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第2部 第2章

凌辱の宴(上)

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 ナーロッパ歴1057年2月15日

「はぁ……」
 溜め息をつき、フリーランス王国北東部のある農村に住むはカローラは洗濯をする手を止めた。
 彼女の夫がリューベック王国遠征のために徴兵され、2カ月以上が過ぎていた。

 風の噂ではリューベック王国に侵攻したフリーランス王国軍は敗北し、逆に攻め込まれており、いずれこの村も戦火に巻き込まれるのではとカローラを含めた村人は怯えていた。

「お母さん、遊びに行ってきます」
 12歳になる娘のコッキーの声である。
 カローラは暗くなった表情を切り替え、笑顔で手を振った。
「いってらっしゃい。気をつけてね」

 地獄の始まりは日が落ちはじめるころだった。
 カローラが夕食の支度に取り掛かる中、そろそろ帰ってくるはずのがコッキーが未だに来なかったため、心配に思い、迎えに行くため仕事で汚れた服を着替えている最中に、家の外から喧騒が聞こえ突然何者かが上がりこんできた。

「だ、誰ですか」
 カローラは慌てて脱いだ服で身体を隠すと、上がりこんできた男達は武装しており、彼女は恐怖に震えた。
 当初は山賊かと思ったが立派な黒い鎧を装備している事から山賊ではないとカローラはあたりをつける。
(まさか、リューベック軍?こんな所まで侵攻して来ていたの?)

 恐怖で震える彼女の前に兵士達は盛り上がっていた。
 一目見た兵士の一人が
「こりゃ上玉だぜ!」
 と声を上げると、他の兵士達も同意する。
 こうして、あまりにもあっけなくカローラの平穏は崩れ去ったのである。

 すでにカローラが半裸である事が兵士達を興奮させていた。
 豊かな形のよい乳房に肉付きのよい尻、すらりと引き締まった腰や太腿。抜群のプロポーションは衣服で覆っても隠しきれない熟成した色香を放っていた。

「やめて、やめてください。何するんですか、放して!」

 兵士達がいっせいに群がりカローラをベットに押さえ込む。
 残っている衣服を剥ぎ取ると、男達はさらに盛り上がった。

「へへ、たまんねぇな。こいつはいい体してやがるぜ」
「そんなんで旦那がいないんじゃあ体が疼いてしかたねえだろ。それとも他の男でも引っ張り込んでたか?」

「そ、そんな事しません!」
 男共の野卑な冗談にカローラはマジメに返すが、兵士達には関係のない事であった。

「ぷはぁ、もうがまんできね。とっとと犯っちまおうぜ」

「や……やめて」

 カローラを押さえている兵士の1人が
「ここまでしてやめられるかよ。それにアンタだってまんざらじゃないだろ」
 そういいながら手を動かして秘所を弄りながら豊かな乳房を揉みしだく。

 すると、別の兵士が
「1人じめするなよ」と言いながら乳首に吸い付き、別の兵士が首を舐めていく。

 少しすると秘所を弄っていた兵士が、蜜で潤い始めた事に気付き動きを止めた。
 カローラは奇妙に思うとともに少し喪失感を受けた。
 それがカローラの表情にでていたため、男が下品な笑みを浮かべながら
「おや、奥さん。物欲しそうな顔してるぜ」
 と言う。
「そ……そんな事、ありません。もう…もうやめてください」

 しかし、彼女の嘆願も兵士達は聞く気はなく、
「こういう時、なんて言うかわかるか?」
「どうせ下のお口は正直だなとか言うんだろう、お前」
 と卑俗な事を言い合っている。
「正解。ほら奥さん、もうこんなになってるんだぜ。正直に欲しいって言えば優しく可愛がってやらんでもないぜ」

 そう言いながら兵士は秘所に差し込んだ手を抜き、カローラの目の前で指を開いた。
 そこには愛液と思われる液体が糸を引いていた。

「い、嫌、そんな物見せないで」

「目ぇそらすんじゃねえ。ほら、おまえが出したんだ。きれいに舐め取りな」
 そう言って兵士は指を口に突っ込む。
 無骨な太い指がやや厚めの唇を割り、口内に潜り込む様は見ていた他の兵士を昂ぶらせた。

「んっぐ…ううん」
 カローラが拒む様子を見ながら兵士達は下品な笑みを浮かべている。
「へへ、強情だな」

「もうたまんねえぜ。さっさとぶちこんで、身体で教えてやるのが一番だろう」

「あぁ、そうするか」

 その時入り口の戸が開き、何者かが入ってきた。

「あっ、サモン中隊長」

 兵士達より少し年上のように見える男が現れると、今からお楽しみの時間と言うのを邪魔された状況にもかかわらず、兵士達は居住まいを正し敬礼する。
 特別巨漢という事はないが、存在感は周りの者を圧倒させるものがあった。

「さっそく始めているようだな」

「いやまだです。丁度今から始めようかという所です。中隊長殿がお先にお味見されますか?」

「部下の楽しみを横取りしたらラトム大隊長閣下に叱られてしまうからな。君達だけで始めてくれ。この村ではその女は当たりのようだぞ」
 突然の乱入によりお預けを食らったにもかかわらず、兵士達は嫌な顔1つしていなかった。

 それを見たカローラは一縷の望みを賭け、突如現れた中隊長に訴えかけた。
「お願いです。どうか――どうか止めさせてください。こんな事をしても憎しみが……憎しみを生むだけです。」

「そんな事はわかっている。しかし、先に侵攻してきたのはフリーランス王国であり、もしフリーランス王国軍が勝っていればフリーランス軍もリューベックで同じ事をしていただろうな。」
 サモンは表情を変える事なく続けた。
「である以上、我々リューベック軍がフリーランス軍のやろうとしていた事と同じ事をフリーランスでやっても責められる事はあるまい」

「な、何を……言って……」
 中隊長を名乗る男の理屈が通っているようで通っていない答えに戸惑いの表示を見せたカローラを無視して、サモン中隊長は
「もう御託は良かろう。部下も、そして貴女も待ちきれないだろうからな。」
 と言った後、兵士達に視線を向け
「始めろ」
 と命じた。
 その言葉が凌辱の宴の始まりを告げる音であった。
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