上 下
18 / 222
攻防戦

民家攻防戦

しおりを挟む


ハクと森裕太は、電気屋に向かった。

誠「おう、オメーそれ貸せや」
純衣の持っている棒に手を出そうとする。
純衣「ちょ、触んないでくれる、しばくで」
誠「……オメーは相変わらず口が悪いな」
純衣「あーアンタだけだから安心して」
手を上下に振り含み笑いで返す仕草をする、

純衣の方を見て呆れ顔のをする誠……

誠「……はいはい、ハクがお前の持ってる棒の先にナイフ付けて槍
にしとけって言ってたんだよ」
純衣「ハクが?渡す!」

言うが早いか、先程までのごねた感が嘘のように素早く棒を誠に渡
したのだった。

誠「お前……ハクの指示だと素直だな」
純衣「……いやん」
顔を赤らめ照れる純衣、
 誠は棒をナイフで削る、器用に窪みを付け紐を縛りナイフが槍か
ら外れない様に細工した。

純衣「器用ね相変わらず、そういやアンタの実家、工務店だったね」
誠「そうだな昔から親父の仕事見てたからな今じゃ親父の手伝いに
バイト励んでたんだぜ此処をこうして……よっとっ、これでチョッ
トやそっと刺した位でナイフが棒から抜ける事は無ぇぞ」

棒を純衣に返しながら懐かしそうに話す。
「お前、覚えてるか?俺達サークルでゾンビテーマにサバイバル論
争したよな、あの時はテレビのゾンビで論争したが、現実はちと違
う様だが、基本は同じだ、頭じゃなく心臓狙ってくんだぞ」

純衣「あーわかってるって」
頭は意外と頭骨が硬く、的が小さい事も承知している様子だ。

思い出したかの様に……
「あ、飛び道具も持って来たわよ、弓道で使ってた弓も、それに私
が古武道やってたし特に槍術得意なの知ってるもんね、だから此処
に残したんでしょ、間合いが一番有るのは槍、遠距離対応はゾンビ
の基本、だったわよね、近づくと危険だし、一番大事なのはゾンビ
の体自体に触れない事、あらゆる病原体やバイ菌から身を守る為だ
ったよね、私が後方支援でアンタが特攻ね」

妙に納得した顔をする純衣、
「……ヤンキーなアンタにはピッタリね」

天真爛漫な純衣らしい振る舞いで誠に言葉を返す。
誠「一言いつも多いんだよ、お前ぇは昔の話だろ、今は真っ当なん
だよ……」

目を細めじっと誠を見る純衣
純衣「真っ当ねぇ……まぁ昔よりはマシなのは認めるケドね」
誠「あぁハクが俺を変えてくれたからな」
純衣「流石、ハクねぇ~ゴキブリを哺乳類まで進化させるなんてぇ~」
体をクネクネさせ照れる純衣

誠「なっゴキ!オメェそれ傷つくわ流石に」
純衣「シッ、何か奴ら……何か揉めてる」

敵、浅井の周りが騒がしくなる。
浅井「おい、剛田はどうした、それに見張りの奴らは、まだ集まら
ないのか!」
手下「いやその……連絡はしているのですが返事が有りません……」
怒りに顔を赤らめる浅井がトランシーバーを手下からもぎ取った。

浅井「剛田!何してやがる!出ろボケクソが」
トランシーバー「……」
浅井「あの糞が、先行きやがったな……」
手下「あの、今アジトから連絡があって、あの民家にいた奴ら東に
逃げたようです、それを剛田が追跡中との連絡が入りました」

浅井「……チッ、これ以上人員は減らせねぇついて来い、東に向か
うぞ」(……しかし妙だな、見張りがも連れてゾンビが多かったか
らか?……しかし奴等銃を持っている限り5名では不安だからな)

 剛田が追ったと思われる東へ向かう浅井達、それを見ていた誠達
が居た。

純衣「何かトラブルの様ね……東に向かったけど背後今なら取れる
けど、5人対2人か……キツイけどやる?」
誠「いや待て、アイツらの中にマシンガン持ってる奴が居るはずだ、
恐らくリーダーの浅井が持ってる筈だ」
純衣「マシンガンか……勝てないね」
誠「あっさり言うなよ……浅井カバン持ってるだろ、恐らくあの中、
あれさえ奪えれば何とかなるがな、しかし情報では銃は2丁しかな
い筈なんだが、一丁はさっきハクを助けに言った時持っていた奴が
いたから……」

純衣「じゃ此処に居ないグループの奴らかチャンス!な様な……
マシンガンか……」
誠「いざとなったら行くぜ、心の準備しとけよ」

誠の方に手を合わせ拝むハク、
誠「おわっ!居たのかよハク!」
「てか、俺が逝く設定なのな……」
「んな事より、どうする、この人数なら5対4だいけない事もない気
もするが」

ハク「いや、東に行ってくれたのなら明さんが誘導してくれたんだ
と思う、美優達が見張りをかい潜り、行けるとは思えないし晴がい
るなら尚更そうだ、これで此処は残り5名、まずはこの人数をなん
とかしよう、でも浅井が気付くまで、時間の余裕は無い、感のいい
奴だったから」

