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終章
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4話と5話逆でした。申し訳ありませんが、リアルタイムで読んでいた方は4話にお戻りください。
「たしかに私はそこの女、ロザリーの義姉です」
プリシラがロザリーの姉を肯定すると、民衆たちの間にざわめきが駆け巡る。
「──ですが」
そこで言葉を切る。
「皆さんも新聞を読んだでしょう? 私の告発を。
……私は腐ってもメディチ家の一員です。妹と婚約者、そして家族の罪を、私は負わなければならないと思いました。だから私はここに来ました」
「な、何を言っているんだ?」
「何言ってるのよ! 私何もしてないわ!」
ダミアンとヨハネスが戸惑いの声を上げる。ロザリーに至っては、知らない振りだ。
「……皆さんもご存じの通り、メディチ家は十数年前までは、四大公爵家でありながら、資金繰りに困るような没落貴族でしたわ。でも、父……いえ、ダグラスが家督を継いでから、商業を成功させ、メディチ家は元の国内有数の貴族に返り咲きました。でも、たった十数年で、それが出来たのはなぜだと思いますか?」
プリシラは庭に進んで、花を引きちぎると薄ら笑いを浮かべて言い放った。
「理由は、これです」
「……ただの花ではないか」
ダミアンが言う。
「そうですね。これは一見するとただの花……ですが聞いたことはありませんか? 麻薬になると呼ばれる花を。……この屋敷に植えてある花は、全てケシの花ですわ」
「だが、父上は医療用の物だと……。それに証拠がないではないか!」
ダミアンが叫んだ。
「ケシは東洋の花。私たちが知らないのも無理はありません。けれど、ケシの乳液は麻薬の他にも、モルヒネ……痛覚を鈍くする薬にもなりますのよ。
あと、証拠ですか? お兄様も知っているでしょう? ロートリンゲンで最近麻薬が流行っていると……。あれ? おかしいですわね。宗主国で麻薬が流行ったのは10年前、メディチ家が再興したのもちょうど10年前。……なんで時期が被っているのでしょう?」
プリシラがうふふと微笑む。
「メディチ家がロートリンゲンとの交易で財を得たのは有名ですし、麻薬は少量で高く売れますわ。たかが10年程度でメディチ家が再興出来たことを考えると、辻褄が合いますわね」
プリシラの言葉に、ダミアンの顔が蒼白になる。
「父上、母上……」
ダミアンが両親を振り返るが、彼らは唇を噛み締めて地面を見つめていた。この反応で、プリシラの言葉が事実であるか否かは明白だろう。
「……そんな」
ダミアンがうわ言のように呟く。
ロートリンゲンとボナパルトの戦争は、メディチ家の麻薬の密輸が原因だ。プリシラはそれを新聞に記し、民衆へと拡散したのだ。
そして、戦争の原因となったメディチ家へと、人々が暴動を起こした。
「でも、私は何にも関係ないわよ!」
「そうだ! 私とロザリーは関係ないではないか! 早く解放したまえ!」
ロザリーとヨハネスが叫ぶ。
プリシラは冷たい目で、地面に突っ伏す彼らを見つめた。
「そうですね……この二人は……。金髪の方は王族です。麻薬の密輸に関してメディチ家と王族はグルですわ。メディチ家単体で、一国を相手に麻薬の輸出など出来るわけないでしょう……」
馬鹿な子を見る目付きで、プリシラはヨハネスを睨んだ。
「それに、そちら。ピンクゴールドの髪の方は、魔女ですわ」
「は?」
プリシラの発言に、ダミアンとヨハネスは固まる。途端に、ロザリーはびくびくと震えだした。
プリシラは震えるロザリーを睥睨し、それから貧民街の面子に声をかけた。
「ねぇ、あの子。シャーリーと同じ娼館で働いていたでしょう?」
プリシラが尋ねると、ティムたちは一瞬顔を見合せ、それからコクコクと頷いた。
「ああ、そのピンクゴールドの珍しい髪。君はあの娼館で働いていたロゼだろう? でもたしか、貴族に身請けされたはずじゃあ……」
そこでティムは言葉を切った。何かに気づいたようだ。
「そうよ、ロザリーは……いえ、ロゼは、お父様……ダグラスに身請けされたの。それでメディチ家に引き取られ、私の義妹となったのよ。」
