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「俺のことだけ考えて」(太志視点)
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莞爾とセフレになった。
莞爾と初めてセックスしてから三ヶ月。俺らはだいたい月に二、三回遊ぶなり飲みに行くなりするんだが、それがまるっとセックスする日に置き換わった。
今彼女がいない莞爾は、たぶん今誰よりも俺を優先してくれてる。身体の相性もすげえいい。前より莞爾が優しくなった気がする。
全部が嬉しいのに、欲張りな俺はそれだけじゃ足りない。本当は莞爾をもっと独占したい。彼女なんてもう二度と作らせたくないし、ぶっちゃければ、オナニーのオカズにすら嫉妬するから、今後は俺でシコって欲しい。その為なら、ハメ撮りでも何でも、多少の特殊プレイに付き合ってもいい。
でも、所詮俺はセフレで、しかも男。ノンケ莞爾相手には無謀過ぎる願望だ。セフレがこんなに独占欲強い重いヤツだってバレたら関係を切られ兼ねない。それはどうにか避けたい。
だから俺は今日も、軽い男のフリをする。
「井上くんさ、今彼女いないんだ?」
大きな窓に面した二人席で、丸テーブルを挟んだ向かいに座ったまゆらちゃんがキラッキラの笑顔を向けてくる。
「まあ、そう」
「だから今日ご飯に呼んでくれたんだね」
「彼女いても飯くらいは別の女の子と行ってもいいだろ。いつも一緒にいられるわけでもないし」
なんて、それっぽいこと言ってみる。本当に好き勝手が許されるなら、俺は常に莞爾と一緒にいたいってのが本音。
「そんなんしてたらいつか刺されるよー」
「なんで刺されるの?」
「井上くんすんごいイケメンだから、彼女じゃなくても束縛したくてストーカーになっちゃう子きっといるよー」
実際いたよ。大学二年の時の後輩と入社一年目の時の常連客。本気出したら女でも怖えんだってことはよくわかった。だから仲良くする相手はちゃんと選んでんだよ。
「でもまゆらちゃんは俺にそういう意味では興味無いでしょ」
「んふふ。興味無いとはちょっと違うかな。井上くんの顔は好きだけど、コミュ力あるイケメンはすぐ浮気するからガチ恋しない事にしてます」
「それちょー天才」
女友達は大事にした方がいい。女の敵は女だから。やべえ女から守ってくれるのはたいてい女友達だ。
真夏日のせいで誰も利用してはいないが、オープンテラスもあるそこそこオシャレな店の、窓際の四人席で俺らは昼飯を食っている。
一番人気だというハンバーグドリアをちまちまとつつく。米よりチーズの方が多いんじゃねえかって配分に辟易してしまう。俺は炭水化物が食いてえんだよ。次は違う店にしよ。
「まゆらちゃんこそ彼氏はどうした?あの人類より知性のあるゴリラみたいな彼氏」
「それもう猿の惑星じゃん。相変わらず口悪いね」
「ゴリラかっこいいだろ。マッチョだし彫り深いし優しいし握力500kgだし」
口が悪いなんて指摘しつつも、特に気分を害した様子もなくまゆらちゃんはラザニアを切り分けながら笑う。
「ゴリラくんとは、今ちょっとケンカ中」
「へえ、理由聞いていい?」
「んふふ~、つまんない愚痴だけどいいです?」
「どんとこいです」
チーズに完敗した俺は、ハンバーグだけ食ってドリア部分を放棄した。夏仕様らしい、シトラスミント風味の水をがぶ飲みする。
「私、昴くんと付き合う時点で宣言してたんだけど、元カノの痕跡許せない派なのね」
ぐうわかる。てか、ゴリラの本名かっこいい。
「それなのによりによって、あのゴリラ、元カノとのペアリング取ってあったの。本人は捨てるの忘れてたとか言ってたんだけど、わざわざケースにまで入れて大事にしまってたのにそんなことある?」
「んー、まあゴリラの記憶力が思ったより低い可能性もあるから本当に忘れてた云々の判断はつかないけど、どっちにしろまゆらちゃんは怒っていいな」
だって、彼女だもん。独身男に対しては彼女に勝る地位なんてないじゃん。
俺が絶対に立てない地位が羨ましくてみぞおちがぎゅーってする。莞爾も元カノのこと思い出して、恋しく思うことがあるんだろうか。考えただけでみぞおち痛過ぎて泣けそう。毎秒俺だけのこと考えてて欲しい。
「そういってもらえるとちょっと救われる。ありがとね」
「まゆらちゃんと彼氏はペアリング持ってんの?」
