上 下
53 / 139
第1部 最終章

第1部主要国

しおりを挟む
 リューベック王国
 領土3郡
 王都リュベル
 人口約45万

 解説
 ナーロッパ北方の小国の一つであるが、一方で海運、水運の要となる大都市リュベルを王都に持つ事でナーロッパ北方最大の経済力を持つ国でもある。
 交易路を守るべく強力な海軍(国家規模を考えれば)を整備している一方で王都近郊のスラム対策のため陸軍でも完全常備軍部隊の編制も行ったりもしているため、ナーロッパ北方諸国内でも軍事力は高い方。

 フリーランス王国
 領土3郡
 王都レーワル
 人口約40万

 解説
 ナーロッパ北方にあるフラリン王国属国の一つ。大きい金山を持っており、フラリン属国群の中では1番裕福である。ナーロッパ歴1056年冬には帝国の属国になろうとしている東の隣国であるリューベック王国に侵攻を開始する。

 アストゥリウ王国
 領土
 アストゥリウ王国本土21郡
 イスラン半島ザマー教諸国から奪った領土6郡
 旧フラリン王国領93郡
 合計120郡(ナーロッパ歴1056年12月時点)
 王都レオン
 本土人口約330万
 旧フラリン王国領人口約1680万
 旧ザマー教から奪った領土の人口約40万
 計約2060万

 解説
 イスラン半島北部を統治するテンプレ教国であったが、中部、南部の異教徒であるザマー教国を属国化させてイスラン半島の覇権国家となる。しかし、その快挙の原動力となった第4王子フェリオルが挙兵し、内戦が勃発。内戦はフェリオル王子が勝利したが、その直後国王を含めた大半の王族と王妃や側妃どもを殺している。占領した王都レオンで悪逆非道の限りを尽くす暴君フェリオルを止めるべく第3王子ヘルメス王子は正義に燃える有力諸侯らの協力を得て、討伐軍を編成。必ず、邪智暴虐の簒奪王を除かなければならぬと決意していたフラリン王国国王もヘルメス王子に協力し、自ら軍を率いてフェリオルの討伐に当たる。しかし、ヘルメス王子・フラリン連合軍はフェリオルに大敗し壊滅。その後、フラリン王国は簒奪王に飲み込まれてしまう(フラリン王国ガトー朝記一巻を一部引用)。
 この邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意してくる者が多数現れて暴君を討ってくれる事をテンプレ神とザマー神とそれらの多数の信者が願ったとされる。
 実際はレオン占領戦のおりには王族等は確かに惨殺されているが、一方でフェリオルの略奪禁止令で一般人にほぼ被害が出ていない。略奪した黒旗軍将兵も極少数にいたのは事実ではあるが、略奪者は全員捕らえられ公開処刑され、被害者も補償されていたりする。
 しかし、フェリオル戦争後はレオン占領戦でフェリオルとそれに従う暴虐非道な手勢は一般人も含めて大量に虐殺したと歴史書には記される事になった。
 フェリオルは父を武力で討ち取り、王位を奪った悪魔であり、この時代のアストゥリウ王国は悪魔の国とフェリオル戦争後、長い間ナーロッパの歴史書には記されていく事となる。




 フラリン王国
 領土93郡
 人口約1680万
 王都バリ

 解説
 ナーロッパ中西部の超大国。元々はロアーヌ帝国領の一部であったが、ナーロッパ歴580年台に勃発した第二次ロアーヌ帝国内戦の結果、教皇派がアグネス率いるアグネス派に敗北した事により教皇派であったフッテンボルク家が他の教皇派諸侯に呼びかけて帝国から独立(第二次ロアーヌ帝国分裂)する事によって建国した国家。複数の穀倉地帯を持っており、人口密度と穀物生産量等はナーロッパ最大であり、王都の人口もナーロッパでは唯一10万超えしている。テンプレ教の三大強国の一つに数えられていたが、1056年に西の隣国で勃発した内戦に介入して大敗した。その後西の隣国から逆侵攻を受け一時地図から抹消されアストゥリウ王国に併合される。


