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第1部 第2章
妹は可愛いい。(下)
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四人の武官が頭を下げ、ギニアスが執務室の扉を閉じる。
「お召しにより参上しました、陛下」
カリウスが代表し、自分達の主君に告げる。
フェリオル王は微笑を浮かべていた。それが作り笑いである事にカリウスは気づき痛ましさを感じはしたが、彼がそれを口に出す事はしなかった。
「恐らく教皇庁とそれに同調する小国らと戦になる。そのためそなたらを呼んだ」
フェリオル王はとんでもない事を言いだしたとギニアス以外の男はそう思った。
他国は気づいていないが、現状のアストゥリウ王国軍、厳密に言えばフェリオル王の武威を支える黒旗軍は限界を迎えていた。軍資金や軍馬をはじめとする物資の話ではない。それらは戦利品や降伏した諸侯からの献上品によって莫大な量が手に入った。だが、肝心の人が限界だった。異教徒制圧戦からのアストゥリウ内戦、ラーンベルク戦、そしてフラリン本土への電撃的な侵攻で、莫大な戦果を上げた一方で消耗していった。もはや、黒旗軍は予備を加えても1万8千前後しか残っていない。異教徒制圧戦直後と比較すれば、負傷兵も入れて約4千名の将兵を失っていた。
黒旗軍が今の練度を維持するのであれば将兵の補充にかなりの時間を要する以上、これ以上の大規模な戦争は一時不可能。これはフェリオルと黒旗軍の幹部の共通認識であったはず。
「お、おそれながら申し上げます。これ以上の大規模な戦争は不可能でございます」
だからこそリカルドがまず口にする。
「教皇庁やそれに同調する小国数カ国程度ならともかく、教会全体や何よりロアーヌ帝国と戦争となれば現状我々に勝ち目はございません」
リカルドの言っている事は軍略の常識では正しい。
だが、ロンメルはそれに反論する。
「いや、ロアーヌ帝国は恐らく動かぬでしょう。動く気があるなら我々のフラリン侵攻に何らかの介入をしてくるはずです」
一切の準備なしに大軍を動かすなど、この時代のナーロッパにある国々は不可能だ。唯一それが可能なのは、黒旗軍という大規模常備軍を持つフェリオルだけである。しかし、帝国であれば、たとえばフラリン国境警備戦力を引き抜けば5千程度の軍は早急に出せる。帝国が介入する姿勢を見せさえすれば、フラリン軍や王家に近い諸侯が抵抗を続ける可能性は高かった。時間さえ稼げばロアーヌ帝国の大軍が援軍として駆けつけてくるのだから。
ロンメルは言葉を続ける。
「こうなってくれば、恐らく帝国は我々に対抗するため勢力均衡政策をとろうとするはずです。そのため異教徒や異端とも手を組もうとするでしょうし、またそれを行うならば教皇は邪魔。何より教皇庁の干渉を皇帝や帝国の諸侯も快く思ってないでしょう」
「なるほど。帝国が動かないならやりようもあるか……」
リカルドが頷いたのを確認するとロンメルはフェリオルの方に青い瞳を向ける。
「しかし、陛下。我々が教皇庁と戦を構える必要はございませぬ。教皇が我々に使節団を出すという件も恐らく異教徒の国を改宗させず属国にした件でありましょう。それであれば改宗させるための準備中と言いはり、後は教皇庁に金を渡せば問題とはなりませぬ。問題を先送りすれば教皇庁と帝国がいずれやり合うのは明白。ならば我々が教皇庁と戦ってもあまり益がないと愚考いたしますが」
フェリオルは苦笑を浮かべながら頷く。
「確かに我々が問題を先送りすれば帝国と教皇庁とやり合う可能性は高いだろう」
だがとフェリオル王は続ける。
「ここで教皇を破る事はそれ以上の益があるのだ」
「どう言う事で……あっ」
途中で気づいたロンメルにフェリオルは笑みを浮かべて口を開いた。
「気づいたようだな。そうだ、属国にした異教徒国家の信用を得られるという事だ。彼らの信用を得、心からの忠誠を得れば我々は後顧の憂いなく東進できるぞ。それを考えれば教皇と戦を構える事も十分に益があろう」
違うか? とフェリオルは視線でリカルド、カリウスに尋ねる。
この二名も教皇と事を構える事はアストゥリウ王国に益がある事は頷くしかない。
異教徒の6カ国は武力制圧されたから従っているだけであり、現状は単なる面従腹背と見てよい。それこそ、フェリオルが手勢とともにフラリンにいる今など、反乱を企てる絶好機だろう。
