

と蒼の手をぎゅっと握りしめる。
そしてじっと蒼を見つめ、

「蒼くん、明日も休みだよね?
良かったらだけど、俺の家、来ない?
蒼くんともっと一緒にいたい。」

もう?!いきなりそういう事するのかな?!と蒼は若干躊躇したが、朝陽とのこの先を早く知りたくなった。

「はい・・・大丈夫です。」

と朝陽の目を見る。朝陽は微笑むと、

「じゃあ、行こう」

と蒼の腰に手を添えて歩き出した。
 朝陽のマンションは蒼のところよりかなり大きくファミリー層向けのタワーマンションだった。
エレベーターで25階まで上り右奥の部屋に入る。
蒼の1Kの部屋より大分広そうだ。
入ってすぐの玄関で、振り返った朝陽にぎゅっと抱きしめられた。
胸板の弾力が心地良く、蒼も抱きしめ返し頬を首筋に擦り寄せてみた。

「蒼くん・・・。」

蒼の頤をそっと持ち上げると、朝陽は愛おしげに蒼に口付けする。
蒼の分厚い舌が性急に蒼の口に入ってくる。歯列をなぞり、蒼の口内を蹂躙し蒼の舌を舌根から吸い込んで絡め合う。
じゅっ・・ちゅっ・・と、水音がしんとした玄関に響いて

「うっ・・・ふぅっ・・・」

うまく呼吸ができず、官能がゾクゾクと蒼の体を刺激し立っていられなくなりそうだ。

「はあ・・・ごめん、我慢できなくてつい・・・。」

朝陽が蒼の口の周りの唾液をぺろりと舐めていう。

「でも、最初はがっつかないできちんとしたいから、まずは落ち着かないとな。
・・・とりあえず、いったん部屋入ろう。」

朝陽は照れながら室内へと蒼を導いた。
蒼も下半身の疼きを感じながらも、お邪魔します・・・とシューズを脱ぎ朝陽が置いてくれたスリッパを履き歩き出す。
すっきりと片付いた、モダンテイストなモノトーンのリビングの中心にどっしりと構えた黒の革張りのソファへと導かれ座る。

「コーヒーでも淹れるね。」

とキッチンへ向かう朝陽に、蒼は少し心に引っかかっていたことを聞いた。

「朝陽さん。
朝陽さんて、これまでお付き合いとかあまりしたことないって言ってましたよね。」

「そうだよ~、蒼くんが初めて。」

「でも、いろいろ朝陽さんと出かけて、朝陽さんいろんなとこ行ってるなぁって思ったんですけど、その・・・セフレの方ともいろいろデートっていうか、してたんですか?」

それってつきあってるのと同じことでは?と思ったのだが、

「あー、それはね・・・。」

と朝陽が言いかけたとき、突然リビングのドアが開いた。
振り向くと、高校生くらいの男の子が立っていた。

「晴翔!お前今日彼女んち泊まるって言ってただろ。」

朝陽がしかめっ面で咎める。
朝陽のそんな顔を初めて見て蒼は意外性に戸惑う。

「泊まるよ、ちょっとスマホの充電忘れてさ、彼女と型違うから・・・って、なに?叔父さん、俺の留守にセフレ連れ込んだの?
珍しいじゃん自宅って。
つーか、超綺麗な人だね!男でもクラクラするかも。」

と見つめられる。
叔父さん?道理で、朝陽を少し小さく、そして少年にした面差し、マッシュショートの髪に凛々しい眉としっかりとした二重の精悍な顔、浅黒い肌でがっしりとした体つきのイケメンだ。
間違いなく女子にモテるだろうなぁ、と思いながら、

「あ・・・こんばんは。」

と微笑み頭を下げる。
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