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三色丼
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今日は山頂鳥の卵の収穫の依頼を受けた。
山頂鳥は高い山の天辺で集団で子育てをする。助け合いながら餌を取ったり天敵を追い払い子供を育てる。そして雛たちの巣立ちの時期を迎えると一転して群れるのを嫌うようになる不思議な鳥だ。
そしてもう一つ不思議な特徴がある。何故か知らないが、必ず一羽の親鳥につき一つずつ金の卵を産むのだ。それも無精卵。中まで金がたっぷり。全部金。夢のような光景である。今回の依頼はそれを取ってくること。
しかしまあ当然ながら山頂鳥は我が子を守るため必死なので危ない。私は結界と防御魔法を魔力回復ポーションを飲み干しつつ限界まで重ね掛けした上で、風魔法で山頂まで飛び金の卵だけを光魔法で回収する。
山頂鳥は無精卵とはいえ大切な卵を盗まれて大激怒。めちゃくちゃに怒って追いかけてくるのでこちらも魔力回復ポーションを飲んでブースト全開で風魔法を使って地上に向かう。
地上に着いた頃には追いつかなかったのだろう、山頂鳥は見えなかったので今のうちにギルドに向かう。依頼主に金の卵(籠いっぱい)を渡して依頼料を受け取る。危ない任務な上に金の卵の収穫なので依頼料は弾む。しばらくは孤児院への仕送りと貯金と生活費が潤うこと間違いない。
ほくほくで宿に帰ると、いつも通りリオルが笑顔で出迎えてくれる。
「ただいま、リオル。お待たせ」
「リリア、おかえりなさいなのじゃー!駄菓子屋の近くにの、三色丼のお店を見つけたのじゃ!三色丼って何かの?」
わくわくした顔のリオルに説明する。
「ひき肉のそぼろと卵のそぼろのそぼろ丼よ。あとは野菜とか刻み海苔とかを乗せて、で、三色丼。イメージ出来た?」
「んー。とりあえず美味しそうなのじゃー!」
「じゃあ今日はそれにしましょう」
二人で手を繋いでそのお店に行く。こじんまりとしたお店だが客は満員。運良くテーブル席がひとつだけ空いていたのでリオルと座る。
「いらっしゃいませー」
「果実水二人分と三色丼二人分」
「しゃけフレークの三色丼にしますか?豚ひき肉の三色丼にしますか?」
「しゃけフレーク?」
「しゃけの身をほぐしたものと、いくらと、卵そぼろの三色丼です。豚ひき肉の三色丼は豚ひき肉、卵、ほうれん草ですね」
「海鮮三色丼ってわけね…迷うわ…」
「じゃあ、わしが豚ひき肉にするからリリアはしゃけフレークにするのじゃー!一口…二口…三口あげるのじゃー!」
「なら私も三口あげるわ。…それでお願い」
「かしこまりましたー」
そして海鮮三色丼と豚ひき肉の三色丼が運ばれる。海鮮三色丼はいくらが溢れるほど乗っていて豪華。豚ひき肉の三色丼も大盛りでたくさん食べられそう。
「いただきます」
「いただきますなのじゃー!」
まずはいくらを一口。うん、美味しい。
「この独特の食感がたまらないわ」
「豚ひき肉美味しいのじゃー!」
次にリオルに豚ひき肉を一口もらう。
「ん、この味付けいいわね」
「しゃけフレーク美味しいのじゃー!」
「いくらも食べてみなさい」
「んー!いくらプチプチするのじゃー!味も食感も面白いのじゃー!」
「卵も甘くて美味しいわ。醤油をかけると最高ね」
「お野菜も美味しいのじゃー!」
完食して、ご馳走さまをしてお代を支払って店を出る。そういえば二人で違うものを注文して分け合うのはこれが初めてだったかな?こういうのも楽しいなと思う。
山頂鳥は高い山の天辺で集団で子育てをする。助け合いながら餌を取ったり天敵を追い払い子供を育てる。そして雛たちの巣立ちの時期を迎えると一転して群れるのを嫌うようになる不思議な鳥だ。
そしてもう一つ不思議な特徴がある。何故か知らないが、必ず一羽の親鳥につき一つずつ金の卵を産むのだ。それも無精卵。中まで金がたっぷり。全部金。夢のような光景である。今回の依頼はそれを取ってくること。
しかしまあ当然ながら山頂鳥は我が子を守るため必死なので危ない。私は結界と防御魔法を魔力回復ポーションを飲み干しつつ限界まで重ね掛けした上で、風魔法で山頂まで飛び金の卵だけを光魔法で回収する。
山頂鳥は無精卵とはいえ大切な卵を盗まれて大激怒。めちゃくちゃに怒って追いかけてくるのでこちらも魔力回復ポーションを飲んでブースト全開で風魔法を使って地上に向かう。
地上に着いた頃には追いつかなかったのだろう、山頂鳥は見えなかったので今のうちにギルドに向かう。依頼主に金の卵(籠いっぱい)を渡して依頼料を受け取る。危ない任務な上に金の卵の収穫なので依頼料は弾む。しばらくは孤児院への仕送りと貯金と生活費が潤うこと間違いない。
ほくほくで宿に帰ると、いつも通りリオルが笑顔で出迎えてくれる。
「ただいま、リオル。お待たせ」
「リリア、おかえりなさいなのじゃー!駄菓子屋の近くにの、三色丼のお店を見つけたのじゃ!三色丼って何かの?」
わくわくした顔のリオルに説明する。
「ひき肉のそぼろと卵のそぼろのそぼろ丼よ。あとは野菜とか刻み海苔とかを乗せて、で、三色丼。イメージ出来た?」
「んー。とりあえず美味しそうなのじゃー!」
「じゃあ今日はそれにしましょう」
二人で手を繋いでそのお店に行く。こじんまりとしたお店だが客は満員。運良くテーブル席がひとつだけ空いていたのでリオルと座る。
「いらっしゃいませー」
「果実水二人分と三色丼二人分」
「しゃけフレークの三色丼にしますか?豚ひき肉の三色丼にしますか?」
「しゃけフレーク?」
「しゃけの身をほぐしたものと、いくらと、卵そぼろの三色丼です。豚ひき肉の三色丼は豚ひき肉、卵、ほうれん草ですね」
「海鮮三色丼ってわけね…迷うわ…」
「じゃあ、わしが豚ひき肉にするからリリアはしゃけフレークにするのじゃー!一口…二口…三口あげるのじゃー!」
「なら私も三口あげるわ。…それでお願い」
「かしこまりましたー」
そして海鮮三色丼と豚ひき肉の三色丼が運ばれる。海鮮三色丼はいくらが溢れるほど乗っていて豪華。豚ひき肉の三色丼も大盛りでたくさん食べられそう。
「いただきます」
「いただきますなのじゃー!」
まずはいくらを一口。うん、美味しい。
「この独特の食感がたまらないわ」
「豚ひき肉美味しいのじゃー!」
次にリオルに豚ひき肉を一口もらう。
「ん、この味付けいいわね」
「しゃけフレーク美味しいのじゃー!」
「いくらも食べてみなさい」
「んー!いくらプチプチするのじゃー!味も食感も面白いのじゃー!」
「卵も甘くて美味しいわ。醤油をかけると最高ね」
「お野菜も美味しいのじゃー!」
完食して、ご馳走さまをしてお代を支払って店を出る。そういえば二人で違うものを注文して分け合うのはこれが初めてだったかな?こういうのも楽しいなと思う。
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