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彼女を蔑ろにした人たちの話

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「おれを待ってる間なに話してたの?」

「あー、元家族と元婚約者の話です」

「へー、どうしたって?」

ちょっと気になって聞いてみる。

「みんな私がいなくなって幸せそうにしているみたいですね」

「うわー、薄情な奴ら」

「いっそそこまで徹底されると未練もないから、ある意味楽ですけどねー」

それに、私いま幸せなのでどうでもいいですし。

そんなことを言うリーシュを抱きしめる。

「フェリーク様?」

「そんな風に言ってもらえて嬉しいよ」

「ふふ、ありがとうございます」

「これからもっともっと幸せにするからね」

「にゃーん」

ミネットも私も頑張る!と手を挙げる。

「ふふ、二人ともありがとうございます。もう、幸せすぎてお腹いっぱいですけど…もっともっと幸せになれるなんて、楽しみです」

そう言ってリーシュはおれに抱きつく。

優しく抱きとめるとリーシュにミネットもくっつく。

まさか、おれがこんなにも幸せな家庭を持つことが出来るなんて。

人を喰う妖獣なのに、こんなに素敵な人間のお嫁さんをもらえて。

だからこそ、この幸せが逃げていかないように頑張って繋ぎ止めないと。

「リーシュ、ぎゅーっ」

「ぎゅー」

抱きしめあって、笑い合う。

幸せすぎて、溺れてしまいそうなほどだと言ったらリーシュは笑うだろうか。
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