森が沢山の荷物を下ろすと、

誠「コレまた沢山持って来たな……」
何やら段ボール3箱分一杯の荷物を届けたハク達、

ハク「上手く行く保証は無いけどコレ皆出しやすいようにバックに
携帯して、肩から掛けれるカバンも用意してきた、カバンの引っ掛
ける所にあまりバッグが移動の妨げにならない様固定させて装着し
て」

誠「これは何となくわかるがコレはなに使うんだ?」

ーー袋に詰めたのはーー

カイロ
壁紙
手袋

悪い顔をするハク
「後のお楽しみって事で……」



【今日のポイント】

持ち運ぶ荷物が多い時はリュックタイプが
一番だ、キャリーバックは音がしてこういう
時は最悪だ。

直ぐに荷物を取り出さなければいけない状況
な時はメッセンジャーバックなどがオススメ

肩からかける時もクロスがけの様に斜めに
掛けて紐かなんかで取っ手の金具にジーパン
のベルト通し等で固定さすと良い。

そこは創意工夫で何とでもなる。

防災の際は、手袋も手を切らない様、ホーム
センター等で売っている刃物でも切れにくい
手袋があると便利だ、ガラス撤去等、災害後
の場合はかなり役に立つ。

不衛生な場所へと変貌した場所では怪我を
しない事、コレが大事である。

手袋と言えど燃えにくい熱さを伝えにくい
素材もある。

何かあった時、地域の土地柄を判断し、
総合的準備が必要だ。

例えば川、海が近い時は土地の高低差を把握
自分の住んでいる場所のハザードマップ
国土地理院がWEBで公開している。

水害対策意外にも必要性の高い長靴を用意
長靴もぬかるんだ足場では抜けて意味がない
足のサイズに合ったもの、また履いた上部を
紐でくくれて、水が侵入しにくい物が
好ましい。

町などは先程の手袋等、文化建造物に対する
知識、ビルが多いならば上部への配慮、
古い家屋、など避難経路までのチェックも
大事だ。

町は支援も比較的早いが危険度は変わらない
標準防災装備はどの状況でも同じだが、
プラス何かを持っていくの参考に。

山側なら、とかく問題になりやすいのは道の
封鎖による閉じ込められた場所での生活

土砂崩れなども注意だ、事前に把握して
おく事が大事、逃げるルート上に土砂崩れ
が起きそうな場所がある場合、命の危険も
まずは避難経路にお自分のいる場所からの
道を把握

都会と分断された場所はともかく、食料や水
の確保が重要、あとは季節に左右されやすい
田舎では、寒さ、熱さ対策も不可欠だ。

物資は人の集まる場所に来やすいから
避難場所の基本は公共施設。
希望が大きい災害では市役所等の公共施設に
分類される場所の提供もある。

寒さにも注意が必要だ熱さ対策は近年よく
知られる事にもなったが人間は基本寒さに
強くは出来てない、寒さは病気を招く以外
命の危険度も高い。人が集まる事で室内自体
の気温も上がることから、なるべく人が
集まる場所に移動、寒さには動脈関係の場所
を温める事はかなり有効だ。

脇や首、股間の付け根の太腿等、動脈から
血液を温める事で体は早く温まる。

カイロ一つでも使い方次第だ。

普段と違う状況に合わせた思考を働かせる。

水害に対しては思った以上に、、水変化する
あとは汚い、切り傷など消毒も大事だ、
近年小さいやつも売っている携帯
しておくとよい。

後は痛み止めこれも何かと緊急時には
手に入りにくい、小説の中には書いたが

一先ずここまで。



しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ゾンビのプロ セイヴィングロード

石井アドリー
SF
『丘口知夏』は地獄の三日間を独りで逃げ延びていた。 その道中で百貨店の屋上に住む集団に救われたものの、安息の日々は長く続かなかった。 梯子を昇れる個体が現れたことで、ついに屋上の中へ地獄が流れ込んでいく。 信頼していた人までもがゾンビとなった。大切な屋上が崩壊していく。彼女は何もかも諦めかけていた。 「俺はゾンビのプロだ」 自らをそう名乗った謎の筋肉男『谷口貴樹』はアクション映画の如く盛大にゾンビを殲滅した。 知夏はその姿に惹かれ奮い立った。この手で人を救うたいという願いを胸に、百貨店の屋上から小さな一歩を踏み出す。 その一歩が百貨店を盛大に救い出すことになるとは、彼女はまだ考えてもいなかった。 数を増やし成長までするゾンビの群れに挑み、大都会に取り残された人々を救っていく。 ゾンビのプロとその見習いの二人を軸にしたゾンビパンデミック長編。

