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「付き合って」(莞爾視点)

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 井上太志(いのうえふとし)、それが俺の好きなヤツの名前。
 本人は、太志って名前が好きじゃないらしい。小学生の時には太ってないのにデブってあだ名を付けられたり、漢字で書くとタイシって読み間違えられたり、ろくな事が無い、と言っていた。
 初対面の時も、すげえよく笑って人懐っこいくせに「俺、自分の下の名前嫌いだから井上って呼んで」とデカい声で言い切って、決して誰にも太志と呼ばせなかった。
 なぜかその時、他のヤツより踏み込んだ距離まで近付きたいって思ってしまった俺は「じゃあ、俺はふうちゃんって呼ぶわ」と反論を許さずねじ込んだのだ。

 思えば、あの初対面の時にすでにふうちゃんの事をそういう意味で意識していたんだろう。たぶん一目惚れだった。



 今まで同性をそういう目で見たことはなくて、最初のうちは全く自分の気持ちに気付かなかった。ただ、一緒にいるだけで楽しくなるし嬉しい。時間があれば真っ先にふうちゃんに会いたいと思う。そんなの恋じゃなくて何なんだって話だ。女相手にもここまで夢中になったことがない。

 ふうちゃんは身長も俺とさほど変わらないし、細身な方だが女っぽいわけじゃない。性格だってノリはいいけど結構ノンデリな時あるし、それを後から気にしてヘコんだり、ちょっと面倒くさい部類だ。
 でもそれも全部「可愛い」って思ってしまう。外だと明るく気が強そうなのに、俺の前ではヘタれるのがすげえ可愛い。キレイなアーモンド型の目は、よく見ると瞳が薄茶色で吸い込まれそうだし、細い手首だとかくびれた腰だとか、なんか妙にクる。



 そんな事を考えて悶々としつつも、出会ってから一年くらいは仲のいい友人としてやってこれた。
 でも急に限界が来た。

 何でもないいつもの休日に、ふうちゃんの家でいつも通り酒を飲みながらだらけてた。全てがいつも通りのはずだった。

 そこまで酔ってるつもりはなかったが、ふうちゃんを見てたらムラっときてついキスしてしまった。不意打ちだったのにふうちゃんは全然嫌がらないし、想像してたのの十倍くらいふうちゃんの反応がエロ可愛くてもうダメだった。
 ちんこが勃ち過ぎて収まらなくなった。
 かろうじて「付き合って」と気持ちは伝えたが、もう理性がぐらぐらで返事は後回しにしてそのまま襲ってしまった。襲ったって言っても、ちんこしごいただけだけど。

 一度抜いても、ふうちゃんのイキ顔が脳内に焼き付いてるせいでちんこがすぐ元気になった。恥を忍んでふうちゃんに再戦をお願いしたら、

「準備する時間待てるんなら、俺のケツに挿れてもいいよ」

とエロい顔で楽しそうに言われた。

 俺に都合が良過ぎてほんの一瞬夢オチを疑った。童貞捨てた時より俄然興奮してて我ながら引く。

「挿れていいのか?」

「莞爾はアナルセックス興味無い?」

「ある」

 ふうちゃん限定で。正直言えば、ふうちゃんのケツ掘る妄想で抜いたことは一度や二度じゃない。

「じゃあ待ってろ。結構時間かかるからな。でも一人で抜くなよ。待ってる間にちんこ萎えると思うけどまた後で勃たせろ」

 好き勝手言いながら、ごちゃごちゃ何かが入った巾着袋を持ってふうちゃんは風呂場に行ってしまった。

 普通何もしなければ数分で完全に萎えるちんこが、今ふうちゃんが風呂場でケツの準備してるんだと思うだけで全然萎えない。俺の脳味噌もちんこもバグってるかもしれない。
 さっきのふうちゃんのイキ顔オカズにして抜きたいが、万が一抜いて賢者タイム中にふうちゃんが戻ってきたらもったいない。
 悩んだ末にゲームで気を散らしてちんこを強制的に鎮めた。





「ちゃんと抜かないで待ってた?」

「おう」

 褒めてくれてもいいと思う。一人で抜いてないし、風呂上がりのパンイチふうちゃんがエロくてもう勃ち始めてるし、ふうちゃんのワガママな指示通りだ。

 ふうちゃんはローションのボトルとバスタオルをベッドに雑に放り投げ座ると、「莞爾こっちおいで」と犬を呼ぶように、ベッドではなくソファの上をぽんぽん叩いて指し示す。
 今従順な犬と化してる俺は、文句の一つも無くそれに従う。

