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西の魔女

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西の魔女。悠久の時を生きる彼女は、刹那の快楽を求める性格破綻者だ。綺麗に生きるには、あまりにも長い年月を生き過ぎた。

そんな彼女は、ヴィンデンブリューテがまだ四歳の幼い日に彼女に目をつけた。周囲からの期待の眼差し。それに見合うだけの能力。そして何より本人の周囲からの期待に応えたいという強い想い。ちょっかいをかけてやったらどれだけ面白い見世物になるだろうか?

西の魔女は早速ヴィンデンブリューテの父にコンタクトを取る。絶世の美女と評判の自分からのお誘いに乗らない男はいないと自負していた西の魔女は、しかしヴィンデンブリューテの父からお断りの手紙を貰ってしまった。

西の魔女は怒った。自分の誘いを受けないどころか、妻と子供たちが大切だからなどと綺麗事を書き連ねるヴィンデンブリューテの父が気に入らない。

西の魔女はヴィンデンブリューテの父の持つ領地に魔法を使う。雑草ばかりが生えて、農作物が枯れ果てるように。

西の魔女の復讐は成功したかに思えた。領民達は困り果て、ヴィンデンブリューテの父も頭を悩ませていたから。土下座して謝り、自分に生涯尽くすなら許してやってもいいと思っていた。

ところが、ヴィンデンブリューテの誕生日、ヴィンデンブリューテは植物を自在に操る能力をギフトとして受け取ってしまった。そしてその力で農作物を復活させた。この日から、西の魔女はヴィンデンブリューテを目の敵にし始めた。

西の魔女は魔法の力でヴィンデンブリューテの婚約者であるディステルの性格を悪い方に矯正した。傲慢で能無し、その上自分より弱い立場の人間に当たり散らす、そんな人間に。そしてヴィンデンブリューテがディステルに悩まされているのを水晶玉越しに見て腹を抱えて笑っていた。

ヴィンデンブリューテが十八歳になった時、西の魔女はさらにヴィンデンブリューテを追い込んでやろうとネルケという少女を貴族学園に送り込んだ。作戦は上手くいった。ヴィンデンブリューテは婚約者や弟、他数人の貴公子に疎まれ貴族学園を追い出された。ざまぁみろと腹を抱えて笑う西の魔女。

しかし、ヴィンデンブリューテはギフトを駆使して領地経営を軌道に乗せた。クロクスという恋人まで出来て、婚約者にまでなってしまった。こんなはずではなかったのに、ヴィンデンブリューテはどんどん幸せになっていく。

西の魔女はそれが許せず、ついに呪いに手を出した。ヴィンデンブリューテに魔法で蠱毒を仕込む。これで今度こそヴィンデンブリューテは終わりだと思い、勝利の美酒に酔いしれた。しかし、ヴィンデンブリューテを大切に守るクロクスが目敏く見つけ、剣で念入りに呪いの蟲を殺す。西の魔女は呪い返しを受けて苦しむ。死ねない身体に、何度も死ぬほどの呪いが浴びせられた。気が狂いそうな苦痛なのに、魔女であるため狂うことさえ出来ない。彼女は今後二百年、長い長い時間を呪い返しに苦しめられることになった。
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感想 4

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みんなの感想(4件)

tago
2021.07.23 tago

クロクスGJ!👍✨
西の魔女ざまぁw
まさに人を呪わば穴二つだな🤣

下菊みこと
2021.07.26 下菊みこと

感想ありがとうございます!因果応報ですね!

解除
penpen
2021.07.23 penpen

西の魔女はクロクスの手により自業自得となった(≧∀≦)

下菊みこと
2021.07.23 下菊みこと

クロクス有能ですね!感想ありがとうございました!

解除
tago
2021.06.12 tago

ネルケより西の魔女の方がざまぁもされてないし胸糞だな…

下菊みこと
2021.06.12 下菊みこと

感想ありがとうございます。確かにそうですね。書けたら書き足したいなと思います。いつになるかわからないですが。読んでくださってありがとうございました!

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