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第5章
第169話 シンポジウム開幕
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「ふぅ……食った食った! お腹いっぱいだ!」
「クゥ~」
ユートたちがパフェを味わいつくし、食後のコーヒーを飲んで個室を出た時――
通路を歩くユートたちの姿を別の個室から覗いている人間がいた。
「いやはや……本当にドラゴンですよ、皆さん。これは珍しいものが見れましたな」
その個室の中には覗いていた本人も含めて4人の初老男性がいた。
彼らの正体は魔獣学会シンポジウムの執行役員だ。
「今年のシンポジウムにドラゴンがやって来るという話は当然我々の耳にも入っていましたが、やはり本物を見ると気持ちが高ぶりますなぁ!」
「はははっ! まるで子どものようですぞい!」
「そりゃあもう! 子どもの頃に夢見たドラゴンですから! おとぎ話の中だけの存在ではない……ドラゴンはこの世界に実在すると自分の目で確かめられたのです!」
執行役員の全員が魔獣に対する知識や関心を持っているわけではない。
この中にはベータポリス側で施設管理を担っているだけという者もいる。
「それにしても、今年はドラゴン以外にも目玉となる発表がいくつもあるらしいじゃないですか」
「ええ! 特にずっと秘匿されて来たゴウガシャグモの研究報告は、研究者として楽しみでなりません。それもヘンゼル王国の最高学府、王都王立大学の研究チームの発表ですからな。他にはもちろん……」
「いやいや、そこらへんでご勘弁を! 私には魔獣の知識はありませんからなぁ。せっかくの解説も理解し切れませんゆえ!」
「おっと、これは失敬!」
一見、和やかな雰囲気で進む会話。
しかし、彼らにも頭を悩ませている課題があった。
「まあ、これだけ優秀な学者が集まっているのです。あの御方のお眼鏡にかなう人材も必ず見つかりましょう」
「ははっ、そうでなくては困りますな。あれだけ大きな施設を管理し維持していくには、知識だけでなく経済も豊かにならねばいかんのですから」
「むしろ、あの御方のご命令が下るのが今回のシンポジウムで良かった」
「より取り見取り……ということですな」
4人の執行役員はお互いの顔色を伺いながら笑う。
「さて、仕事の話はこれくらいにしてスイーツというものを楽しもうではありませんか!」
「皆さん、このパフェはいかがですか?」
「ははは……もう私も歳ですからなぁ! そのサイズは食べたくても、胃袋が受け付けてくれませぬ……」
「まったく、歳は取りたくないものですな!」
◇ ◇ ◇
そして、シンポジウム開幕の日がやって来た――
前日リハーサルをそつなくこなしたガンバーラボだが、いざ本番となると緊張は隠しきれない。
それはもちろん俺も同じだった……!
「原稿に不備はないし、俺の場合は学者の方々から手厳しい質問を貰うこともないだろう。不安要素はない……はずなんだけどね」
「クー!」
ロックは自由なもんだ。
ベータポリスに来ても食って寝て、たまに空を飛んで運動している。
「やっと……私たちの研究成果を見てもらえる!」
ポーラさんは喜びに震えている。。
彼女にとって研究発表の場は、自分たちの努力の結果を見せられる嬉しい場所のようだ。
「あばばばば……! がぎぎぎぎぎ……! んごごごごご……!」
副所長のジェナスさんは残像が見えるくらい震えている。
これは喜びの震えでも武者震いでもない、普通に緊張から来る震えだ……!
集まった学者たちの前に立って発表するのはガンバーラボを代表する4人だ。
全員が並び立つのは、最初と最後の挨拶のみ。
その4人の中に所長のポーラさん、そして副所長のジェナスさんは入っている。
ジェナスさんは人前に立つのが苦手そうだが、立場上役目から逃れることが出来なかったようだ。
残りの2人のうち1人はジューネ族代表でもあるバニラだ。
彼女はずっと平常心。今日も普段と変わらない様子に見える。
そして、最後の1人は――
「ユート……いよいよね」
今までに見たことないほど緊張しているシウルさん。
微かに震えているようにも見える。
「シウルさんなら大丈夫です。俺、冒険者の仕事をやりながら研究に打ち込んでるシウルさんをずっと見て来ました。その姿は魔獣学者そのものでしたよ」
俺自身も緊張しているというのに、シウルさんの緊張を少しでも解きほぐそうと話しかける自分がいた。
「これまでいろいろありましたけど、シウルさんの魔獣研究に対する気持ちは本物です。俺が保証します」
「ふふふっ、ユート……あんたも言うようになったじゃない!」
シウルさんが俺の肩をバシッと叩いた。
「見違えたわね……出会った頃と。私も変わってるってところを見せなくっちゃ」
出会った頃――彼女は印象最悪な人だった。
見た目は美人だけどキレやすいし、人を見下すし、わがままだし……。
でも、今は違う。
「頑張って、シウルさん!」
「クゥ、クゥ~!」
最初はシウルさんを嫌う素振りを見せていたロックも、今ではすっかり彼女のことを仲間と認めている。
「おうよっ! 私がかわいいだけじゃなくて、カッコいいってところを見せつけてくるわ!」
自惚れは才能だ。
自分を信じていれば、いつか虚構の姿は本当の自分になる。
今の彼女は本物の冒険者で、本物の魔獣学者なんだ。
