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救出作戦
交渉
しおりを挟むハク「ともかく何か事情があるかも知れない
内情と施設内部の情報が欲しい」
沖高先生が彼を訪ねる事が彼にもハクにも必要と
言った真意……それは彼らを助けて欲しい
ただそれだけの事では無い気がしていた彼だった。
誠「そういう事なら俺に任せな」
キョロキョロ辺りを見渡すし近くにいるレイダーを
物色、細い色白の明かにジャンキー風の男を見た。
(ありゃマトモに話出来ねぇな……弱そうだし)
酒瓶を片手にロレツの回らない言葉で座っている
複数の男達。
(今やっても酒飲んで強い訳はねぇ……な
アルコール入った奴は少しでも血が出ると止まりにくいからな
後後めんどくせぇ、マトモなやつまともな奴……でどうせなら
強そうな奴っと)
その横に目をやると強そうに見えるガタイの良い
男……だが目が優しい感じの男だが移動用の
バイクの修理を担当しているらしく作業に没頭
(強そうだが……仕事の邪魔はいけねえ……)
そのまた横には殴り合いをする男達
彼の目に止まった男、何やら一際いかつい顔を
した堂々たる風格、辺りを注視している様だ
そいつを見つけるとズカズカと近づいて行く誠。
相葉「……おいアイツ何やら凄い睨みながら
何でわざわざあんな強そうな奴に近づいてんだ?
ヤバイって、おいどうすんだ、どうすんだよ!
どんどん近付いてるぞ」
クリス「嫌な……予感しかしない……」
相葉「……」
ハク「僕も……」
誠は顔面凶器の様な一際ガラの悪いレイダーに
近づくといきなり胸ぐらを掴みオデコ同士を
くっ付けるかの様に顔を近づけドスの聞いた声で
誠「おう!此処の施設の内情と雪丸の……」
クリス「まっ!」
ハク「さっ」
相葉「かー!だ!いや予想通り過ぎるだろぉ」
誠が言葉を言い終わる前にハクが誠の頭に
近くにあったズタズタの袋を被せ言葉を遮ると
同時にクリスが怒りとこれはある意味チャンス的な
憎しみを名一杯込めて背後から羽交い締めにした。
クリス(この馬鹿野郎!熊戦の後、俺らしく
出来るって言ったのはこう言うことか!
いきなり喧嘩うってんじゃねぇ!
お前の頭はどういう構造で動いてんだ!)
2人に羽交い締めにされジタバタもがく誠を
抑えながらもこの場を対処して良いか
わからない2人……
レイダー「おい!テメェ俺に喧嘩売ってんのか?」
ハク「にゃはは……そういう訳ではモニョモニョ」
クリス(チッ仕方ねぇ……俺が此処で暴れるから
ハク、その騒ぎに乗じてこの馬鹿で単細胞の
ヤンキーチンパンジーを連れて逃げろ)
ピリつく空気に周りが寄ってき始めた。
顔を手で覆い上を向く相葉は大きく溜息をつくと
羽交い締めにしているクリスに小声で話しかけた。
相葉(おい……確かここのボスの名は笠田だったな)
クリス(あぁ……普段は有田で通しているが本名は
笠田と言っていたな)
情報を確かめると身なりを整え彼等の
間に割って入ってきた。
ハク「……相葉さん?」
状況が更にややこしくなりそうな予感が
してならない2人を他所に相葉は背筋を伸ばし
冷静な顔で拍手をしながらレイダーに近づいく。
相葉「見事な戦いでしたね、噂通りの
強さに興奮するイベントこのコミュニティの質の
高さが見て感じ取れますね」
