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刺身の定食

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今日は港町まで来ている。丁度超大型のクラーケン討伐の依頼があったため、いつも通り一人で受けて一人で討伐した。動きを封じ込めるのに手間取ったが、拘束してしまえば宙に浮かせての雷の超大型魔法で一撃だった。高い依頼料を一人で受け取る。有難い。

さて、今日も今日とてリオルに美味しいものを食べさせてあげたい。せっかく港町まで来たなら、やはり海の幸。特にリオルにとっては新鮮に映るだろう。

リオルと手を繋いで港町を歩く。丁度良い感じのお食事処を発見。中に入る。

「いらっしゃいませー!」

「あらー、僕ちゃん、お姉ちゃんと一緒にいいねぇ」

「そうなのじゃ!リリアはとっても優しいのじゃ!」

胸を張るリオル。可愛い。

「リオル、何が食べたい?あ、果実水二人分お願いします」

「はい、どうぞー」

「優しいお姉ちゃんに免じて、果実水はただにしてあげるわねー」

「ありがとうございます」

「ありがとうなのじゃー!」

「リオル、何が食べたい?」

リオルにメニュー表を渡す。

「何がいいかの?」

「せっかくなら海の幸を堪能して欲しいわね」

「海の幸?」

「お魚や貝なんかよ」

「リリアは何にするのじゃ?」

「お刺身定食よ」

「わしもお刺身定食にするのじゃー」

注文が決まったため店員のおばあちゃん達に声をかける。

「お刺身定食二人前お願い」

「お刺身定食二人前入りましたー!」

「僕、よかったわね。今日は特にマグロが美味しいのよ」

「マグロなのじゃ?」

「あら、もしかして内陸からの観光?美味しいお魚なのよ」

「その通り、内陸から来たのじゃ。美味しいなら楽しみにしてるのじゃ」

「ええ、ええ。すぐに出来るから待っててね、僕ちゃん」

良い雰囲気の店だなとしみじみ思う。ここにして正解ね。

「はい、お刺身定食二人前ー」

「ありがとうなのじゃー」

「ありがとうございます、いただきます」

「いただきますなのじゃ!」

「はいはい召し上がれー」

厚みがあるお刺身をわさび醤油につけて食べる。リオルも私の食べ方を見て見よう見まねで醤油をつけて食べる。リオルの表情は一瞬にして変わった。

「んー、これ美味しいのじゃー!」

「良いマグロね。美味しいわ」

「そうでしょうそうでしょう。もう、お姉さんも僕ちゃんも可愛いわね!」

「リリア、これ、これがマグロなのじゃ!すごいのじゃ!ライスが進むのじゃ!」

「スープも美味しいわよ」

「むむ。…本当に美味しいのじゃ!」

「味噌スープというの。味噌という調味料を使っているのよ。わかめと豆腐のシンプルな具がいいわね」

「味噌スープ大好きなのじゃー!」

「もう、本当に可愛いわね!味噌スープのおかわりする?おばあちゃんの奢りにしてあげるわよ」

「お嬢さん、ありがとうなのじゃー!」

「まあ!お嬢さんだなんてお上手ね!はい、おかわり」

「んー、しみるのじゃー」

「染み渡るわね」

「お姉さんもおかわり、いっとく?」

「お願い」

「はいはい」

そんなこんなで店を出る頃には二人とも大満足。

「ありがとう、御馳走さま」

「ありがとうなのじゃー!」

「はい、またいつでも寄ってねー。まいどありー」

「リオル、よかったわね」

「うん、なのじゃー」

今日も今日とてお腹いっぱい幸せになったリオルでした。もちろん私もね。
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