「続いての発表は王都王立大学魔獣研究所ガンバーラボです――」
その名が呼ばれた時、彼女たちの魔獣学会シンポジウムが始まった。
「クゥ~」
ユートたちがパフェを味わいつくし、食後のコーヒーを飲んで個室を出た時――
通路を歩くユートたちの姿を別の個室から覗いている人間がいた。
「いやはや……本当にドラゴンですよ、皆さん。これは珍しいものが見れましたな」
その個室の中には覗いていた本人も含めて4人の初老男性がいた。
彼らの正体は魔獣学会シンポジウムの執行役員だ。
「今年のシンポジウムにドラゴンがやって来るという話は当然我々の耳にも入っていましたが、やはり本物を見ると気持ちが高ぶりますなぁ!」
「はははっ! まるで子どものようですぞい!」
「そりゃあもう! 子どもの頃に夢見たドラゴンですから! おとぎ話の中だけの存在ではない……ドラゴンはこの世界に実在すると自分の目で確かめられたのです!」
執行役員の全員が魔獣に対する知識や関心を持っているわけではない。
この中にはベータポリス側で施設管理を担っているだけという者もいる。
「それにしても、今年はドラゴン以外にも目玉となる発表がいくつもあるらしいじゃないですか」
「ええ! 特にずっと秘匿されて来たゴウガシャグモの研究報告は、研究者として楽しみでなりません。それもヘンゼル王国の最高学府、王都王立大学の研究チームの発表ですからな。他にはもちろん……」
「いやいや、そこらへんでご勘弁を! 私には魔獣の知識はありませんからなぁ。せっかくの解説も理解し切れませんゆえ!」
「おっと、これは失敬!」
一見、和やかな雰囲気で進む会話。
しかし、彼らにも頭を悩ませている課題があった。
「まあ、これだけ優秀な学者が集まっているのです。あの御方のお眼鏡にかなう人材も必ず見つかりましょう」
「ははっ、そうでなくては困りますな。あれだけ大きな施設を管理し維持していくには、知識だけでなく経済も豊かにならねばいかんのですから」
「むしろ、あの御方のご命令が下るのが今回のシンポジウムで良かった」
「より取り見取り……ということですな」
4人の執行役員はお互いの顔色を伺いながら笑う。
「さて、仕事の話はこれくらいにしてスイーツというものを楽しもうではありませんか!」
「皆さん、このパフェはいかがですか?」
「ははは……もう私も歳ですからなぁ! そのサイズは食べたくても、胃袋が受け付けてくれませぬ……」
「まったく、歳は取りたくないものですな!」
◇ ◇ ◇
そして、シンポジウム開幕の日がやって来た――
前日リハーサルをそつなくこなしたガンバーラボだが、いざ本番となると緊張は隠しきれない。
それはもちろん俺も同じだった……!
「原稿に不備はないし、俺の場合は学者の方々から手厳しい質問を貰うこともないだろう。不安要素はない……はずなんだけどね」
「クー!」
ロックは自由なもんだ。
ベータポリスに来ても食って寝て、たまに空を飛んで運動している。
「やっと……私たちの研究成果を見てもらえる!」
ポーラさんは喜びに震えている。。
彼女にとって研究発表の場は、自分たちの努力の結果を見せられる嬉しい場所のようだ。
「あばばばば……! がぎぎぎぎぎ……! んごごごごご……!」
副所長のジェナスさんは残像が見えるくらい震えている。
これは喜びの震えでも武者震いでもない、普通に緊張から来る震えだ……!
集まった学者たちの前に立って発表するのはガンバーラボを代表する4人だ。
全員が並び立つのは、最初と最後の挨拶のみ。
その4人の中に所長のポーラさん、そして副所長のジェナスさんは入っている。
ジェナスさんは人前に立つのが苦手そうだが、立場上役目から逃れることが出来なかったようだ。
残りの2人のうち1人はジューネ族代表でもあるバニラだ。
彼女はずっと平常心。今日も普段と変わらない様子に見える。
そして、最後の1人は――
「ユート……いよいよね」
今までに見たことないほど緊張しているシウルさん。
微かに震えているようにも見える。
「シウルさんなら大丈夫です。俺、冒険者の仕事をやりながら研究に打ち込んでるシウルさんをずっと見て来ました。その姿は魔獣学者そのものでしたよ」
俺自身も緊張しているというのに、シウルさんの緊張を少しでも解きほぐそうと話しかける自分がいた。
「これまでいろいろありましたけど、シウルさんの魔獣研究に対する気持ちは本物です。俺が保証します」
「ふふふっ、ユート……あんたも言うようになったじゃない!」
シウルさんが俺の肩をバシッと叩いた。
「見違えたわね……出会った頃と。私も変わってるってところを見せなくっちゃ」
出会った頃――彼女は印象最悪な人だった。
見た目は美人だけどキレやすいし、人を見下すし、わがままだし……。
でも、今は違う。
「頑張って、シウルさん!」
「クゥ、クゥ~!」
最初はシウルさんを嫌う素振りを見せていたロックも、今ではすっかり彼女のことを仲間と認めている。
「おうよっ! 私がかわいいだけじゃなくて、カッコいいってところを見せつけてくるわ!」
自惚れは才能だ。
自分を信じていれば、いつか虚構の姿は本当の自分になる。
今の彼女は本物の冒険者で、本物の魔獣学者なんだ。
「続いての発表は王都王立大学魔獣研究所ガンバーラボです――」
その名が呼ばれた時、彼女たちの魔獣学会シンポジウムが始まった。
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