いきなり目の前に現れた男を見たレイダー
上から下までジロジロ相葉を観察する……
基本荒くれ者が集うこの場所にそぐわない
普通の男の風貌に違和感を覚える。
レイダー「何だお前?」
相葉「申し遅れました私は相葉と申します、
私はこの施設から南で奴隷商人の商いを
しております、
冬になり人の活動が著しく低下し奴隷の買い手が
つかなくて困りましてね、何せ奴隷も
生きてるだけで食糧やら光熱費がかさみますからね
逝ったら逝ったでゾンビになる始末、
そこでこの施設の噂を聞きまして……
そちらの内情と私どもの利益は合理的かつ
共存に向いているかと、こうして足を
運んだ次第です……」
レイダー「……奴隷だと?」
相葉「そうです、そちらにとっては冬になれば
人が必要ですよね?異星人に奴隷を供給するにも
お困りかと、安定供給できる我が社と提携を組めば
そちらにも大きなメリットがあるのでは
ないでしょうか、是非話だけでもボスにお話をと」
揺るがない目と爽やかすら感じるその態度に
クリス、誠、ハクも驚いた。
ハク「……さすが元エリート営業マン
僕の様な普通のサラリーとは違う……この状況に
交渉という手で切り抜ける策を練れるなんて」
誠「これがプロか……」
クリス「さっきまでのヘタレとは思えない……」
3人とも目をまん丸にし相葉を見つめていた。
レイダー「そんな胡散クセェ奴は山程いたが
来る度にあの闘技場で殺されていったぜ、
怪しい輩はすぐ捕らえ、イベントの
餌にしろとの事だからな」
相葉「怪しいかどうか私のプランを聞いてから
判断していただければよろしいのでは?
聞くだけなら無料、メリットがあれば其方の
此処での立場もよろしくなるのでは?
そしてそれ程の価値があると自負しております、
笠田様におきましてもご納得の
プランを幾つかお持ちしました」
レイダー「笠田……何故ボスの名を知っている?」
(此処のボスの名は極秘、一部の幹部しか知らねぇ
筈だ……普段は有田と偽名を使ってるからな
知っているとなれば内部情報を
相当深く知っている可能性は高い……か)
レイダー「俺には交渉ごとはよく分からんが……
おいこっち来て俺にもわかる様にそのプランとやら
話せ、次第によっちゃボスに会わせてやる
納得できなけりゃこの場で全員で撲殺だ」
相葉(かかった……)
相葉は言葉に怯む事なく耳打ちする様にレイダーに
ことの詳細を話した、はじめは怪訝な顔をしていた
レイダーではあったが余程の話術と頭の回転が早い
のだろう、その顔は次第に通販の消費者の様に
話を聞き入っていた。
ハク 「ほー」
誠 「ほー」
クリス「ほー」
深く肯いたレイダーは近くにいる部下の様な者を
手で呼び寄せたかと思うと静かに耳打ちをした。
相葉(落ちたな……ホウレンソウは商談の基本
辺りのレイダーが動かないとすると判断に困り
ボスに判断を委ねる証だ、それに手応えはあった)
相葉「察しの良い御仁で話が早い」
レイダー「誰が会わせると言った?」
相葉「またまたぁ……こちらもプロですからね、
それに内部情報を知っているとなれば、ボスに
合わせるしか手がありませんからね、理由は二つ
私どもが何処まで此処の情報を持っているか……
二つ目、奴隷を安定供給出来る程の背後に
組織があるのか、状況によっては脅威とも
考えられる……がメリットも大きい
でございますよね?
