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ガビーのぬいぐるみ
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「その後ドリアーヌさんは元気?」
「はい!お母様は皇女殿下のおかげで完治が確認されました!本当にありがとうございます、皇女殿下!」
「えへへ、よかったぁ」
「こちら、お母様からの御礼のお手紙と贈り物です」
「え?そんな、いいのに」
アストリアとドロテとガビーのお茶会。ドロテの持参したお気に入りのキャロットケーキをお茶菓子に仲良く過ごす。ちなみにガビーにはスイカが与えられている。
ドロテの母であるドリアーヌは最初の日こそついてきたものの、今日は侍女にドロテを託して参加していない。子供同士の交流には大人は不要というアタナーズの方針である。
そのかわりというか、御礼の手紙と贈り物をドロテ越しに渡して、アストリアはそれを受け取った。
「でも、手紙はあとでじっくり読むとして…贈り物は気になるなぁ」
「開けても大丈夫ですよ?」
「いいの?じゃあ開けちゃうね」
アストリアはドロテに許可を得て包みを開ける。そこには可愛らしい、ガビーの姿をデフォルメしたぬいぐるみがあった。
「えっ!これガビー!?」
「ふふ、お母様の手作りだそうです」
「え、えー!?可愛い!すごく可愛い!」
はしゃぐアストリアの様子に、ドロテも我が事のように嬉しい。
「そんなに喜んでもらえて嬉しいです。お母様も喜びます」
「えへへ、宝物にするね!ほらガビー、ガビーのぬいぐるみだよ」
ガビーはちらりとぬいぐるみを見て、満足そうになんども頷いた。それを見てアストリアとドロテはさらに喜ぶ。
「ガビーも気に入ったみたいだね!」
「本人も喜んでくれてよかったです!」
きゃっきゃと子供らしくはしゃぐ姿に、様子を見てこいとアタナーズに命令され密かに見守っていたセザールもホッと息を吐く。
「上手くいっているようで、よかった」
そうぽつりと呟くセザールは、ふとガビーと目が合った。
「キュルキュル」
今にもサムズアップしてきそうなガビーに、クスクスと笑いサムズアップを返す。ガビーもそれをみて頷いた。セザールはアタナーズの元に戻り、アストリアとドロテの仲の良い様子を伝えて心配性な主人を安心させた。
「このキャロットケーキ、本当に美味しいね!」
「はい!大のお気に入りです。皇女殿下も気に入ってくださって嬉しいです!」
「ふふ、だって美味しいんだもん」
キャロットケーキを食べて、微笑み合う子供二人。まだ成体ではないが気持ち的には大人の男であるガビーはそれを兄のように見守り、幸せな空間がそこには広がっていた。
「はい!お母様は皇女殿下のおかげで完治が確認されました!本当にありがとうございます、皇女殿下!」
「えへへ、よかったぁ」
「こちら、お母様からの御礼のお手紙と贈り物です」
「え?そんな、いいのに」
アストリアとドロテとガビーのお茶会。ドロテの持参したお気に入りのキャロットケーキをお茶菓子に仲良く過ごす。ちなみにガビーにはスイカが与えられている。
ドロテの母であるドリアーヌは最初の日こそついてきたものの、今日は侍女にドロテを託して参加していない。子供同士の交流には大人は不要というアタナーズの方針である。
そのかわりというか、御礼の手紙と贈り物をドロテ越しに渡して、アストリアはそれを受け取った。
「でも、手紙はあとでじっくり読むとして…贈り物は気になるなぁ」
「開けても大丈夫ですよ?」
「いいの?じゃあ開けちゃうね」
アストリアはドロテに許可を得て包みを開ける。そこには可愛らしい、ガビーの姿をデフォルメしたぬいぐるみがあった。
「えっ!これガビー!?」
「ふふ、お母様の手作りだそうです」
「え、えー!?可愛い!すごく可愛い!」
はしゃぐアストリアの様子に、ドロテも我が事のように嬉しい。
「そんなに喜んでもらえて嬉しいです。お母様も喜びます」
「えへへ、宝物にするね!ほらガビー、ガビーのぬいぐるみだよ」
ガビーはちらりとぬいぐるみを見て、満足そうになんども頷いた。それを見てアストリアとドロテはさらに喜ぶ。
「ガビーも気に入ったみたいだね!」
「本人も喜んでくれてよかったです!」
きゃっきゃと子供らしくはしゃぐ姿に、様子を見てこいとアタナーズに命令され密かに見守っていたセザールもホッと息を吐く。
「上手くいっているようで、よかった」
そうぽつりと呟くセザールは、ふとガビーと目が合った。
「キュルキュル」
今にもサムズアップしてきそうなガビーに、クスクスと笑いサムズアップを返す。ガビーもそれをみて頷いた。セザールはアタナーズの元に戻り、アストリアとドロテの仲の良い様子を伝えて心配性な主人を安心させた。
「このキャロットケーキ、本当に美味しいね!」
「はい!大のお気に入りです。皇女殿下も気に入ってくださって嬉しいです!」
「ふふ、だって美味しいんだもん」
キャロットケーキを食べて、微笑み合う子供二人。まだ成体ではないが気持ち的には大人の男であるガビーはそれを兄のように見守り、幸せな空間がそこには広がっていた。
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