「え?あるよ?今はムカついて家にほっぽってあるけど」
「じゃあ二個目買ってもらえば?そしたら元カノより多いよ」
「ふふ。なにそれ。ペアリングの数で勝負しちゃうのか。頭悪くて可愛いね」
「別に金額で勝負してもいいけどさ。今なら彼氏罪悪感で高いの買ってくれそうじゃね?」
「ふふふ、そだね」
「でもさあ、どうせなら彼氏にデザインもブランドも何もかも丸投げで買ってこさせても良くね?悩みまくればいいよ」
「うわ。井上くんさすが性格悪い。好き」
「だろ」
俺が店員を呼んで水のおかわりをもらったついでに、まゆらちゃんはチーズケーキとミルクティーを追加注文した。チーズの海みてえなラザニアの後で、更に乳製品足してくってってすげえや。これもまた女子力の一端なのかもしれない。
「井上くんはこの後どこ行くの?そろそろ待ち合わせの人来るんでしょ?」
「たぶん軽く買い物してから俺んちかな。暑くて外あんま出歩きたくねえし」
「仲良しさんなんだね。私、井上くんち行ったことないよ。ちょっと妬けちゃうなー」
「ぜってえ嘘。てか家になんて呼んだら俺、握力500kgに握り潰されるんだろ?笑えねえ」
「んふふ、そうかも。ゴリラくん私にめろめろだからね」
「じゃあケンカすることないじゃん」
「それとこれとは話が別。でもそろそろ許してあげたくなってきた」
「俺いい仕事した?」
「うん」
水で腹いっぱいにしちゃったから、おやつにチャーハンでも作ってもらおうかなあなんて考えながら窓の外を見る。人間を殺す勢いで容赦なく降り注ぐアツアツ太陽光も、涼しい店内から見る分にはキレイなもんだ。いいことしたし、ご褒美に日も高いうちから家で酒飲むってのも有りだな。
「太志くん」
不意に背後から、誰にも許可してない大嫌いな名前が呼ばれて、肩がびくりと跳ねる。
ああ、もう。まじ最悪だ。
俺の名を呼んだ本人は、そりゃもうギラギラの笑顔で俺らのテーブルにやって来て、誰の許可も取らずに俺の隣の席に座った。
げんなり顔の俺と、きょとん顔のまゆらちゃんが目を合わせる。
まゆらちゃんが俺の隣を手で示しつつ首を傾げる。それに対して俺は顔の前で手をひらつかせながら首も横に振る。
違う。俺が待ってるのはこいつじゃない。
「太志くんこんなところで会えるなんて偶然だね~。今日暇なんだったら、私とも遊んでくれてもいいじゃない?」
隣から明らかに暑苦しい熱量を感じて吐き気すらする。
「平塚さん、急に何なんですか?今俺この子と遊んでるんで全然暇じゃないです。勝手に入ってこないでください。迷惑です」
「え~。そんなこと言わないで。言葉の暴力だよ。この子より私の方が絶対太志くん楽しませるからさ、この後どう?」
まじでゲロい。
本気で面倒な相手に会ってしまった。俺の今日の出先について、誰かもらしたヤツがいるかもしれない。分かり次第絞める。
平塚さんは最近うちの店で採用したパートだ。アパレル経験者だし、見た目も愛想も良くいかにも販売員らしい人で、最初こそいい従業員だった。それが、俺とシフトがかぶることが増えたあたりからおかしくなってきた。二度あることは三度あるヤツ。
仕事中ちょいちょいいらねえボディータッチしてくるし、仕事上がりに待ち伏せされるし、よくわからない手作り菓子を渡される。やばゲロい。てか、何が一番気持ち悪いって、平塚さんは新婚なのだ。倫理観どこに捨ててきたんだよ。
当然、現状は店長も把握していて、平塚さんと話し合いをしたり、平塚さんの勤務時間も強制的に減らして今出来ることはしてくれている。クビに出来ないのが本当にもどかしいと嘆いてくれる店長には感謝しかない。
「井上くんは私とデートしてるんです。井上くんも十分楽しんでるんで勝手に決めないでください」
事情を察してくれたまゆらちゃんが彼女役を買って出てくれるらしい。こんないい子大事にしないとバチが当たるぞ、ゴリ昴。
「平塚さん、そういう事なんで俺に構わないでもらえますか?デートの邪魔です」
「やだやだ。私ともデートしようよ。私今日えっちな下着なんだ。太志くんにだけ見せてもいいよ」
吐き気やっば。
平塚さんから顔を背けることに必死だった俺は、まゆらちゃんが俺の背後を見て、「あっ」と声を発した理由に気付くのにだいぶ遅れてしまった。
「ふうちゃんはこれから俺とデートだよ。俺のパンツ今日ミッキー柄なんだぜ。ふうちゃんにだけ見せてやるよ」
え!見たい!
