美しき妖獣の花嫁となった

お風呂に入る

フェリーク様とくだらないお話をあーでもないこーでもないと駄弁っていると、そろそろお風呂に入る時間になる。

「じゃあ一番風呂いただきますね」

「うん、いってらっしゃい」

「にゃーん」

ミネットちゃんが事前にお風呂の準備をしてくれていたのでお湯も着替えもタオルもばっちり。

さらにミネットちゃんは背中を流してくれるようでついてきてくれた。

「にゃーん」

「お願いしまーす」

ミネットちゃんに魔法で頭を洗ってもらう。

ヘッドスパみたいで気持ちいい。

「ミネットちゃん最高」

「にゃーん」

身体も優しく洗ってくれて、さすがに洗顔は自分でするけど至れり尽くせり。

そして湯船に浸かると、入浴剤も入ってて温まるし気持ちいい。

ミネットちゃんを愛でつつゆっくり温まり、最後にもう一度さっとシャワーを浴びるとお風呂を出る。

脱衣所ではミネットちゃんが魔法で身体を丁寧に拭いてくれて、着替えは私一人でもできるシンプルな服なのでささっと着替える。

「にゃーん」

「気持ちいいよぉ」

ミネットちゃんはドライヤーで髪まで乾かしてくれる。ブラシで梳いて貰いながらのそれは心地がいい。

「にゃーん」

「ふふ、ありがとう」

乾いたところで脱衣所を出る。

「あ、リーシュおかえり」

「ただいま戻りました」

「じゃあおれも入ってきちゃうね」

「はい」

「あ、喉乾いたら冷蔵庫のもの飲んでね」

今度はフェリーク様がミネットちゃんと脱衣所へ。

ポカポカした身体で冷蔵庫にあった冷たいミックスオレをもらって整う。

美味しい。

しばらくするとフェリーク様もお風呂から上がってきた。

「おまたせ」

「いえいえ、おかえりなさいませ」

「ただいま」

「にゃーん」

「ミネットちゃん、ありがとうね」

ミネットちゃんを撫でて労わる。

ミネットちゃんは嬉しそうに喉を鳴らす。

「まだ寝るには早いし、少しお話を聞いてもいいかな」

「お話ですか？」

「リーシュがこれまで歩んできた人生を知りたいな」

にっこり笑って言うフェリーク様に悪気は微塵も感じない。

なので夫婦になるのだし知っておいてもらった方がいいかと思い、少々重いお話かもしれませんがと前置きした上で話を始めた。