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ロマン飯カレー

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今日は山頂鳥の依頼のおかげで仕事はせずとも済むのでまだまだ遥か遠い愛しの孤児院を目指してひたすら移動。途中の村で朝とお昼食べて、それ以外はひたすら移動。リオルは疲れて馬車の中で眠ったり、起きたら今度は元気に夢の中の話をしてくる。乗り合い馬車の他の人達はそんなリオルに笑顔を向けてくれた。

そして夕方。今日の移動最後にたどり着いた村で宿を探して、ちょっと高めだが安全な宿を確保。安宿は空いていなかった。

今日の宿はちょっと洒落たレストラン併設なのでそこで食事。リオルはこの頃にはすっかりお腹を空かしていたので待ってましたとメニューを開く。

「リリアー!全部美味しそうなのじゃー!誰にするか迷うのじゃー!」

「そうねぇ。名物料理とかないのかしら」

「でしたらロマン飯カレーがおすすめですよー」

通り掛かりの店員さんに話しかけられる。メニューを見れば、巨大な肉の乗ったカレーの絵。

「この肉は?」

「豚バラ肉ですー!野菜は玉ねぎと人参とじゃがいもくらいで、巨大な肉を贅沢に食べられますよー」

「なるほどね。ロマンの詰まったご飯ね」

「店長自慢のロマン飯です!」

「リリアー」

リオルが期待のこもった瞳で見つめてくる。食べきれるか不安だが仕方がない。

「果実水とロマン飯カレー二人分」

「承りましたー」

ということで運ばれてきたロマン飯カレー。メニューに違わず大きな肉。そして大きなじゃがいも。申し訳程度の人参と玉ねぎ。

「おおー!まさにロマンなのじゃー!」

「いただきます」

「いただきますなのじゃー!」

「とりあえずカレーのかかったライスから…あら、このカレー美味しい」

甘口カレーらしい。食べやすい。思ったよりも匙がどんどん進む。

「お肉ほろほろなのじゃー!いくらでも食べられるのじゃー!」

「じゃがいももいいわね…ほくほく。カレーと合うわ。ああでも、やっぱりこのほろほろのお肉は魅力的ね」

「申し訳程度の人参もこれはこれで美味しいのじゃ!玉ねぎもええのう!」

「ロマン飯…名前に違わぬ美味しさだわ。まさにロマンの詰まったご飯ね」

「これ明日も食べたいのじゃ!朝食べてから出掛けるのじゃー!」

「ごめんねー、ロマン飯カレーは夜だけなんだー」

通り掛かりの店員さんに謝られる。リオルは絶望感の溢れる表情。焦った店員さんが早口で言う。

「けどその代わり、朝はめっちゃ美味いタマゴサンドが売ってるから!お持ち帰り出来るから!」

「めっちゃ美味いのかの?」

「めっちゃ美味いよ!」

「なら朝食べてから持ち帰りも買うのじゃー!」

ご機嫌になるリオルに店員さんは笑顔で去っていく。いい人だな。

翌朝、めっちゃ美味いと評判のタマゴサンドを案の定リオルが気に入り大量に買ってお昼も食べまくることになった。美味しかったから別にいいけど加減ってものがあるよね。
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