ロザリーは多分ダグラスの実子……つまり、プリシラの異母妹なのだろう。娼婦であったロザリーと父であるダグラスが何かがきっかけで出会い、彼らが親子であると彼らは悟った。そして、ダグラスは貴族の庶子でありながら娼婦に身を落としたロザリーを憐れに思い、メディチ家へと引き取った。プリシラが想像するのはこんな所だ。
「……違うわ。私、魔女なんかじゃない」
ロザリーが呟く。
ここまで証言が揃っていても認めないか。
(……だと思った)
プリシラは男娼たちに振り向くと、準備してと言う。
男たちはプリシラの言葉に頷き、ロザリーに近づくと、彼女の体を撫で回し始めた。
「なっ!?」
ロザリーが悲鳴を上げる。
「魔女じゃないんでしょう? なら、証明すればいいじゃない」
プリシラはきょとんとした顔をロザリーに向けた。
「……」
だが、彼女の返事はない。
ロザリーの体からぐちゃぐちゃという水音がする。顔を見れば、羞恥と怒りで顔が真っ赤になっていた。声を耐えているのか。
(ざまあみろ)
プリシラはロザリーと目があって、にっこりと笑った。
こんな大衆の面前で、あのような仕打ちを受けるなど、プリシラだったら死んでも死にきれない。
まあ、アレは人ではなく魔女だから、プリシラの考えに当てはめるのはおかしいかもしれないが。
女は顔を穢らわしい物を見る目付きで歪め、男は興奮した表情でロザリーを見つめていた。
(気持ちが悪い)
プリシラは鳥肌がたった両腕を抱き締めた。
(けれど、メレニアと同じ男の慰み物にするのもいいかもしれない)
そんな考えがプリシラの頭を過(よぎ)る。だけれどやはり──。
「できました」
ティムの声に、プリシラは思考を中断させる。
「ありがとう」
プリシラはティムににっこりと微笑んだ。
そうしているうちに、ロザリーが地を這って逃げようとするので貧民街の腕っぷしのいい男たちに彼女を四つん這いにさせて拘束する。
「やめろー!!!!」
ヨハネスが叫んでいるような気もするが、彼も男たちに拘束させて、プリシラは棒を探し始めた。
(棒状のもの、棒状のもの……これでいいか)
プリシラは叫ぶヨハネスに近づくと、彼の腰に帯刀してある短剣を引き抜いた。
そしてゆっくりとロザリーに近づいた。
「う、嘘でしょお姉さま。やだやだやだやだお姉さま! お願い! やめて! 謝るから! 許してよ!!!! メレニアのこと怒っているの!? ごめんなさい!!!! グルです!!! お願い!!!! やめてお姉さま!!!! いやぁぁぁぁああああああああ!!!!」
(煩いわね)
ロザリーが身体中を激しく揺らして抵抗するが、男たちに拘束されているためびくりとも動かない。
そして、プリシラはそんなロザリーに近づくと、彼女のドレスをたくしあげ「いやぁぁぁぁあああああああああああ!!!!」と絶叫するロザリーをよそに、彼女の濡れそぼったそこに、短剣の柄を勢いよく突っ込んだ。
「かはっ!!!」
その瞬間、ロザリーがびくびくと震える。
短剣を突っ込んだそこから、彼女の体液がびゅーびゅーと勢いよく流れて、プリシラは手をすぐに引っ込めた。
「きったな」
少しだけ手にひっかかった。プリシラは汚物を擦り付けるように、ロザリーのドレスで手を拭う。
「……」
「ひっくひっくひっく」
「うっうっうっ……」
プリシラがロザリーのドレスで手を拭っている間、周囲は沈黙に包まれた。いや、この表現は少し違う。正確には、ロザリーのすすり泣きと、ヨハネスが地面に顔を擦り付けて嗚咽する、鳴き声だけは聞こえてきた。
「?」
プリシラは体液を拭き取ると、自分の思い描いた周囲の状況とは違う異様な光景に首を捻った。
が、まあいいかと開き直る。
「……見てください、彼女には破瓜の印がありません。これで、魔女確定ですわね」
彼女のそこから赤いものが混じってないのを確認して、プリシラは笑顔で民衆を振り返る。
「……ああ」
ティムが民衆を代表するように、引きつった顔で答える。
「魔女はこの国ではどうするんですっけ?」
プリシラが民衆に笑顔で語りかける。
「……」
「火刑、ですわ」
民衆が口を開かないので、痺れを切らしたプリシラが答えを急いた。
「では、国に仇を為した、宗主国を混乱に陥れたメディチ家の人々は?」
「……」
「考えなくても分かりますわ。火刑」
「では、それに加担した王族は?」
「……」
「火刑ですわ」
「あらあら、今日だけで随分と大罪人が生まれましたね……」
プリシラが恋におちた少女のような、とろけた笑みを浮かべた。だが、すぐに顔を一変させ
