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実はただの一目惚れ

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「好きだ!婚約してくれ!」

「殿下!だから、それは間違えて飲まれた媚薬の効果です!」

「それでもいいから!」

「私が良くないんです!迷惑です!」

泉の魔女シャルリーヌは困っていた。目の前の男…この国の国王陛下の末の弟のせいである。

「王弟殿下はそもそもなんで媚薬なんて飲んだんですか!買ってもいないのに!」

「料金はその後払った」

「そうだけどそうじゃなくてー!」

「あと、バルテレミーと呼んでくれ」

「いやシンプルに長いから嫌です」

シャルリーヌはもううんざりだった。

「はい!これ!」

「ん?」

「ようやく完成した解毒剤です!さっさと飲んで帰ってください!」

「飲んでも好きなままだったら結婚してくれるか?」

「はいはい、好きになさってください」

バルテレミーはその言葉を聞くとぐびぐび解毒剤を飲んだ。

結果。

「やっぱり好きだ、結婚してくれ」

「え、解毒剤が効かない!?」

「いや、効いた。けど、元々君に一目惚れしていたからな。どうしようもない」

「はぁ!?」

「君を三日月の泉で見つけたあの日、俺は君を愛してしまった。急いで後を追って、魔女の館に入ったら美味しそうなジュースがあって飲んでしまった。それが媚薬だった」

シャルリーヌに嫌な汗が伝う。

「つまり…最初から正気だった…?」

「そうだな」

「私、結婚しなきゃいけない…?」

「そうだな!」

「やだー!!!」

その後なんだかんだで、シャルリーヌはバルテレミーに押し負けて情が移り嫁いだのだとか。
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