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皇帝陛下の愛娘は婚約者と対等な関係を目指したい
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ニコラは、リリアージュの侍従を外された。婚約者となったので当たり前である。その代わり、皇配教育を受けることになった。忙しくなったが、その中でもリリアージュとの時間を大切にしている。
そんなニコラが大好きなリリアージュだが、一つだけ不満が出来た。もう侍従ではなくなった。婚約者になった。皇配教育も受けている。それなのにニコラは敬語を外してくれないのだ。
それは、女帝と皇配となるわけだし、ある程度は仕方ないが…公的な場ではともかく私的な場ではいつかのデートの時のように呼び捨てにして敬語を外してくれても良いのではないだろうか?
…ちょっとだけ寂しいのだ。自分にだけ敬語を使われるというのは。
リリアージュは、ニコラと出来る限り対等な関係を目指したい。
それは、確かにリリアージュとニコラのどちらの命を取るかとなったらリリアージュ自身を優先しなければならない。ニコラと国のどちらを取るかとなったら、国を優先しなければならない。それでも、リリアージュにとってニコラは唯一の配偶者となる訳だし、やっぱり〝普通に〟仲良くしたいのだ。
ということをリリアージュはぐーるぐると一人で考えていた。が、ニコラがリリアージュの変化に気付いた。
「リリアージュ様、どうかされましたか?」
「ニコラ。あのね」
「はい」
リリアージュはなかなか言い出せない。しばらく沈黙が続いた。そんな中でリリアージュは重い口を開いた。
「…私、やっぱりニコラとは対等な関係でありたい」
「はい」
「だから、前のデートの時みたいに敬語をやめて呼び捨てにして欲しいの」
リリアージュが意を決してそういうと、ニコラは微笑んで言った。
「リリアージュ様がそうおっしゃるのなら、喜んで。…ああ、ではなく。リリアージュがその方が良いなら、僕は喜んで呼び捨てにさせてもらうよ。これで良いかな?」
「!ニコラ、ありがとう!嬉しい!」
「僕の方こそありがとう、リリアージュ。リリアージュの方からそう言ってくれて嬉しいよ」
喜びが溢れて、思わず抱きついたリリアージュを軽々受け止めるニコラは本当に嬉しそうに笑った。
シモンとラウル、エミリアとレオノールは「はいはい、ご馳走さま」とニコラにだけ分かるように口パクで言った。ニコラに抱きつくリリアージュは気付かないが、ニコラは勝ち誇るようにドヤ顔を決めている。結構良い性格をしているニコラに呆れ返る面々を他所に、リリアージュは幸せを噛み締めていた。
そんなニコラが大好きなリリアージュだが、一つだけ不満が出来た。もう侍従ではなくなった。婚約者になった。皇配教育も受けている。それなのにニコラは敬語を外してくれないのだ。
それは、女帝と皇配となるわけだし、ある程度は仕方ないが…公的な場ではともかく私的な場ではいつかのデートの時のように呼び捨てにして敬語を外してくれても良いのではないだろうか?
…ちょっとだけ寂しいのだ。自分にだけ敬語を使われるというのは。
リリアージュは、ニコラと出来る限り対等な関係を目指したい。
それは、確かにリリアージュとニコラのどちらの命を取るかとなったらリリアージュ自身を優先しなければならない。ニコラと国のどちらを取るかとなったら、国を優先しなければならない。それでも、リリアージュにとってニコラは唯一の配偶者となる訳だし、やっぱり〝普通に〟仲良くしたいのだ。
ということをリリアージュはぐーるぐると一人で考えていた。が、ニコラがリリアージュの変化に気付いた。
「リリアージュ様、どうかされましたか?」
「ニコラ。あのね」
「はい」
リリアージュはなかなか言い出せない。しばらく沈黙が続いた。そんな中でリリアージュは重い口を開いた。
「…私、やっぱりニコラとは対等な関係でありたい」
「はい」
「だから、前のデートの時みたいに敬語をやめて呼び捨てにして欲しいの」
リリアージュが意を決してそういうと、ニコラは微笑んで言った。
「リリアージュ様がそうおっしゃるのなら、喜んで。…ああ、ではなく。リリアージュがその方が良いなら、僕は喜んで呼び捨てにさせてもらうよ。これで良いかな?」
「!ニコラ、ありがとう!嬉しい!」
「僕の方こそありがとう、リリアージュ。リリアージュの方からそう言ってくれて嬉しいよ」
喜びが溢れて、思わず抱きついたリリアージュを軽々受け止めるニコラは本当に嬉しそうに笑った。
シモンとラウル、エミリアとレオノールは「はいはい、ご馳走さま」とニコラにだけ分かるように口パクで言った。ニコラに抱きつくリリアージュは気付かないが、ニコラは勝ち誇るようにドヤ顔を決めている。結構良い性格をしているニコラに呆れ返る面々を他所に、リリアージュは幸せを噛み締めていた。
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