背後から俺の首に回された愛おしい筋肉質な腕が嬉しくて、つい満面の笑みで振り返ってしまった。
莞爾と初めてセックスしてから三ヶ月。俺らはだいたい月に二、三回遊ぶなり飲みに行くなりするんだが、それがまるっとセックスする日に置き換わった。
今彼女がいない莞爾は、たぶん今誰よりも俺を優先してくれてる。身体の相性もすげえいい。前より莞爾が優しくなった気がする。
全部が嬉しいのに、欲張りな俺はそれだけじゃ足りない。本当は莞爾をもっと独占したい。彼女なんてもう二度と作らせたくないし、ぶっちゃければ、オナニーのオカズにすら嫉妬するから、今後は俺でシコって欲しい。その為なら、ハメ撮りでも何でも、多少の特殊プレイに付き合ってもいい。
でも、所詮俺はセフレで、しかも男。ノンケ莞爾相手には無謀過ぎる願望だ。セフレがこんなに独占欲強い重いヤツだってバレたら関係を切られ兼ねない。それはどうにか避けたい。
だから俺は今日も、軽い男のフリをする。
「井上くんさ、今彼女いないんだ?」
大きな窓に面した二人席で、丸テーブルを挟んだ向かいに座ったまゆらちゃんがキラッキラの笑顔を向けてくる。
「まあ、そう」
「だから今日ご飯に呼んでくれたんだね」
「彼女いても飯くらいは別の女の子と行ってもいいだろ。いつも一緒にいられるわけでもないし」
なんて、それっぽいこと言ってみる。本当に好き勝手が許されるなら、俺は常に莞爾と一緒にいたいってのが本音。
「そんなんしてたらいつか刺されるよー」
「なんで刺されるの?」
「井上くんすんごいイケメンだから、彼女じゃなくても束縛したくてストーカーになっちゃう子きっといるよー」
実際いたよ。大学二年の時の後輩と入社一年目の時の常連客。本気出したら女でも怖えんだってことはよくわかった。だから仲良くする相手はちゃんと選んでんだよ。
「でもまゆらちゃんは俺にそういう意味では興味無いでしょ」
「んふふ。興味無いとはちょっと違うかな。井上くんの顔は好きだけど、コミュ力あるイケメンはすぐ浮気するからガチ恋しない事にしてます」
「それちょー天才」
女友達は大事にした方がいい。女の敵は女だから。やべえ女から守ってくれるのはたいてい女友達だ。
真夏日のせいで誰も利用してはいないが、オープンテラスもあるそこそこオシャレな店の、窓際の四人席で俺らは昼飯を食っている。
一番人気だというハンバーグドリアをちまちまとつつく。米よりチーズの方が多いんじゃねえかって配分に辟易してしまう。俺は炭水化物が食いてえんだよ。次は違う店にしよ。
「まゆらちゃんこそ彼氏はどうした?あの人類より知性のあるゴリラみたいな彼氏」
「それもう猿の惑星じゃん。相変わらず口悪いね」
「ゴリラかっこいいだろ。マッチョだし彫り深いし優しいし握力500kgだし」
口が悪いなんて指摘しつつも、特に気分を害した様子もなくまゆらちゃんはラザニアを切り分けながら笑う。
「ゴリラくんとは、今ちょっとケンカ中」
「へえ、理由聞いていい?」
「んふふ~、つまんない愚痴だけどいいです?」
「どんとこいです」
チーズに完敗した俺は、ハンバーグだけ食ってドリア部分を放棄した。夏仕様らしい、シトラスミント風味の水をがぶ飲みする。
「私、昴くんと付き合う時点で宣言してたんだけど、元カノの痕跡許せない派なのね」
ぐうわかる。てか、ゴリラの本名かっこいい。
「それなのによりによって、あのゴリラ、元カノとのペアリング取ってあったの。本人は捨てるの忘れてたとか言ってたんだけど、わざわざケースにまで入れて大事にしまってたのにそんなことある?」
「んー、まあゴリラの記憶力が思ったより低い可能性もあるから本当に忘れてた云々の判断はつかないけど、どっちにしろまゆらちゃんは怒っていいな」
だって、彼女だもん。独身男に対しては彼女に勝る地位なんてないじゃん。
俺が絶対に立てない地位が羨ましくてみぞおちがぎゅーってする。莞爾も元カノのこと思い出して、恋しく思うことがあるんだろうか。考えただけでみぞおち痛過ぎて泣けそう。毎秒俺だけのこと考えてて欲しい。
「そういってもらえるとちょっと救われる。ありがとね」
「まゆらちゃんと彼氏はペアリング持ってんの?」
「え?あるよ?今はムカついて家にほっぽってあるけど」
「じゃあ二個目買ってもらえば?そしたら元カノより多いよ」
「ふふ。なにそれ。ペアリングの数で勝負しちゃうのか。頭悪くて可愛いね」
「別に金額で勝負してもいいけどさ。今なら彼氏罪悪感で高いの買ってくれそうじゃね?」
