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第6章 血に刻まれた因縁の地
-81- 紅と藍の来訪者
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「あっつうぅい…………!」
夏は苦手だ……暑いから!
マシンベースに向かういつもの道も、灼熱の地獄と化す季節。
いい加減徒歩で通うのはやめて自転車でも買おうかしら?
DMD操者としてそれなりに実績を積み重ねたからお金はある。
でも、DMDを操縦してる時って座りっぱなしだから、こうやって歩くのも良い運動なんだよね。
そんなことを考えていると、いつも答えが出ないまま目的地に到着する。
首都第七マシンベース……!
私が活動の拠点としている場所だ!
「あっ、蒔苗さんおはようございます!」
「おはようございます」
守衛さんもすっかり私の顔を覚えて、会うたびに向こうから挨拶をしてくれる。
他のスタッフの人たちにも私の存在は広まっていて、すれ違うたびに我先にと頭を下げてくる。
なんだか偉い人になった気分になるけど、うぬぼれてはいけない。
私もちゃんと挨拶を返すし、なんなら先に頭を下げる!
周りの人たちの支えのおかげで今があるということを忘れたら、私の性格も脳波も歪んでいく。
そんな気がしてならないんだ。
「あぁ~! ロビーは涼しぃ~!」
マシンベースのメインタワー、その1階にあるロビーは銀行並みに涼しい!
ここに来るたびに生き返る~って感じだ!
私は毎回ここで少し涼んで、汗を綺麗に拭いてから整備ドックやコントローラーズルームに向かう。
自販機もあるから喉が渇いた時はジュースも買っていく。
今日は特に喉が渇いてるし、何か飲んでいこうかなぁ~。
「……え?」
ロビーの一画に見慣れない集団を見つけた。
その人たちはロビーに置かれている椅子と机の上にティーセットを広げ、あろうことかケーキスタンドまで置いている……!
もちろん、その椅子と机は誰でも使っていいし、飲食禁止というわけでもない。
ただ、周りにメイドさんを従えてまでここでお茶会を開いていることに、私は純粋に驚いている!
お茶会の中心人物は……おそらく2人の少女だ。
1人は深紅のドレスに身を包み、そのドレスと同じくらい赤い髪をツインテールにしている。
ふんぞり返っていて紅茶を飲む姿は、いかにもお嬢様という感じだ。
もう1人は真逆の深い青色のドレスを着ていて、髪もそのドレスと同じく深い青。
猫背でうつむきながらカップに注がれた紅茶を必死に冷ましている。
出会った頃の蘭を上回るような濃さを感じる……!
なんというか、本物感を雰囲気から感じるんだ!
安易に関わってはいけない……。
私はジュースの購入を諦め、整備ドックに向かう。
出来る限りその子たちから遠ざかって……。
「そこのあなた! ミス・マキナですわね?」
赤い髪の子が振り返ることもなく私に話しかけた。
勘が良いのか、それともロビーに入ってきた時から目を付けられていたのか……。
どちらにせよ、私が目的でここにいる可能性が高い以上、無視することも出来ない!
「はい、私が萌葱蒔苗です」
そう返事をすると赤髪の子は椅子から立ち上がり、私の方にやってきた。
その子は目の色も深紅で、まるでルビーをはめ込んだみたいだった。
髪もそうだけど、染めたりカラーコンタクトでこんな鮮やかな色になるんだろうか?
まるですべて地毛で、そのままの瞳のような……。
「触ってもよろしいかしら?」
「え?」
「体に触ってもよろしいかしら」
「ええ……」
困惑の『ええ』だったのだが、その子は同意の『ええ』と受け取ったようだ。
その手で私の脚から腰、腹、胸、首筋をスゥッと流れるように触り、最後に頬に手を添えたところで止まった。
「自らの使命も知らずのほほんと生きてきたと聞いていましたので、どんな腑抜けたお顔をしていらっしゃるのかと思ったら……なかなか良い目をした美人ではありませんか」
「あ、ありがとうございます……」
「スタイルも良い……。細すぎず、太すぎず、でも発育は十分。女子から女性へと変わりつつある一番美しい時期の体ですわ」
すごいセクハラ発言な気がするけど、それはスルーして私も彼女の体つきを観察してみる。
……うーん、あまり発育していない。
身長も私より低いし、幼児体型とまでは言わないけど中学生くらいに見える。
でも、なんだろう……。
なぜか大人びた雰囲気も感じる……。
今までに会ったことがないタイプの不思議な人だ。
「髪型も素晴らしい! 私の想像していた日本の女性……大和撫子そのものといった感じですわ」
まあ、私の髪型は未だに姫カットだからね。
夏場だから少し短めにはしてるけど、これぞ和風といった髪型だ。
老けて見えるとか重く見えるとか言われ放題の髪型を褒めてくれるのは嬉しい。
というか、私の容姿に関することをすべて褒めてくれるこの子は何者なんだ!?