「では、皆さん。彼らを拘束してください」
低い声で唸るように告げると、ロザリーたちは民衆たちに拘束された。
「たしかに私はそこの女、ロザリーの義姉です」
プリシラがロザリーの姉を肯定すると、民衆たちの間にざわめきが駆け巡る。
「──ですが」
そこで言葉を切る。
「皆さんも新聞を読んだでしょう? 私の告発を。
……私は腐ってもメディチ家の一員です。妹と婚約者、そして家族の罪を、私は負わなければならないと思いました。だから私はここに来ました」
「な、何を言っているんだ?」
「何言ってるのよ! 私何もしてないわ!」
ダミアンとヨハネスが戸惑いの声を上げる。ロザリーに至っては、知らない振りだ。
「……皆さんもご存じの通り、メディチ家は十数年前までは、四大公爵家でありながら、資金繰りに困るような没落貴族でしたわ。でも、父……いえ、ダグラスが家督を継いでから、商業を成功させ、メディチ家は元の国内有数の貴族に返り咲きました。でも、たった十数年で、それが出来たのはなぜだと思いますか?」
プリシラは庭に進んで、花を引きちぎると薄ら笑いを浮かべて言い放った。
「理由は、これです」
「……ただの花ではないか」
ダミアンが言う。
「そうですね。これは一見するとただの花……ですが聞いたことはありませんか? 麻薬になると呼ばれる花を。……この屋敷に植えてある花は、全てケシの花ですわ」
「だが、父上は医療用の物だと……。それに証拠がないではないか!」
ダミアンが叫んだ。
「ケシは東洋の花。私たちが知らないのも無理はありません。けれど、ケシの乳液は麻薬の他にも、モルヒネ……痛覚を鈍くする薬にもなりますのよ。
あと、証拠ですか? お兄様も知っているでしょう? ロートリンゲンで最近麻薬が流行っていると……。あれ? おかしいですわね。宗主国で麻薬が流行ったのは10年前、メディチ家が再興したのもちょうど10年前。……なんで時期が被っているのでしょう?」
プリシラがうふふと微笑む。
「メディチ家がロートリンゲンとの交易で財を得たのは有名ですし、麻薬は少量で高く売れますわ。たかが10年程度でメディチ家が再興出来たことを考えると、辻褄が合いますわね」
プリシラの言葉に、ダミアンの顔が蒼白になる。
「父上、母上……」
ダミアンが両親を振り返るが、彼らは唇を噛み締めて地面を見つめていた。この反応で、プリシラの言葉が事実であるか否かは明白だろう。
「……そんな」
ダミアンがうわ言のように呟く。
ロートリンゲンとボナパルトの戦争は、メディチ家の麻薬の密輸が原因だ。プリシラはそれを新聞に記し、民衆へと拡散したのだ。
そして、戦争の原因となったメディチ家へと、人々が暴動を起こした。
「でも、私は何にも関係ないわよ!」
「そうだ! 私とロザリーは関係ないではないか! 早く解放したまえ!」
ロザリーとヨハネスが叫ぶ。
プリシラは冷たい目で、地面に突っ伏す彼らを見つめた。
「そうですね……この二人は……。金髪の方は王族です。麻薬の密輸に関してメディチ家と王族はグルですわ。メディチ家単体で、一国を相手に麻薬の輸出など出来るわけないでしょう……」
馬鹿な子を見る目付きで、プリシラはヨハネスを睨んだ。
「それに、そちら。ピンクゴールドの髪の方は、魔女ですわ」
「は?」
プリシラの発言に、ダミアンとヨハネスは固まる。途端に、ロザリーはびくびくと震えだした。
プリシラは震えるロザリーを睥睨し、それから貧民街の面子に声をかけた。
「ねぇ、あの子。シャーリーと同じ娼館で働いていたでしょう?」
プリシラが尋ねると、ティムたちは一瞬顔を見合せ、それからコクコクと頷いた。
「ああ、そのピンクゴールドの珍しい髪。君はあの娼館で働いていたロゼだろう? でもたしか、貴族に身請けされたはずじゃあ……」
そこでティムは言葉を切った。何かに気づいたようだ。
「そうよ、ロザリーは……いえ、ロゼは、お父様……ダグラスに身請けされたの。それでメディチ家に引き取られ、私の義妹となったのよ。」
ロザリーは多分ダグラスの実子……つまり、プリシラの異母妹なのだろう。娼婦であったロザリーと父であるダグラスが何かがきっかけで出会い、彼らが親子であると彼らは悟った。そして、ダグラスは貴族の庶子でありながら娼婦に身を落としたロザリーを憐れに思い、メディチ家へと引き取った。プリシラが想像するのはこんな所だ。
「……違うわ。私、魔女なんかじゃない」
