至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます

下菊みこと

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お泊りです!

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ご機嫌よう。マルゲリット・アルカンシエルです。箱庭でシミュレーション訓練を終えて、今はコントラお爺さんとソルセルリーの用意してくれた晩ご飯を食べるところです!

今日の晩ご飯はグラタン!やったー!

「わあい!美味しそう!」

「あはははは!お嬢さん、食べるのが好きだなぁ」

「こいつは川魚でも美味しく頂ける奴だからな」

「?川魚美味しかったよ?こういうご飯も好きだけど!」

「あはははは!お嬢さん、最高!」

もう!コントラお爺さんはそんなに笑うことないじゃない!

「…もー、コントラお爺さん?」

「ご、ごめんごめん!ほら、食べて食べて」

「!わーい!いただきまーす!」

うーん、美味しい!

「美味しい!グラタンってこんなに美味しかったっけ?」

「お嬢さん、そんなにうちの料理が気に入ったならまたおいで。いつでも待ってるからさ」

「…」

ソルセルリーが無言でコントラお爺さんの頭を叩く。

「いってぇ!何すんだよ!」

「じじいのくせにナンパすんな」

「お前もじじいだろ!ナンパじゃないし!」

「ふん」

…ソルセルリーって意外と過保護?

「ふ、ふふ、あはははは!」

「?お嬢さん?」

「なんだ急に」

「いやだって…っソルセルリーって意外と過保護なのかなって!」

私の言葉に目を真ん丸にする二人。その直後、コントラお爺さんは大爆笑。ソルセルリーは不機嫌になります。

「…そんなんじゃない」

「いやそんなんだろ!あはははは!お嬢さんグッジョブ!」

コントラお爺さんと私が笑うのに対して、ソルセルリーはどんどん不機嫌になっていく。

「ふふ、ソルセルリー、ごめんなさい!」

「あはははは!ごめんごめん!ごめんなソルセルリー!」

「…いい加減にしろよ?」

ソルセルリーの背景に龍が見える。おこだね。

「拳骨百回と若返りの薬草どっちがいい?」

「…ごめんなさい」

「俺もごめんっ!」

「…ふん」

「ほらほら、それより食べようぜ!」

こうして楽しい食事の時間は過ぎていきました。

ー…

「じゃあお言葉に甘えて一番風呂頂きます!」

「どうぞ」

久しぶりのお風呂!いつも川で水浴びだったから嬉しいです!

「んー、気持ちいい!」

はー、極楽極楽。

「今日はゆっくり休んで、明日からまた頑張るぞー」

おー!と自分に気合いを入れてお風呂を堪能する。

ー…

「お風呂上がったよー」

「ん。俺も入ってくる」

「いってらっしゃい」

「ゆっくりしてこいよ」

「ん。…お前は先に部屋で寝てろ」

「はーい!おやすみなさい!」

「おやすみ」

「ん。おやすみ」

私はソルセルリーの言う通りに先に部屋で寝ます。

「ベッドふかふかー。気持ちいい!」

ずっと野宿だったから嬉しい。ふかふかのお布団に沈み込むみたい。

「はー、幸せー」

毎日頑張ってきたご褒美みたい。

「ずっとこうしてたいなぁ」

…でも。

「私が、頑張らないと」

魔王征伐なんて言い出したのは私だし、姉姫さまやノル、パパや国民達も守りたい。

「今はとにかくゆっくり休んで、明日から頑張るんだ」

やばい、もううとうとしてきた。

「ううん…まだもう少し…堪能したい…」

でも、体は私の意思に反して眠りを強要してきます。

「ううん…おやすみなさい…」

結局寝落ちしました。
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