1 / 1
望んだ人と婚約し直すお話
しおりを挟む
私の婚約者は、幼い頃聖女様に救われた。
病気で長くはもたないだろうと言われた婚約者を、聖女様が救った。
彼の家族も、彼を婿にもらう予定の私の家族も、そして彼自身も聖女様の信奉者になった。
可憐で清廉で、強い力を持つ聖女様。
そんな聖女様に幼い私は嫉妬して「私のことも見て!」と言った。結果、周りの大人みんなに叱りつけられ彼からは嫌われた。
…正直、聖女様に意地悪をしたり言ったりしたなら怒られるのもわかる。けれど「私のことも見て」と言うだけで叱られ嫌われるのは、私が幼かったことも考えれば結構理不尽じゃなかろうか。
少なくとも私は理不尽に感じた。それでもう諦めた。
私は家族と仲良くするのを諦めた。私は彼の家族と仲良くするのを諦めた。私は彼と仲良くするのを諦めた。
そのうちほとぼりが冷める頃、私の家族や彼の家族は私が冷めた子供になったことに気付いた。自分たち大人に全然甘えないのに気付いた。
けれど猫なで声で可愛がろうとする彼らに甘えるどころか明確な拒絶もせず、特に何の感慨も持たない私に「やらかした」と思ったのだろう。
彼らは私への罪滅ぼしか、私に甘くなった。聖女様を信奉するのはやめないが、私を大切にするどころか本当に甘やかすようになった。
私はそれを利用して、学問を身につけた。この国では女性は「何も知らない無垢な乙女」でいることを求められるが、私は例外となった。
さらに私は、お小遣いをドレスや宝石に使わず領内の孤児院や養老院に寄付した。運営はだいぶ楽になったらしくお礼を言われ、ある時から「叡智と慈愛の天使」と呼ばれるようになった。
実際には全てを諦めた時から学問以外何にも興味を持てなくなり、せめてお小遣いは人の為に使おうと思っただけだが…人からの評判は良くなり、国全体の意識改革にも繋がったらしい。
結果的に女性も学問を身につけた方がいいと言う人が増え、国にとって良い流れになった。
「自慢の娘」となった私。けれど両親の期待を超えた「出来の良い子」になって両親の愛を受けるようになっても、私はもう両親を愛せない。彼の家族も同じこと。
婚約者である彼も、私を「高嶺の花である聖女様に並び立とうとした生意気な女」という謎のレッテル…は、外さないものの「下々への理解や優しさはあるし学もある」と謎の上から目線の評価はしてくれているらしいが、私は彼を「聖女の狂信者」としか見ていないのでなんかもうお互い様である。
そんな面白くもない幼少期や思春期を過ぎ、やがて私達も十九歳。成人して結婚適齢期になった。
彼の家族や私の家族は、国王陛下や王妃殿下から「国を良い方向へ導いた」「本人も優秀」「素行もいい」「魔法学を一人でかなり躍進させた」となんだかんだで気に入られている私になんとか昔のような関係に戻れないかと試行錯誤しているが私の気持ちは動かない。するといつのまにかこちらにばかりかかりきりになった彼らは聖女の信奉者をやめていた。
彼は聖女の信奉者を続けている。彼は常に聖女のそばにいて、聖女を守る。護衛騎士ごっこだろうか。見ていてイタイ。婚約者がいる男だと知りながら彼をそばに置いて、姫プレイしてる聖女もなかなかにイタイが。
さて、そんな彼は聖女にかまけて我が家の婿になるということをすっかり忘れているらしい。
これはもう、無理だろうと誰もが悟っていた。
私は彼の家族と私の家族を呼んだ。結婚適齢期になっても改善しないこの件を、いい加減動かすために。
「率直に申し上げます」
「…」
「婚約者である彼は、我が家の入り婿になるより聖女様の護衛騎士になる方が向いています。婚約は白紙に戻し、彼に護衛騎士になる道を示して差し上げてください」
彼の家族は青ざめるが、覚悟もしていたらしい。
「…どうしてもですか」
「はい」
「わかりました…今まですみませんでした」
両親に向き直る。
「いいですよね?」
「仕方あるまい…だが…」
「そして、国王陛下と王妃殿下の〝期待〟もご存知ですよね?」
「それは…」
「国の意識改革をした私が、この国では初の女公爵となる…それをお二人は密かに期待していらっしゃると噂です。…今更優秀な婿をといっても、私は結婚適齢期ですしもう難しいでしょう?」
父と母は顔を見合わせて頷いた。
「わかった…」
「ですが、元々私と彼の婚約は政略的なもの。家同士の利益あってのものですし、やはり婿はそちらのお家から女公爵となった私の配偶者として来ていただきたいのです」
「しかし長男はウチを継ぐので…」
「三男の彼をください」
「え!?」
彼らはみな驚くが、私の決意は固い。
「私は彼がいいのです」
「…わかりました」
そうして婚約の白紙化と、新たな婚約は決まった。
「アリスティア!君が婚約者になってくれるなんて!」
「私こそピーター様と婚約できるなんて幸せです!」
私の婚約者となった、彼の弟のピーター様。
ピーター様はイケメンで優秀で気遣い上手な素敵な人。
そして、女の子らしい可愛い格好をするのが好き。
