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ルナのお勉強会

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あれから家に帰るとすぐにターンお兄様にお守りの紐が切れたことを報告して、新しいお守りを貰った。

なんだか今日は、お父様やお母様だけでなく、割と厳しいお爺様や私を嫌っているはずのお兄様方までなぜか私を過保護なほどに心配してくれている。…えーっと、お兄様攻略成功の兆しかしら?なにが理由で?



まあ、考えても仕方がない。寝よう。

ー…

グッドモーニング!朝よ!家族と食事をすると、早速勉強道具一式を持って、シンシアと一緒にルナのところへ馬車を走らせる。もちろんお土産のお菓子を持って。

「へ、ヘキサグラム様、ようこそいらっしゃいました」

「悪いけど、今日からはルナの部屋に入れさせて貰うわよ」

「…は、はい」

「ナタリア様!」

「ルナ。おはよう」

「おはようございます!」

「早速貴女の部屋に案内してちょうだい」

「はい、ナタリア様!」

そうして向かった部屋は…明らかに使用人用の小さな部屋で、中にもベッドとタンスと机と椅子くらいしかなかった。

「…男爵、覚えてなさいよ」

「?ナタリア様?」

「じゃあ早速お勉強よ。勉強道具一式は持ってきたから、椅子に座って机に向かいなさい。頑張ったら、ご褒美のお菓子があるわよ」

「はい、ナタリア様!」

二人で椅子に座って勉強をする。…といっても、ルナは屋敷内の書庫で独学で色々勉強していたようで、地頭も良いらしく、一応年齢相応の知識くらいは持っていた。これは鍛え甲斐があるわ。

ということでルナには私達の年齢で習うには少し早めの分野の知識を叩き込むことにした。私は、私が王太子妃教育を受けていた時のことを思い出しながら、厳しく、けれど褒めるところは褒めてルナに教えこむ。ルナはそれをスルスルと吸収していく。やだ、この娘天才なんじゃないの?私なんて前の時間軸ではこの歳の時なんて出来損ない扱いだったのに。めちゃくちゃ頑張ってなんとか学園に入学する頃に王太子妃教育を終えたくらいなのに。なんか悔しい。

…と、部屋のドアがノックされる。

「入りなさい」

「失礼致します。昼食のお時間ですので、ヘキサグラム様と侍女様とお嬢様の分のお食事をお持ちしました」

やだ、ルナが優秀な上にやる気があるからつい頑張らせ過ぎちゃったわ。

「ありがとう。頂くわ」

「では、一旦休憩にしましょうか、ナタリアお嬢様、ルナ様」

「はい」

小さな机に、ぎゅうぎゅうに三人分の食事を乗せて一緒に食べる。…うーん、うちの食事と比べると味は落ちるけど…まあ、美味しい方よね。

「わあ、美味しいです」

「美味しいですね」

まあ、二人が満足ならいいわ。

そして食べ終える頃に使用人が片付けに来てくれたのでまたお勉強を再開した。

三時になって教会の鐘がなると、私達はおやつタイムに突入した。意外と話は盛り上がった。といっても、好きな花とか、そんなことでだけど。

そして、その後もう少しお勉強をしてから私達は家に帰った。今日はお守りは無事だった。なんでだろう?
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