美しき妖獣の花嫁となった

デートとか出来たらいいのに

ある日フェリーク様が言った。

「デートとか出来たらいいのに」

「え」

「おれはさ、この家から基本出ちゃダメで山の中すら自由に歩けないでしょ？そういう決まりでここにいるんだから」

「…」

「でも、リーシュとデートとかしてみたかったな」

そんなことを言うフェリーク様に、私は言った。

「じゃあ、おうちデートしましょう！」

「え」

「ほらほら、今日は暑いですからお風呂にお水を張ってプールにしちゃいましょう」

「え、いいの？」

「いいんです！」

ミネットちゃんにお願いしてお風呂にお水を張る。

お義父様のお土産コレクションからそれっぽいものを集めてお風呂をデコレーションして、気分は南国！！！

「ほら、フェリーク様！即席プールです、即席南国ですよ！デートしましょう、遊びましょう！」

「…ふふ、あはははは！さすがリーシュ！発想がすごい！」

「プールに飽きたら今度はリビングをデコって異国ごっこを楽しみましょう！プチ旅行ですよ、フェリーク様！」

「あははははは！！！」

こうしてフェリーク様とおうちデートを思う存分楽しんだ。

フェリーク様の楽しそうな様子を見て大満足。

またフェリーク様が忘れた頃にやろう、そう心に決めた。