しかし、属国に改宗を要求する教皇にフェリオルが戦を行ってまで否と宣言し、彼らの信教を守ったとあれば、最低でも信頼関係を築くきっかけにはなる。彼らと信頼関係を築ければ、東進する際に本国が手薄になっても属国らがそれをつく可能性は低くなる。
それにアストゥリウ諸侯が挙兵し、黒旗軍が鎮圧に動けない状況でも、彼らに鎮圧を要請するという選択肢も増える可能性もある事から、長期的視野で見ればかなりの利益になる。
帝国が動かないのであれば、教皇と一戦交える事も決して悪くないと思えるほどに。ただし、ある一点を考えなければの話だが。
「しかし、陛下。教皇と一戦交えるとなれば陛下や我々は教会から破門されるでしょう。そうなれば我々は破滅ですぞ」
アストゥリウ王国の老将は眉をしかめながら、反論する。主君が破滅の道に進むのは何としても止めなければならないという覚悟を持って。
「カリウス、破門するのは教会ではなくあくまでも教皇だ。それに手は打ってある。すでにベル大司教との話もついているしな」
フェリオルの回答にロンメルも眉をひそめながらも口を開く。
「ベル大司教を対立教皇として擁立するのですか? しかし、それをすれば帝国も黙っては――」
対立教皇が擁立されたのはナーロッバ歴897年3月である。当時のロエヌ教皇が、ロアーヌ帝国とフラリン王国の戦争に介入して帝国を支持したことがきっかけだった。フラリン王国はそれに対抗して、当時のライン大司教を教皇として擁立したのだ。その結果、テンプレ教も大混乱に陥り、異端の拡大に拍車をかけた。
その混乱を教訓とし、その後に締結した講和条約であるランドベル条約で帝国とフラリン王国は対立教皇を擁立しない事を確認し、擁立する国があれば共同で叩くとされた。一方で教皇もテンプレ教国同士の争いにはテラン半島諸国が脅かされない限り基本的に介入しない(ただし和平の仲介は例外)とされたのだ。
そのため対立教皇を擁立した場合、ランドベル条約に沿って帝国が動き出す可能性が出てくる。
「対立教皇は立てぬ」
フェリオルは微笑を浮かべてロンメルの言葉を遮った。
そして、
「そのようなものを立ててしまえば教皇庁の影響力はどうしても残ってしまうからな」
と続ける。
「陛下は何をお考えなのですか?」
リカルドは首を傾げながらフェリオルに尋ねると、
「まずはアストゥリウ王国領内のテンプレ教教会を教皇庁から切り離す事だ。教義上の話ではなく政治的にな……」
と簒奪王は冷たい笑いを浮かべながら答えた。
「お召しにより参上しました、陛下」
カリウスが代表し、自分達の主君に告げる。
フェリオル王は微笑を浮かべていた。それが作り笑いである事にカリウスは気づき痛ましさを感じはしたが、彼がそれを口に出す事はしなかった。
「恐らく教皇庁とそれに同調する小国らと戦になる。そのためそなたらを呼んだ」
フェリオル王はとんでもない事を言いだしたとギニアス以外の男はそう思った。
他国は気づいていないが、現状のアストゥリウ王国軍、厳密に言えばフェリオル王の武威を支える黒旗軍は限界を迎えていた。軍資金や軍馬をはじめとする物資の話ではない。それらは戦利品や降伏した諸侯からの献上品によって莫大な量が手に入った。だが、肝心の人が限界だった。異教徒制圧戦からのアストゥリウ内戦、ラーンベルク戦、そしてフラリン本土への電撃的な侵攻で、莫大な戦果を上げた一方で消耗していった。もはや、黒旗軍は予備を加えても1万8千前後しか残っていない。異教徒制圧戦直後と比較すれば、負傷兵も入れて約4千名の将兵を失っていた。
黒旗軍が今の練度を維持するのであれば将兵の補充にかなりの時間を要する以上、これ以上の大規模な戦争は一時不可能。これはフェリオルと黒旗軍の幹部の共通認識であったはず。
「お、おそれながら申し上げます。これ以上の大規模な戦争は不可能でございます」
だからこそリカルドがまず口にする。
「教皇庁やそれに同調する小国数カ国程度ならともかく、教会全体や何よりロアーヌ帝国と戦争となれば現状我々に勝ち目はございません」
リカルドの言っている事は軍略の常識では正しい。
だが、ロンメルはそれに反論する。
「いや、ロアーヌ帝国は恐らく動かぬでしょう。動く気があるなら我々のフラリン侵攻に何らかの介入をしてくるはずです」
一切の準備なしに大軍を動かすなど、この時代のナーロッパにある国々は不可能だ。唯一それが可能なのは、黒旗軍という大規模常備軍を持つフェリオルだけである。しかし、帝国であれば、たとえばフラリン国境警備戦力を引き抜けば5千程度の軍は早急に出せる。帝国が介入する姿勢を見せさえすれば、フラリン軍や王家に近い諸侯が抵抗を続ける可能性は高かった。時間さえ稼げばロアーヌ帝国の大軍が援軍として駆けつけてくるのだから。