ただ一つ申し上げておきたい、私どもはその危険を
犯してまでこの場に立って今、あなたの前に
いる事の事実を、それだけの価値がある事を
笠田様にも同時にお伝えくださると大変ありがたく
存じます」
ついで申し上げておきますが私どものバックも
相応の人数と武器を所持して……
るかも知れませんねぇ……
だが異星人が占拠するこの土地を狙いに来る程
馬鹿じゃありません、が、この土地に近い
あなた方が必要とされる実験ないし労働力という
人間をこの先、私どもで排除する事も可能かと
そうなれば……いや脅しではありませんよ
あくまでも交渉に参りました所存ですから
レイダー(確かにな……話し方も慣れている
元はサラリーか、この世界の現状でバックに
異星人がいるこの施設の利益は何よりも大きい、
それに確かに最近、人攫いもままならねぇ事が多い
それに聞いたプランはただの野盗の考えられる
プランでは無い、胡散臭い取り入るだけの
商談でも無い、向こうの利益もしっかりある見事な
プランだった、それに敵の可能性も確かに否定は
出来ねぇ、ボスに判断を委ねる……か)
レイダー「……ついて来い」
こうしてハク達は施設内部へと案内された
だがいつしかクリスの姿だけはそこには無く
相葉、誠、ハクの3人での侵入となっていた。
相葉「クリスが見かけないが?」
ハク「状況が商談となればこの現状
相葉さんの腕にかかってるけど取り敢えずボスに
会うまでは安全と、だけど油断は出来無いから
もしもの時の為に隠密が得意なクリスに外部に
連絡が取れる様、今の内に此処を
離れてもらったんだ」
相葉(先手先手かコイツ現代なら部下に欲しいな)
誠「さすが元傭兵ってやつか……この厳重な警備
抜けるってゴキブリみたいなやっちゃ」
相葉(……コイツは絶対にいらん)
相葉「この馬鹿野郎!お前のせいだろうが!
もうこうなったら俺に任せろ商談なら俺の
得意分野だ」
ハク「頼れるっす!」
誠「その……すまん、だけどおっさん……
初めておっさんの事、尊敬しちまいそうだぜ」
相葉「あぁそうしてくれ……上手くいったらだが」
異星人により占拠された内部は元警察内部を改築
した物だった、牢屋は増築され多くの捕虜と
思われる人々がそこに収監されていた……
数にして50人は居た、その表情は暗く誰もが怯え
いつ来るかもわから無い異星人の実験体にされるか
もしくはゾンビの餌にされるか、また日々の
強制重労働に心は折れ、ただ皆俯いて先の見え無い
未来に絶望を側に、それは外にいるゾンビと
変わらない無気力にただ生きるゾンビと言っても
過言ではない日々を過ごしていた様だった。
外部も東西南北廃墟の上に常に監視が立ち
こんな世界になっても電気が安定供給され
スポットライトで厳重に警護されている。
建物から建物は縄梯子も至る所に
張り巡らされている一見粗雑な野蛮人の様な建造物
と近代コンクリート製の建物が不思議とマッチして
見える景観が絡み合っていた。
奴隷は施設内部の最下層に位置する牢屋に、
幹部と此処での裕福層が暮らす施設は二階から
5階まで、一般人は以前パトカー等が置いてある
駐車場一体を所狭しと簡素な木で作られた小屋が
間隔も狭く立ち並んでいた。
取調室の様な場所に案内され座らされた3人
背後には武器を所持したレイダーの監視付きだ。
雨漏りがするこの場所は薄暗く不気味な雰囲気に
拷問質を兼ね備えているのか血が辺りの壁に
染み付いていた。
笠田と思われる人物の声が部屋の上部に
設置してあるカメラのマイクを通して部屋に届く。
笠田「プランは聞いた、確かに納得できるものでは
あったな……だが全てを信用するわけにも
いかねぇな相手が相手だけにミスは此方も命取り
何でな」
相葉「承知しております、最も重要で最優先は
異星人への人間の提供の安定供給そうですね?」
笠田「あぁそうだ……奴等に道理は通用しねぇ
安定供給が出来てこその和平交渉だからな
人が居なくなりゃ部下でも差し出さねば皆殺しだ」