「あのぉ、ぜひお名前を教えていただきたいのですが……」
「あらあら! 私ったら自己紹介を忘れていましたわね。これは失礼致しました」
赤髪の子は手でツインテールをわざとらしく揺らし、じっくりと溜めを作った後……口を開いた。
「私の名は紅花! 紅花・ヴァイオレットと申しますの!」
ヴァイオレット……外国の人なんだ。
確かに立ち振る舞いや見た目から外国感はあふれ出してるけど……!
「そして、こちらの子が双子の妹の藍花・ヴァイオレットですわ! ほら、ご挨拶なさいな!」
椅子に座ってもう随分冷めているであろう紅茶をすすっていた青い髪の子は、いきなり名前を出されてビクッと震えた。
この子も紅花と同じくらいの身長だけど、スタイルは……良いね!
フリフリのドレスと猫背のせいで見えにくかったけど、胸は大きいし腰は細い。
腰の方にはやっぱりコルセットとか着けているのかな?
紅花もそうだけど、グッと引き締まった腰にはなかなか色気がある。
苦しそうだし自分が着けるのは絶対に嫌だけどね!
「は、はじめまして、マキナ……」
かなりの間を開けた後、藍花はボソッとそう言った。
私に興味がないというより、極度の人見知りに見える。
目を合わせてはくれないし、ずっとカップに入った紅茶を見つめている。
やはり、話は紅花から聞くしかないか……。
私が彼女の方に視線を戻すと、私の目の前に1つの封筒が突きつけられていた。
それも派手な装飾が施された高そうな封筒だ!
「今回この首都第七マシンベースにお邪魔した理由は2つ! 1つはミス・マキナをこの目で見てみたかったこと! そしてもう1つは……この招待状をお渡しすることですわ!」
渡された封筒には私の名前と紅花と藍花の名前、そして『ヴァイオレット社』と書かれていた。
ヴァイオレット社って……彼女たちの会社ってこと?
「あの、これは……」
「これで目的は果たせましたわ! 申し訳ありませんが私たちは多忙ゆえ、この辺で失礼させていただきます! 必要な情報はすべてその招待状に記されておりますので、ぜひご一読くださいな」
有無を言わせぬ迫力……!
紅花はメイドさんたちに『撤収!』と声をかけ、広げられていたティーセットがどんどん片付けられていく。
そんな中、スピードについていけないのは藍花で、まだ飲み切っていないカップを手におろおろしている。
双子の姉妹って話だけど、まったく似ていない……。
むしろ、ここまで正反対になるのは双子ゆえなのかな?
ありとあらゆる疑問を残したまま、紅花と藍花は嵐のように去っていった。
「……結局何だったの!?」
その答えはこの招待状の中にある!
でも、何となく開けたくない気もする……!
ええい! 女は度胸!
私は意を決してその封筒を開いた!
夏は苦手だ……暑いから!
マシンベースに向かういつもの道も、灼熱の地獄と化す季節。
いい加減徒歩で通うのはやめて自転車でも買おうかしら?
DMD操者としてそれなりに実績を積み重ねたからお金はある。
でも、DMDを操縦してる時って座りっぱなしだから、こうやって歩くのも良い運動なんだよね。
そんなことを考えていると、いつも答えが出ないまま目的地に到着する。
首都第七マシンベース……!
私が活動の拠点としている場所だ!
「あっ、蒔苗さんおはようございます!」
「おはようございます」
守衛さんもすっかり私の顔を覚えて、会うたびに向こうから挨拶をしてくれる。
他のスタッフの人たちにも私の存在は広まっていて、すれ違うたびに我先にと頭を下げてくる。
なんだか偉い人になった気分になるけど、うぬぼれてはいけない。
私もちゃんと挨拶を返すし、なんなら先に頭を下げる!
周りの人たちの支えのおかげで今があるということを忘れたら、私の性格も脳波も歪んでいく。
そんな気がしてならないんだ。
「あぁ~! ロビーは涼しぃ~!」
マシンベースのメインタワー、その1階にあるロビーは銀行並みに涼しい!
ここに来るたびに生き返る~って感じだ!
私は毎回ここで少し涼んで、汗を綺麗に拭いてから整備ドックやコントローラーズルームに向かう。
自販機もあるから喉が渇いた時はジュースも買っていく。
今日は特に喉が渇いてるし、何か飲んでいこうかなぁ~。
「……え?」
ロビーの一画に見慣れない集団を見つけた。
その人たちはロビーに置かれている椅子と机の上にティーセットを広げ、あろうことかケーキスタンドまで置いている……!
もちろん、その椅子と机は誰でも使っていいし、飲食禁止というわけでもない。
ただ、周りにメイドさんを従えてまでここでお茶会を開いていることに、私は純粋に驚いている!
お茶会の中心人物は……おそらく2人の少女だ。
1人は深紅のドレスに身を包み、そのドレスと同じくらい赤い髪をツインテールにしている。
ふんぞり返っていて紅茶を飲む姿は、いかにもお嬢様という感じだ。
もう1人は真逆の深い青色のドレスを着ていて、髪もそのドレスと同じく深い青。
猫背でうつむきながらカップに注がれた紅茶を必死に冷ましている。
出会った頃の蘭を上回るような濃さを感じる……!