クラウンクレイド零和

茶竹抹茶竹
SF
「私達はそれを魔法と呼んだ」 学校を襲うゾンビの群れ! 突然のゾンビパンデミックに逃げ惑う女子高生の祷は、生き残りをかけてゾンビと戦う事を決意する。そんな彼女の手にはあるのは、異能の力だった。 先の読めない展開と張り巡らされた伏線、全ての謎をあなたは解けるか。異能力xゾンビ小説が此処に開幕!。 ※死、流血等のグロテスクな描写・過激ではない性的描写・肉体の腐敗等の嫌悪感を抱かせる描写・等を含みます。

データワールド(DataWorld)

大斗ダイソン
SF
あらすじ 現代日本、高校生の神夜蒼麻は、親友の玄芳暁斗と共に日常を送っていた。しかし、ある日、不可解な現象に遭遇し、二人は突如として仮想世界(データワールド)に転送されてしまう。 その仮想世界は、かつて禁止された「人体粒子化」実験の結果として生まれた場所だった。そこでは、現実世界から転送された人々がNPC化し、記憶を失った状態で存在していた。 一方、霧咲祇那という少女は、長らくNPCとして機能していたが、謎の白髪の男によって記憶を取り戻す。彼女は自分が仮想世界にいることを再認識し、過去の出来事を思い出す。白髪の男は彼女に協力を求めるが、その真意は不明瞭なままだ。 物語は、現実世界での「人体粒子化」実験の真相、仮想世界の本質、そして登場人物たちの過去と未来が絡み合う。神夜と暁斗は新たな環境に適応しながら、この世界の謎を解き明かそうとする。一方、霧咲祇那は復讐の念に駆られながらも、白髪の男の提案に悩む。 仮想世界では200年もの時が流れ、独特の文化や秩序が形成されていた。発光する星空や、現実とは異なる物理法則など、幻想的な要素が日常に溶け込んでいる。 登場人物たちは、自分たちの存在意義や、現実世界との関係性を模索しながら、仮想世界を揺るがす大きな陰謀に巻き込まれていく。果たして彼らは真実にたどり着き、自由を手に入れることができるのか。そして、現実世界と仮想世界の境界線は、どのように変化していくのか。 この物語は、SFとファンタジーの要素を融合させながら、人間の記憶、感情、そしてアイデンティティの本質に迫る壮大な冒険譚である。

国家存亡の危機

環境
SF
20xx年、新型伝染病によって暴徒化した国民に対して、戦後一度も戦いを経験したことが無い日本政府が国家というものを守るべく奮闘する物語である。

乾坤一擲

響 恭也
SF
織田信長には片腕と頼む弟がいた。喜六郎秀隆である。事故死したはずの弟が目覚めたとき、この世にありえぬ知識も同時によみがえっていたのである。 これは兄弟二人が手を取り合って戦国の世を綱渡りのように歩いてゆく物語である。 思い付きのため不定期連載です。

法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『修羅の国』での死闘

橋本 直
SF
その文明は出会うべきではなかった その人との出会いは歓迎すべきものではなかった これは悲しい『出会い』の物語 『特殊な部隊』と出会うことで青年にはある『宿命』がせおわされることになる 法術装甲隊ダグフェロン 第三部  遼州人の青年『神前誠(しんぜんまこと)』は法術の新たな可能性を追求する司法局の要請により『05式広域制圧砲』と言う新兵器の実験に駆り出される。その兵器は法術の特性を生かして敵を殺傷せずにその意識を奪うと言う兵器で、対ゲリラ戦等の『特殊な部隊』と呼ばれる司法局実働部隊に適した兵器だった。 一方、遼州系第二惑星の大国『甲武』では、国家の意思決定最高機関『殿上会』が開かれようとしていた。それに出席するために殿上貴族である『特殊な部隊』の部隊長、嵯峨惟基は甲武へと向かった。 その間隙を縫ったかのように『修羅の国』と呼ばれる紛争の巣窟、ベルルカン大陸のバルキスタン共和国で行われる予定だった選挙合意を反政府勢力が破棄し機動兵器を使った大規模攻勢に打って出て停戦合意が破綻したとの報が『特殊な部隊』に届く。 この停戦合意の破棄を理由に甲武とアメリカは合同で介入を企てようとしていた。その阻止のため、神前誠以下『特殊な部隊』の面々は輸送機でバルキスタン共和国へ向かった。切り札は『05式広域鎮圧砲』とそれを操る誠。『特殊な部隊』の制式シュツルム・パンツァー05式の機動性の無さが作戦を難しいものに変える。 そんな時間との戦いの中、『特殊な部隊』を見守る影があった。 『廃帝ハド』、『ビッグブラザー』、そしてネオナチ。 誠は反政府勢力の攻勢を『05式広域鎮圧砲』を使用して止めることが出来るのか?それとも……。 SFお仕事ギャグロマン小説。

忘却の艦隊

KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。 大型輸送艦は工作艦を兼ねた。 総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。 残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。 輸送任務の最先任士官は大佐。 新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。 本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。    他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。 公安に近い監査だった。 しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。 そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。 機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。 完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。 意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。 恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。 なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。 しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。 艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。 そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。 果たして彼らは帰還できるのか? 帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?

処理中です...