「遅くなって悪いな。ケツ毛も処理したし完璧よ」

「見たい」

「後で嫌でも見ることになるって」

 隣りに座って、俺のジーンズのベルトと前立てを解きながら「お前最近風俗とか行った?性病とかないよな?」と、ふうちゃんが失礼な確認をしてくる。独身寮の先輩たちからやたら誘われるけど、知らねえヤツとヤるの嫌だから行かない。特にふうちゃんへの気持ちを自覚してからは自己処理のみだ。

「お前もう完勃ちじゃん。じゃあ軽くだけだな」

 俺の前にふうちゃんが膝をついて座りこむ。もしや、という期待は案の定すぐさま叶えられた。
 ふうちゃんは何の躊躇いもなく俺のちんこをがっつり咥えた。

 最高の景色だ。絶対に口説き落とせないと思ってた、たまらなく好きな相手が俺のちんこをしゃぶってくれてるなんて感無量だ。しかも、軽く、だなんて言っておきながら、ねっとりとディープスロートしてくれる。嘔吐感に耐えているらしく、苦しそうな顔とか、小さく漏れる可愛い呻き声が最高にエロい。この状態で射精我慢は幸せな拷問だ。

「あー、ふうちゃんの喉に出しちゃダメ?」

 閉じていたふうちゃんの目が開いて、その薄茶色に睨まれる。やっぱりダメらしい。
 ゆっくり喉からちんこが抜かれていく。めちゃくちゃ名残惜しい。ちんこから口を離すと小さく「あっ」と色っぽい声を不意打ちに出されて、ちんこがより硬くなる。

 口元についた唾液を無造作に手の甲で拭いながら、のそのそと立ち上がったふうちゃんはベッドから薄い肌掛けを落として、代わりにさっき持ってきた厚手のバスタオルを敷いた。

「莞爾、服脱いでこっち来い」

 何でも仰せのままに。気が急くのをなけなしの理性で押さえ込んで全裸になり、脱いだ服は適当に足で端に寄せる。ふうちゃんはキレイ好きだから脱ぎ散らかすと後で怒られるだろう。

 ベッドの上では、全裸であぐらをかいたふうちゃんがローションボトルを持ち、待ちかまえている。

「ちんこ出せ」

「おう」

 ベッドに片膝乗せてちんこを差し出すと、ローション濡れの手でまんべんなく塗りつけられた。

「よし。じゃあ挿れろ」

「は?」

 前戯は?俺もお前のちんこしゃぶりたいんだが。

「ほら、ローション乾くから早く…」

 ふうちゃんは、四つん這いになって自らアナルに指をくぷくぷ出し入れしてみせる。エッッッロい。
 わかった。俺の負けだ。
 ちんこは次回しゃぶる。

 俺がベッドに乗り上げると、二人分の体重への文句みたいにベッドが軋む。

「はぁー、挿れるよ、ふうちゃん」

「うん」

 あー、この状況で「うん」って可愛いかよ。ふうちゃん可愛過ぎる。優勝。

 尻を両手で割り開いて、ケツ穴を親指でゆっくり押してみる。抵抗はあるが、指先くらいなら容易く沈む。そのまま親指を二本とも挿れて、左右に開く。これまじでうんこする場所かよ。性器じゃねえのかよ。鼻血出そう。
 ちんこをあてがってゆっくり突き入れると、ふうちゃんが「あ、あ、ふう、ん」って鼻にかかった甘ったるくて切なげな声を出す。どエロい。

「きっつ」

 肛門がめっちゃ締め付けてくる感覚がたまらない。搾り取られそうになりながらもちんこを押し込んでいく。

「ふうちゃん、全部入ったよ。痛くない?つらい?」

 きゅんきゅん締め付けてくるアナルに、いますぐ腰を振りたくなるのを必死にこらえる。

「ふぁ…大丈夫……嬉しい。莞爾……お願い、動いて」

 普段あまのじゃくで気が強いのに、セックスの時は媚び媚びとか、俺の好みどストライクを何回持っていくんだこいつ。

「っふうちゃん、バカ」

 大事にしたいのに、我慢できずに全力で腰を振りたくった。ふうちゃんの喘ぎ声が最高にエロいし、ふうちゃんの中は背が震える程気持ち良くて、童貞もびっくりな早さでイッてしまった。

「はあぁー、ふうちゃんごめん。中に出しちゃった」

 首まで真っ赤にしてこっちを振り返ったふうちゃんは、とろんとした目を涙でいっぱいにしていた。もうそれだけでちんこが反応しそうになるが、さすがに初えっちで三回戦するのはがっつき過ぎだろう。
 今日は可愛いふうちゃんをいっぱいよしよしして労おう。それだけで絶対楽しい。もう酒も程よく抜けたし、もう理性無い行動はしない。
 そう心に誓ったのに。


「え…?あ、うん。いいよ。中に出されるの嬉しいから………あの、莞爾、もっと、中に、出して欲しいんだけど、ダメ?」



 その日、俺は理性のない獣になった。 
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