ロザリーが呟く。
ここまで証言が揃っていても認めないか。
(……だと思った)
プリシラは男娼たちに振り向くと、準備してと言う。
男たちはプリシラの言葉に頷き、ロザリーに近づくと、彼女の体を撫で回し始めた。
「なっ!?」
ロザリーが悲鳴を上げる。
「魔女じゃないんでしょう? なら、証明すればいいじゃない」
プリシラはきょとんとした顔をロザリーに向けた。
「……」
だが、彼女の返事はない。
ロザリーの体からぐちゃぐちゃという水音がする。顔を見れば、羞恥と怒りで顔が真っ赤になっていた。声を耐えているのか。
(ざまあみろ)
プリシラはロザリーと目があって、にっこりと笑った。
こんな大衆の面前で、あのような仕打ちを受けるなど、プリシラだったら死んでも死にきれない。
まあ、アレは人ではなく魔女だから、プリシラの考えに当てはめるのはおかしいかもしれないが。
女は顔を穢らわしい物を見る目付きで歪め、男は興奮した表情でロザリーを見つめていた。
(気持ちが悪い)
プリシラは鳥肌がたった両腕を抱き締めた。
(けれど、メレニアと同じ男の慰み物にするのもいいかもしれない)
そんな考えがプリシラの頭を過(よぎ)る。だけれどやはり──。
「できました」
ティムの声に、プリシラは思考を中断させる。
「ありがとう」
プリシラはティムににっこりと微笑んだ。
そうしているうちに、ロザリーが地を這って逃げようとするので貧民街の腕っぷしのいい男たちに彼女を四つん這いにさせて拘束する。
「やめろー!!!!」
ヨハネスが叫んでいるような気もするが、彼も男たちに拘束させて、プリシラは棒を探し始めた。
(棒状のもの、棒状のもの……これでいいか)
プリシラは叫ぶヨハネスに近づくと、彼の腰に帯刀してある短剣を引き抜いた。
そしてゆっくりとロザリーに近づいた。
「う、嘘でしょお姉さま。やだやだやだやだお姉さま! お願い! やめて! 謝るから! 許してよ!!!! メレニアのこと怒っているの!? ごめんなさい!!!! グルです!!! お願い!!!! やめてお姉さま!!!! いやぁぁぁぁああああああああ!!!!」
(煩いわね)
ロザリーが身体中を激しく揺らして抵抗するが、男たちに拘束されているためびくりとも動かない。
そして、プリシラはそんなロザリーに近づくと、彼女のドレスをたくしあげ「いやぁぁぁぁあああああああああああ!!!!」と絶叫するロザリーをよそに、彼女の濡れそぼったそこに、短剣の柄を勢いよく突っ込んだ。
「かはっ!!!」
その瞬間、ロザリーがびくびくと震える。
短剣を突っ込んだそこから、彼女の体液がびゅーびゅーと勢いよく流れて、プリシラは手をすぐに引っ込めた。
「きったな」
少しだけ手にひっかかった。プリシラは汚物を擦り付けるように、ロザリーのドレスで手を拭う。
「……」
「ひっくひっくひっく」
「うっうっうっ……」
プリシラがロザリーのドレスで手を拭っている間、周囲は沈黙に包まれた。いや、この表現は少し違う。正確には、ロザリーのすすり泣きと、ヨハネスが地面に顔を擦り付けて嗚咽する、鳴き声だけは聞こえてきた。
「?」
プリシラは体液を拭き取ると、自分の思い描いた周囲の状況とは違う異様な光景に首を捻った。
が、まあいいかと開き直る。
「……見てください、彼女には破瓜の印がありません。これで、魔女確定ですわね」
彼女のそこから赤いものが混じってないのを確認して、プリシラは笑顔で民衆を振り返る。
「……ああ」
ティムが民衆を代表するように、引きつった顔で答える。
「魔女はこの国ではどうするんですっけ?」
プリシラが民衆に笑顔で語りかける。
「……」
「火刑、ですわ」
民衆が口を開かないので、痺れを切らしたプリシラが答えを急いた。
「では、国に仇を為した、宗主国を混乱に陥れたメディチ家の人々は?」
「……」
「考えなくても分かりますわ。火刑」
「では、それに加担した王族は?」
「……」
「火刑ですわ」
「あらあら、今日だけで随分と大罪人が生まれましたね……」
プリシラが恋におちた少女のような、とろけた笑みを浮かべた。だが、すぐに顔を一変させ
「では、皆さん。彼らを拘束してください」
低い声で唸るように告げると、ロザリーたちは民衆たちに拘束された。
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