相葉「もうすぐ冬となれば人の活動も落ちます
狩に邪魔なゾンビも冬には凍え著しく数が減る、
だが獲物となる生きる人間もまた飢えや寒気に
よるウイルスの活発化、病気で命を危ぶまれ
体内に浴びたあの日のガスによりゾンビと変化する
ゾンビとなった人間では彼等の要求を満たす事は
出来ない……でよろしいですね」
笠田「……あぁ」
「その話興味が無ぇわけでも無いが……
だが奴隷を集めるのにもジリ貧て訳でもねぇ、
わざわざお前らのプランに乗らなくても
此方で何とか出来る」
誠「決裂か?」
ハク「……」
一呼吸おき下を向いた笠田の不気味な空気が
壁越しの彼等にも伝わり辺りの空気を
張り詰めさせた……
殺気に慣れていない相葉の心境が心配な2人を
他所に相葉は涼しげな顔をしまっすぐ奥する事なく
笠田から目を離さない、彼は営業のプロだった
部下を何人も率いていたエリート社員であった
どの環境に於いてもそれが商談となれば彼には
それを突き通すプロ根性を持っていた。
どの仕事にも突き詰めれば生き抜く術はある
中途半端な生き方をしていれば量産型と同じく
代用品は腐るほどある……が人は生き方次第で
それを生かす場にその生を見出し生かす事が
出来る筈である。
相葉「が……ここに通された理由、それには私達が
お役に立てる事柄がある……と考えますが」
(相手が商談を断るのではなく威圧感を与えた時、
それは道がある事を示す、そしてそれは
試しでもあり、今ここで弱気を見せれば
付け込まれる確率が高い)
笠田(ビビる様子は無い……か、
背後に何か後ろ盾があるのは本当かもな)
「人を纏めるにあたって必要な事柄がある
荒くれ者でないとこの世界で役にはたたねぇ、
そういう奴らを統治する為に欲求を満たす
必要がある、わかるな?
最初は命の安全、それが確保された今だからこそ」
相葉「……こそ」
「そうだ人が生きる為に必要な物がわかるか?
それは安定した食欲を満たす事ができる事、
安全な場所での睡眠、そして健康、此処には優秀な
医者もいる……後は」
相葉「性欲」
笠田「……正解だ、そしてもう一つが」
「血だ……」
「闘技場があるのに命の安全が矛盾だと思うか?
人間の歴史は全てにおいて争い血を見ずには
生きれ無いものだった、それはどんな世界に
なろうが変わりはしない、安全だからこそ平和
だからこそ『人は命を軽んじる事が出来る』
「不思議なもんだろギリギリな所では人は理由が
あって初めて殺しをする、そこには快楽のある
殺しは無い……が組織になり人が集まり生活が
安定すると必ず起こるもの、それが快楽殺人だ
助け合って生きている者は自己利益の為
どんなに怒りを覚えようが滅多なことでは相手を
殺さない、後に困るのは自分だからだ」
「お前達に要求する事は二つだ、まずは女の奴隷
そして血の渇望を満たす闘技場で戦える戦士の
供給だ……お前達も闘技場で見ただろう
雪丸は強すぎる、絶対的な王者への興味や渇望は
長くは続かない……奴が倒される事を望み闘技場に
集まる人間は既に多い筈だ」
誠「アイツに勝てるやつなんかそうそういねぇぞ」
笠田「その通りだ、決まった筋書き通りの展開に
飽きた時、興味は薄れ人は血を他に望む事になり
統治に影響が出るのは目に見えている
それに奴のカリスマ性も侮れん……奴を野放し
という訳には行かない……が奴は素手で
あの異星人の何人かを撲殺している程の男だ」
誠「……マジか」
笠田「故の枷付きだ、だがそのマイナス効果も
奴には全く効果がない……当初はそれで何者かが
奴を倒すものだと思ってはいたが」
相葉「暗殺……も出来ませんね」
笠田「……ホウ解るか」
相葉「既に民衆の心を掴んでいるなら不用意な
暗殺は暴動に発展しかねない、カリスマと
仰られた時点で内部には熱狂的な信者の様な者も
いるのでしょう?仮に暗殺が上手く行ったとしても
闘技場の選手がその様な原因不明で殺された……と
なれば闘技場自体の運営への不信感が高まり