「ふふふ、そだね」
「でもさあ、どうせなら彼氏にデザインもブランドも何もかも丸投げで買ってこさせても良くね?悩みまくればいいよ」
「うわ。井上くんさすが性格悪い。好き」
「だろ」
俺が店員を呼んで水のおかわりをもらったついでに、まゆらちゃんはチーズケーキとミルクティーを追加注文した。チーズの海みてえなラザニアの後で、更に乳製品足してくってってすげえや。これもまた女子力の一端なのかもしれない。
「井上くんはこの後どこ行くの?そろそろ待ち合わせの人来るんでしょ?」
「たぶん軽く買い物してから俺んちかな。暑くて外あんま出歩きたくねえし」
「仲良しさんなんだね。私、井上くんち行ったことないよ。ちょっと妬けちゃうなー」
「ぜってえ嘘。てか家になんて呼んだら俺、握力500kgに握り潰されるんだろ?笑えねえ」
「んふふ、そうかも。ゴリラくん私にめろめろだからね」
「じゃあケンカすることないじゃん」
「それとこれとは話が別。でもそろそろ許してあげたくなってきた」
「俺いい仕事した?」
「うん」
水で腹いっぱいにしちゃったから、おやつにチャーハンでも作ってもらおうかなあなんて考えながら窓の外を見る。人間を殺す勢いで容赦なく降り注ぐアツアツ太陽光も、涼しい店内から見る分にはキレイなもんだ。いいことしたし、ご褒美に日も高いうちから家で酒飲むってのも有りだな。
「太志くん」
不意に背後から、誰にも許可してない大嫌いな名前が呼ばれて、肩がびくりと跳ねる。
ああ、もう。まじ最悪だ。
俺の名を呼んだ本人は、そりゃもうギラギラの笑顔で俺らのテーブルにやって来て、誰の許可も取らずに俺の隣の席に座った。
げんなり顔の俺と、きょとん顔のまゆらちゃんが目を合わせる。
まゆらちゃんが俺の隣を手で示しつつ首を傾げる。それに対して俺は顔の前で手をひらつかせながら首も横に振る。
違う。俺が待ってるのはこいつじゃない。
「太志くんこんなところで会えるなんて偶然だね~。今日暇なんだったら、私とも遊んでくれてもいいじゃない?」
隣から明らかに暑苦しい熱量を感じて吐き気すらする。
「平塚さん、急に何なんですか?今俺この子と遊んでるんで全然暇じゃないです。勝手に入ってこないでください。迷惑です」
「え~。そんなこと言わないで。言葉の暴力だよ。この子より私の方が絶対太志くん楽しませるからさ、この後どう?」
まじでゲロい。
本気で面倒な相手に会ってしまった。俺の今日の出先について、誰かもらしたヤツがいるかもしれない。分かり次第絞める。
平塚さんは最近うちの店で採用したパートだ。アパレル経験者だし、見た目も愛想も良くいかにも販売員らしい人で、最初こそいい従業員だった。それが、俺とシフトがかぶることが増えたあたりからおかしくなってきた。二度あることは三度あるヤツ。
仕事中ちょいちょいいらねえボディータッチしてくるし、仕事上がりに待ち伏せされるし、よくわからない手作り菓子を渡される。やばゲロい。てか、何が一番気持ち悪いって、平塚さんは新婚なのだ。倫理観どこに捨ててきたんだよ。
当然、現状は店長も把握していて、平塚さんと話し合いをしたり、平塚さんの勤務時間も強制的に減らして今出来ることはしてくれている。クビに出来ないのが本当にもどかしいと嘆いてくれる店長には感謝しかない。
「井上くんは私とデートしてるんです。井上くんも十分楽しんでるんで勝手に決めないでください」
事情を察してくれたまゆらちゃんが彼女役を買って出てくれるらしい。こんないい子大事にしないとバチが当たるぞ、ゴリ昴。
「平塚さん、そういう事なんで俺に構わないでもらえますか?デートの邪魔です」
「やだやだ。私ともデートしようよ。私今日えっちな下着なんだ。太志くんにだけ見せてもいいよ」
吐き気やっば。
平塚さんから顔を背けることに必死だった俺は、まゆらちゃんが俺の背後を見て、「あっ」と声を発した理由に気付くのにだいぶ遅れてしまった。
「ふうちゃんはこれから俺とデートだよ。俺のパンツ今日ミッキー柄なんだぜ。ふうちゃんにだけ見せてやるよ」
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背後から俺の首に回された愛おしい筋肉質な腕が嬉しくて、つい満面の笑みで振り返ってしまった。
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