 ロアーヌ帝国
 領土182郡(ベルガ王国領等含む)
 人口約2740万(ベルガ人等含む)
 首都シュバインフルト

 解説
 かつてナーロッパのテンプレ教圏をほぼ統一しナーロッパの覇権国であった。当初皇帝を務めていたのはクラウディウス家であったが36代皇帝ネロ・クラウディウスの代で事件が起きた。当時、ロアーヌ帝国は3つの戦闘正面を抱えた上で異教徒と15年戦い続けており、ナーロッパの覇権国であった帝国を疲弊させるには十分であった。
 その長きに渡る戦いのための重い負担で不満が高まっていた不平派帝国諸侯がザーリア家の呼び掛けにより挙兵したのである。
 帝国辺境東部の有力諸侯は皇帝支持派が多かったのだが、中央の諸侯の大半はザーリア家につき、帝都とその近隣の皇帝直轄領は味方諸侯から孤立し、ネロはザーリア家を盟主とする反乱軍に討たれた。そして、クラウス・ザーリアが皇帝として新たに立ったが、クラウディウス家を支持していた帝国東部諸侯はそれを認めず、ネロの遺児であるロイドを担ぎ新たにヒサデイン帝国を建国したのである(第1次ロアーヌ帝国分裂)。
 成人したロイドはナーロッパ歴164年6月15日に皇室領であったヒサディオンを帝都として定める。
 そして、ナーロッパ歴167年10月12日に行われたコンスタン宮完成式典時にロイドは
「余はテンプレ神に誓う。逆賊どもを必ず討滅し、父帝の無念を晴らしてくれる」
 と宣言したのであった。
 テンプレ神に誓うと言う文言は不退転の決意を表明する事であり、また神に誓った以上撤回する事は出来ない物である。
 以降、ヒサデイン帝国はロアーヌ帝国を完全に敵視し、実際何度か戦火を交えている。

 ヒサデイン帝国等の敵国と戦いながらもザーリア家を皇帝とするロアーヌ帝国はナーロッパ中央の大半を治める超大国としてあり続ける。

 しかし、ナーロッパ歴580年教皇庁とそれを支持する帝国教皇派諸侯と皇帝とそれを支持する皇帝派諸侯の神官任命権を巡る抗争(叙任権闘争、または第二次ロアーヌ帝国内戦)が勃発。583年に教皇派が帝都攻略に成功し、皇帝を処刑。幼い皇子ルインを皇帝につけ、教皇派の傀儡とした。帝国の主導権は教皇と教皇が握ったかに見えたが、教皇派もロアーヌ帝国全土を平定していた訳ではなかった。
 皇帝派諸侯もだいぶ降伏したものの、教皇派に抵抗する皇帝派諸侯も残っており教皇派にとって最大の敵はピルイン辺境伯であった。
 ピルイン家は帝都陥落後教皇派に寝返ったローレシア公爵の領地を即時に平定。自慢の重装騎兵を率いてピルイン家の当主ファイトが教皇派に相手に暴れ回っていた。
 そんな情勢下、帝都を脱出しコンラディン子爵家に身を寄せていた皇女アグネスが動いた。
 アグネスはまず関係が深かった有力な帝国諸侯であるハーベンブルク侯と接触し、教皇派から教皇派に抵抗していた皇帝派残党に寝返らせる。さらにアンハント地方を巡り対立していたシュタデーン辺境伯とピルイン辺境伯を和睦させた上で、この2家も誘い、この3家の力を元にアグネス派を結成した。
 さらに、教皇派に反発していた諸侯や、アグネス派に囲まれた領主もアグネス派に加わっていき、ロアーヌ帝国は2分される。帝国を二分した内戦は最終的に教皇派が敗北し、教皇庁とアグネスは神官の叙任権は神姫(厳密に言えば神姫の代理である教皇)にあるが、教会領等世俗的な権利に関しては君主が授封するという事で講和した。しかし、教皇に組みした帝国諸侯の大多数はアグネス派の勝利を認めずフラリン王国(第2次ロアーヌ帝国分裂)として独立する事となる。
 アグネスはそのままコンラディン家当主に嫁ぎ、皇帝は教皇派が担ぎ出したルインがそのまま皇帝となった。
 しかし、この事件をきっかけに皇室の力はさらに低下し、相対的に諸侯の力が強まり、ナーロッパで一番王権が弱い国家となってしまい、本作の時代でもそれは変わらない。




しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

継母の心得 〜 番外編 〜

トール
恋愛
継母の心得の番外編のみを投稿しています。 【本編第一部完結済、2023/10/1〜第二部スタート☆書籍化 2024/11/22ノベル5巻、コミックス1巻同時刊行予定】

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは

竹井ゴールド
ライト文芸
 日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。  その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。  青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。  その後がよろしくない。  青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。  妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。  長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。  次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。  三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。  四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。  この5人とも青夜は家族となり、  ・・・何これ? 少し想定外なんだけど。  【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】 【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】 【2023/6/5、お気に入り数2130突破】 【アルファポリスのみの投稿です】 【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】 【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】 【未完】

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた

きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました! 「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」 魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。 魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。 信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。 悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。 かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。 ※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。 ※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です

処理中です...