詩集

下菊みこと

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偶然という奇跡

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人は全てを失うことを恐れ
優しさを忘れた

人は希望を失うことに慣れ
絶望を知った

人は死後の世界に安楽を求め
堕落し生への執着を捨てた

人は現実を見ることに疲れ
夢の中に溺れていった

そこにはきっと、正解なんてない
あるのはきっと、後悔だけだ

だからこそ、運命に身を任せる
運命だったんだ
その言い訳が正当化されるまで
何度だって、運命に逃げる

この世が必然で出来ていると言うのなら
偶然という奇跡に、もう一度希望を託してみるのも悪くないと思わない?

だって、ほら

僕らは電子の海の彼方より
こうやって出会えたのだから

全てを失うことを恐れるなら
僕が手を繋いで歩くから

希望を失うことに慣れたなら
僕が新たな希望を捧げるから

死後の世界に安楽を求めるなら
僕がこの世界のきらきらしたものを見せてみせるから

現実を見ることに疲れたなら
僕が現実にだっていくらでも魔法があるって証明してあげるから

涙が溢れて止まらない
自分の首を自分で締める
そんなあなたにだって、生きる価値はあるんだよ

こうして僕と出会えたこと
それを生きる意味にして欲しい

ただ、生きる
それだけで人間には価値がある

どうかそれだけは、覚えていて欲しい
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