ロンメルは言葉を続ける。
「こうなってくれば、恐らく帝国は我々に対抗するため勢力均衡政策をとろうとするはずです。そのため異教徒や異端とも手を組もうとするでしょうし、またそれを行うならば教皇は邪魔。何より教皇庁の干渉を皇帝や帝国の諸侯も快く思ってないでしょう」
「なるほど。帝国が動かないならやりようもあるか……」
リカルドが頷いたのを確認するとロンメルはフェリオルの方に青い瞳を向ける。
「しかし、陛下。我々が教皇庁と戦を構える必要はございませぬ。教皇が我々に使節団を出すという件も恐らく異教徒の国を改宗させず属国にした件でありましょう。それであれば改宗させるための準備中と言いはり、後は教皇庁に金を渡せば問題とはなりませぬ。問題を先送りすれば教皇庁と帝国がいずれやり合うのは明白。ならば我々が教皇庁と戦ってもあまり益がないと愚考いたしますが」
フェリオルは苦笑を浮かべながら頷く。
「確かに我々が問題を先送りすれば帝国と教皇庁とやり合う可能性は高いだろう」
だがとフェリオル王は続ける。
「ここで教皇を破る事はそれ以上の益があるのだ」
「どう言う事で……あっ」
途中で気づいたロンメルにフェリオルは笑みを浮かべて口を開いた。
「気づいたようだな。そうだ、属国にした異教徒国家の信用を得られるという事だ。彼らの信用を得、心からの忠誠を得れば我々は後顧の憂いなく東進できるぞ。それを考えれば教皇と戦を構える事も十分に益があろう」
違うか? とフェリオルは視線でリカルド、カリウスに尋ねる。
この二名も教皇と事を構える事はアストゥリウ王国に益がある事は頷くしかない。
異教徒の6カ国は武力制圧されたから従っているだけであり、現状は単なる面従腹背と見てよい。それこそ、フェリオルが手勢とともにフラリンにいる今など、反乱を企てる絶好機だろう。
しかし、属国に改宗を要求する教皇にフェリオルが戦を行ってまで否と宣言し、彼らの信教を守ったとあれば、最低でも信頼関係を築くきっかけにはなる。彼らと信頼関係を築ければ、東進する際に本国が手薄になっても属国らがそれをつく可能性は低くなる。
それにアストゥリウ諸侯が挙兵し、黒旗軍が鎮圧に動けない状況でも、彼らに鎮圧を要請するという選択肢も増える可能性もある事から、長期的視野で見ればかなりの利益になる。
帝国が動かないのであれば、教皇と一戦交える事も決して悪くないと思えるほどに。ただし、ある一点を考えなければの話だが。
「しかし、陛下。教皇と一戦交えるとなれば陛下や我々は教会から破門されるでしょう。そうなれば我々は破滅ですぞ」
アストゥリウ王国の老将は眉をしかめながら、反論する。主君が破滅の道に進むのは何としても止めなければならないという覚悟を持って。
「カリウス、破門するのは教会ではなくあくまでも教皇だ。それに手は打ってある。すでにベル大司教との話もついているしな」
フェリオルの回答にロンメルも眉をひそめながらも口を開く。
「ベル大司教を対立教皇として擁立するのですか? しかし、それをすれば帝国も黙っては――」
対立教皇が擁立されたのはナーロッバ歴897年3月である。当時のロエヌ教皇が、ロアーヌ帝国とフラリン王国の戦争に介入して帝国を支持したことがきっかけだった。フラリン王国はそれに対抗して、当時のライン大司教を教皇として擁立したのだ。その結果、テンプレ教も大混乱に陥り、異端の拡大に拍車をかけた。
その混乱を教訓とし、その後に締結した講和条約であるランドベル条約で帝国とフラリン王国は対立教皇を擁立しない事を確認し、擁立する国があれば共同で叩くとされた。一方で教皇もテンプレ教国同士の争いにはテラン半島諸国が脅かされない限り基本的に介入しない(ただし和平の仲介は例外)とされたのだ。
そのため対立教皇を擁立した場合、ランドベル条約に沿って帝国が動き出す可能性が出てくる。
「対立教皇は立てぬ」
フェリオルは微笑を浮かべてロンメルの言葉を遮った。
そして、
「そのようなものを立ててしまえば教皇庁の影響力はどうしても残ってしまうからな」
と続ける。
「陛下は何をお考えなのですか?」
リカルドは首を傾げながらフェリオルに尋ねると、
「まずはアストゥリウ王国領内のテンプレ教教会を教皇庁から切り離す事だ。教義上の話ではなく政治的にな……」
と簒奪王は冷たい笑いを浮かべながら答えた。
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