なんというか、本物感を雰囲気から感じるんだ!
安易に関わってはいけない……。
私はジュースの購入を諦め、整備ドックに向かう。
出来る限りその子たちから遠ざかって……。
「そこのあなた! ミス・マキナですわね?」
赤い髪の子が振り返ることもなく私に話しかけた。
勘が良いのか、それともロビーに入ってきた時から目を付けられていたのか……。
どちらにせよ、私が目的でここにいる可能性が高い以上、無視することも出来ない!
「はい、私が萌葱蒔苗です」
そう返事をすると赤髪の子は椅子から立ち上がり、私の方にやってきた。
その子は目の色も深紅で、まるでルビーをはめ込んだみたいだった。
髪もそうだけど、染めたりカラーコンタクトでこんな鮮やかな色になるんだろうか?
まるですべて地毛で、そのままの瞳のような……。
「触ってもよろしいかしら?」
「え?」
「体に触ってもよろしいかしら」
「ええ……」
困惑の『ええ』だったのだが、その子は同意の『ええ』と受け取ったようだ。
その手で私の脚から腰、腹、胸、首筋をスゥッと流れるように触り、最後に頬に手を添えたところで止まった。
「自らの使命も知らずのほほんと生きてきたと聞いていましたので、どんな腑抜けたお顔をしていらっしゃるのかと思ったら……なかなか良い目をした美人ではありませんか」
「あ、ありがとうございます……」
「スタイルも良い……。細すぎず、太すぎず、でも発育は十分。女子から女性へと変わりつつある一番美しい時期の体ですわ」
すごいセクハラ発言な気がするけど、それはスルーして私も彼女の体つきを観察してみる。
……うーん、あまり発育していない。
身長も私より低いし、幼児体型とまでは言わないけど中学生くらいに見える。
でも、なんだろう……。
なぜか大人びた雰囲気も感じる……。
今までに会ったことがないタイプの不思議な人だ。
「髪型も素晴らしい! 私の想像していた日本の女性……大和撫子そのものといった感じですわ」
まあ、私の髪型は未だに姫カットだからね。
夏場だから少し短めにはしてるけど、これぞ和風といった髪型だ。
老けて見えるとか重く見えるとか言われ放題の髪型を褒めてくれるのは嬉しい。
というか、私の容姿に関することをすべて褒めてくれるこの子は何者なんだ!?
「あのぉ、ぜひお名前を教えていただきたいのですが……」
「あらあら! 私ったら自己紹介を忘れていましたわね。これは失礼致しました」
赤髪の子は手でツインテールをわざとらしく揺らし、じっくりと溜めを作った後……口を開いた。
「私の名は紅花! 紅花・ヴァイオレットと申しますの!」
ヴァイオレット……外国の人なんだ。
確かに立ち振る舞いや見た目から外国感はあふれ出してるけど……!
「そして、こちらの子が双子の妹の藍花・ヴァイオレットですわ! ほら、ご挨拶なさいな!」
椅子に座ってもう随分冷めているであろう紅茶をすすっていた青い髪の子は、いきなり名前を出されてビクッと震えた。
この子も紅花と同じくらいの身長だけど、スタイルは……良いね!
フリフリのドレスと猫背のせいで見えにくかったけど、胸は大きいし腰は細い。
腰の方にはやっぱりコルセットとか着けているのかな?
紅花もそうだけど、グッと引き締まった腰にはなかなか色気がある。
苦しそうだし自分が着けるのは絶対に嫌だけどね!
「は、はじめまして、マキナ……」
かなりの間を開けた後、藍花はボソッとそう言った。
私に興味がないというより、極度の人見知りに見える。
目を合わせてはくれないし、ずっとカップに入った紅茶を見つめている。
やはり、話は紅花から聞くしかないか……。
私が彼女の方に視線を戻すと、私の目の前に1つの封筒が突きつけられていた。
それも派手な装飾が施された高そうな封筒だ!
「今回この首都第七マシンベースにお邪魔した理由は2つ! 1つはミス・マキナをこの目で見てみたかったこと! そしてもう1つは……この招待状をお渡しすることですわ!」
渡された封筒には私の名前と紅花と藍花の名前、そして『ヴァイオレット社』と書かれていた。
ヴァイオレット社って……彼女たちの会社ってこと?
「あの、これは……」
「これで目的は果たせましたわ! 申し訳ありませんが私たちは多忙ゆえ、この辺で失礼させていただきます! 必要な情報はすべてその招待状に記されておりますので、ぜひご一読くださいな」
有無を言わせぬ迫力……!
紅花はメイドさんたちに『撤収!』と声をかけ、広げられていたティーセットがどんどん片付けられていく。
そんな中、スピードについていけないのは藍花で、まだ飲み切っていないカップを手におろおろしている。
双子の姉妹って話だけど、まったく似ていない……。
むしろ、ここまで正反対になるのは双子ゆえなのかな?
ありとあらゆる疑問を残したまま、紅花と藍花は嵐のように去っていった。
「……結局何だったの!?」
その答えはこの招待状の中にある!
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