今後闘技場で戦おうと名乗りを上げる選手が
いなくなる可能性は高い、そして事故も含め
事あるごとの不信感は全て統治する者への不安や
不信感に繋がる」
笠田「その通りだ、このコミュニティ自体の破滅を
意味するのだ、暴動で供給が遅れても異星人に
此処は破壊される事もわからん馬鹿が多い、
過去にも人は政治を丸呑みし人任せに判断を委ねる
己で物事を判断する能力の無い馬鹿共その集まりだ
だが力のみの馬鹿は欲望を満たせてやりさえすれば
扱いは子供以下の単細胞が多いからな」
「信用するかしないか商談はこの男を倒せるほどの
そして配下に置ける程の実力のある組織という事を
証明できれば……だ」
「ただ言っておく、お前達の組織の人数は、
どんな数を束ねようが此方は異星人が味方にいる、
侵略が目的なら負ける道理は無いが……
一応聞いておく」
相葉(……此処は重要だ、少なすぎても嘘くさい
多すぎても嘘くさい、奴等に警戒心を持たせつつも
安堵感を与える人数……)
相葉(此処の人数は約200人規模、奴隷50人として
250、異星人の数はわからないが1人につき武器を
のぞいて雪丸が化物だとしても人間がすでで
倒せる戦力としては20人て所か……)
多すぎても警戒心を強め少なすぎても奴隷を
安定供給出来ない不信感を与えてもいけない状況に
相葉も悩む……口は閉じ悩む姿は見せずとも
焦っていた。
笠田「……言えぬのか?」
相葉(商談だ……コレを商談に置き換えろ
数あてゲームじゃない全てを明確にする事は
正解なのか……当てれる事が)
(……否相手に考えさせるんだ……そうすれば時間を
稼げれば必ずアチラも商談のメリットが頭の中で
大きくなる筈だ、となれば答えは)
相葉は意を決し口を開いた……対等の条件とは
言いませんが……此方の状況を全て話すのは此方の
不利益が大きすぎるかと……
では先程行った雪丸を倒せる人材派遣を持って
証明と期間の猶予をいただけませんか、此方も
上方部への打診がないと私にはそれを口にする
権限はありません故……」
笠田は少し黙って下を向いたと思えば左手を挙げ
指を一回鳴らした。それと同時に警護にいた1人が
相葉向けていきなり木刀で殴りつけてきた。
がそれに素早く反応したのは誠、相葉の頭に
振り下ろされた木刀の剣撃に対し最も打撃力の弱い
根元部分を片手で受け、振り下ろす力が弱まった
所で剣先に手を滑らせると一気に木刀を握ると
それを押し込む様に警護が持ったまま顔面
に向けて叩きつける様に返したのだった。
誠「危ねぇな、木刀は掴まれたら突く様に押すか
引くが基本なんだぜ?ってアレ……聞いてねぇか」
鼻から血を吹き出し倒れる警護人、
前歯は折れ既に意識も失っていた。
笠田「……ホウ両手で殴りつけた剣撃を片手で受け
まして力の入れたままの木刀を逆に武器とし
押し返しいとも簡単に倒す……か、
それに交渉人も怯まなかったか
こう言う状況には慣れていると言う事だな……
しかし……そいつもかなりの猛者だったのだがな、
了解した、お前達の警備の強さは目を見張る
ものがある、そう言う人材が手下にいる程の規模
というのは今ので理解した」
相葉(何が起こったのか気付きませんでした……)
笠田「雪丸を倒せた時点で交渉成立だ、
お前達の要求も飲もう、こうなったら祭りだ
マッチ形式は追って連絡する、人数は3名選出だ
3対3そちらも3名用意しろ」
「だがそちらの警護人は試合のメドが立つまで
保険の為人質として牢屋に入れる、
連絡は交渉人である相葉と言ったな、お前がやれ、
用心には越したことはないからな
情報流失を防ぐためだ、逃げればコイツらは殺す
情報は交渉成立後必要な事柄だけは教える
その時そちらの情報も教えろ、
お前には此方の警護人を付ける、下手な事を
するなよ、その時はコイツらそしてお前も殺す」
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