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第1部

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 12月になった。

 月末はバカンスもあるし来月からは12年生に進級だ。
 
 ケイトとバカンスは一緒がいいねと言っているけど、多分今回は別荘でのんびり過ごしそう。

 キースともぽつぽつと話すようになってきて、良かった。

 カレンとは、おつきあいはしないらしい。

 舞踏会には誘われてOKしたけど、おつきあいすることはないとはっきりと断ったみたい。







 そして週末は、イーサンとポロの試合を見に行く約束をしていた。

 舞の世界ではあまり聞かないけど、こちらでの1番人気のスポーツはポロだ。

 今日の大会は4年ぶりの国同士のトーナメント戦で、前々から観戦チケットは争奪戦だった。

 イーサンは運良くチケットをゲットして、当初はお兄様と行く予定だったけど私と行きたいとお兄様に断ったらしい。

 お兄様は渋々了承してくれた。

 私はあまりポロを見たことがないのだけど、周りの熱気が凄い。

 我がレーゲンブルクと夏の国カミネッツとの試合は大声で声援が飛び交う。

 イーサンは大声は出さないものの、私には目もくれず試合を食い入るように見ている。

 私はそんなイーサンが珍しくて可愛くて、持参したフロランタンとコーヒーをテーブルに置き、試合よりそんな彼の横顔を眺めていた。

 周りを見てみると一段高いところに王族の席があり、国王とエリアスが座っているようだ。 

 エリアスはポロクラブだし、やっぱり好きなのね。
 
 双眼鏡で見ながら時々国王に話しかけている。  

 国王とエリアスはあまり似ていない、エリアスは王妃の美貌を受け継いだのね。

 試合に目を戻すとなかなかの接戦だ。

 馬がかなりのスピードなので、ぶつからないかハラハラしながら見ていた。

 試合は激戦の末レーゲンブルクが勝利し、周りは皆勝利に酔いしれている。

 「いい試合だったな」
 イーサンもニコニコだ。

 「凄い迫力ね。
 初めて見たけど面白かったわ。。 
 舞の世界では、ポロは人気がなくて、サッカーとか、野球とかが人気だったの」

 「アイシャの前世だな?
 ポロが人気がないとは悲しい。
 アイシャがよかったら、またこよう。
 …今日はうちに来れるだろう?」
 そう言って私の手をぎゅっと握る。

 今は4時。まだ大丈夫だ。

 「ええ」

 それからタウンハウスまで辻馬車で向かう。

 到着すると、イーサンが私をひょいっとお姫様抱っこするからびっくり。

 「イーサン?」

 「アイシャ…久しぶりだ。
 アイシャが家に来るのは」
 そう言ってそのまま2階へ上がる。

 「イーサン、重いでしょ?下ろして…」

 「全く。君は羽のようだ」
 
 それは嘘でしょ、と思うがイーサンはがっしりと微動だにせず、恥ずかしかったけど私はその逞しい胸に顔を埋めた。

 そのままベッドへなだれこみ濃厚な愛撫を全身に受けたあと、彼はゆっくりと陰茎を私の奥まで挿れた。

 段々と早くなる抽送に私は絶頂を迎え、イーサンも痙攣する私の体を抱きしめながら深く突き入れ達する。 

 「アイシャ…」

 「イーサン…」

 私達はしばらく抱き合いながらキスを繰り返していたが、イーサンが一緒にシャワーを浴びようと私を再びお姫様抱っこする。

 2人でシャワーなんて、恥ずかしい!とイヤイヤしていたが、「ダメか?」とキューンと鳴く子犬のように懇願され、私は嫌々ながらもシャワールームへ連れて行かれた。

 明るい室内に暗くして欲しいとお願いしたけど、それだと真っ暗しかないから見えないと明かりはつけたまま。

 寝室は薄暗かったからここで全裸を見られるのは恥ずかしい…。

 私は手であちこち隠していると、手を引かれ2人でシャワーを頭から浴びる。

 温かさがちょうどいいお湯が心地よい。

 そして、目の前にイーサンの逞しい胸筋が。

 明るいところでみると腹筋も綺麗に割れて逞しい。

 そしてその下は…黒々とした陰毛から見えるイーサンの陰茎はまだ、大きい…。

 まじまじと見て、自分の体がすごく貧相に思えてますます体を隠していると、イーサンがクスリと笑い、

 「アイシャ、髪を洗ってあげよう。
 後ろを向いて。
 背中なら、恥ずかしくないだろう?」
 
 お尻を見られるのも恥ずかしいけど…前よりは…と考え後ろを向く。

 イーサンの大きな手で髪を優しく洗われると気持ちいい。

 年頃になってからはメイドでなく自分で洗髪していたから、誰かに洗ってもらうのは久しぶり。

 髪をすすぎ終わると、イーサンは私の首筋にチュッとキスをして、私を後ろから抱きしめる。

 「アイシャの体は細くて柔らかくて、強く抱きしめると壊れてしまいそうだな…」

 耳元でそう言いながら、うなじと背中に優しくキスをされ、私は息が漏れてしまう。

 「んっ…イ、イーサン」

 彼は寄りかかった私を抱きかかえ、浴槽の縁に腰掛けさせる。

 そして内腿にそっとキスをされ、私はまた濡れていくのを感じる。

 「あっ…イーサ…」

 足を開かれ、明るいところで濡れている場所も、全部見られてしまう。

 「ダメ…恥ずかしい…」

 「アイシャ…濡れている。
 凄く綺麗だ、ここも、何もかも」

 イーサンの舌が愛芽をたどる。

 「あっああっ…」

 イーサンの舌技に翻弄され腰がびくついてしまう。

 「可愛い…アイシャ…」
 そこで話さないで、イーサン!

 「だっだめ…また…いってしまう…」

 「いって、アイシャ」

 イーサンの舌がちろちろと愛芽を捏ね、私はまた達してしまった。

 頭が真っ白になった後、急激に力が入らなくなってしまい、結局シャワーを終え体を拭き、髪を乾かすところまでイーサンにお願いしてしまった。

 彼に迷惑をかけてしまった。。。だけど、イーサンはニコニコと私のお世話をしてくれた。

 なんだか嬉しそう?

 イーサン…、イーサンのモノも大きくなってたのに何もできなくて悪いことしたわ…。

 私がベッドに横たわっていると、イーサンはまたバスルームへ体を冷やしてくる、といってしまった。。。

 結局、門限ギリギリまで私はぐったりしてしまいそのままイーサンに送られたのだった。
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