ただそういう趣味なだけなのに、親から頭ごなしに叱られてそれでも自分を曲げずに生きてきた人。
破天荒な私にはぴったりな人とも言えるし、性格的にも合う。
「ピーター様の婚約者になれたのですから、これまでの人生も無駄ではありませんでしたね」
「ふふ、僕もそう思う!…一方の兄上は聖女様の護衛騎士になろうとして、予想外の鍛錬の厳しさに心が折れそうになってるけど自業自得だし頑張って欲しいよね」
「ですわね。聖女様の方も、今までちやほやしてくれていた彼が鍛錬のためそばにいられなくなって泣き言を仰られているとのことですが…頑張って欲しいですね」
「その上細身のイケメンだった兄上がガチムチになるに連れて聖女様の目が冷たくなってるとか。どう転んでも兄上には辛いかもねー。アリスティアを大事にしない奴なんてそうなって当然だけど」
「彼にも彼の事情もありますから、幸せになってくれるならそれでもいいんですけど…難しそうですね。なんでもしてくれる都合のいい彼が居なくなってからの聖女様は精神的に不安定だそうですから、そちらも辛そうですが…」
正直ざまぁみろと思ってしまうのはご愛嬌。
「それよりもピーター様、私の配偶者となるからには自由に生きていいですから!どんどん可愛さを極めてください!」
「うん、公式な場以外では極める!アリスティアが自慢の夫って言えるくらい可愛くなるよ!」
「私もピーター様の自慢の妻となれるよう、領地経営も魔法学の研究も頑張ります!」
こうして私達はそれぞれ、収まるところに収まった。
ちょっと可哀想なことになっている人たちもいるがそれはともかく、これからは私達はお互いを理解し尊重するオシドリカップルを目指して頑張ろうと思う。
病気で長くはもたないだろうと言われた婚約者を、聖女様が救った。
彼の家族も、彼を婿にもらう予定の私の家族も、そして彼自身も聖女様の信奉者になった。
可憐で清廉で、強い力を持つ聖女様。
そんな聖女様に幼い私は嫉妬して「私のことも見て!」と言った。結果、周りの大人みんなに叱りつけられ彼からは嫌われた。
…正直、聖女様に意地悪をしたり言ったりしたなら怒られるのもわかる。けれど「私のことも見て」と言うだけで叱られ嫌われるのは、私が幼かったことも考えれば結構理不尽じゃなかろうか。
少なくとも私は理不尽に感じた。それでもう諦めた。
私は家族と仲良くするのを諦めた。私は彼の家族と仲良くするのを諦めた。私は彼と仲良くするのを諦めた。
そのうちほとぼりが冷める頃、私の家族や彼の家族は私が冷めた子供になったことに気付いた。自分たち大人に全然甘えないのに気付いた。
けれど猫なで声で可愛がろうとする彼らに甘えるどころか明確な拒絶もせず、特に何の感慨も持たない私に「やらかした」と思ったのだろう。
彼らは私への罪滅ぼしか、私に甘くなった。聖女様を信奉するのはやめないが、私を大切にするどころか本当に甘やかすようになった。
私はそれを利用して、学問を身につけた。この国では女性は「何も知らない無垢な乙女」でいることを求められるが、私は例外となった。
さらに私は、お小遣いをドレスや宝石に使わず領内の孤児院や養老院に寄付した。運営はだいぶ楽になったらしくお礼を言われ、ある時から「叡智と慈愛の天使」と呼ばれるようになった。
実際には全てを諦めた時から学問以外何にも興味を持てなくなり、せめてお小遣いは人の為に使おうと思っただけだが…人からの評判は良くなり、国全体の意識改革にも繋がったらしい。
結果的に女性も学問を身につけた方がいいと言う人が増え、国にとって良い流れになった。
「自慢の娘」となった私。けれど両親の期待を超えた「出来の良い子」になって両親の愛を受けるようになっても、私はもう両親を愛せない。彼の家族も同じこと。
婚約者である彼も、私を「高嶺の花である聖女様に並び立とうとした生意気な女」という謎のレッテル…は、外さないものの「下々への理解や優しさはあるし学もある」と謎の上から目線の評価はしてくれているらしいが、私は彼を「聖女の狂信者」としか見ていないのでなんかもうお互い様である。
そんな面白くもない幼少期や思春期を過ぎ、やがて私達も十九歳。成人して結婚適齢期になった。
彼の家族や私の家族は、国王陛下や王妃殿下から「国を良い方向へ導いた」「本人も優秀」「素行もいい」「魔法学を一人でかなり躍進させた」となんだかんだで気に入られている私になんとか昔のような関係に戻れないかと試行錯誤しているが私の気持ちは動かない。するといつのまにかこちらにばかりかかりきりになった彼らは聖女の信奉者をやめていた。
彼は聖女の信奉者を続けている。彼は常に聖女のそばにいて、聖女を守る。護衛騎士ごっこだろうか。見ていてイタイ。婚約者がいる男だと知りながら彼をそばに置いて、姫プレイしてる聖女もなかなかにイタイが。
さて、そんな彼は聖女にかまけて我が家の婿になるということをすっかり忘れているらしい。
これはもう、無理だろうと誰もが悟っていた。
私は彼の家族と私の家族を呼んだ。結婚適齢期になっても改善しないこの件を、いい加減動かすために。
「率直に申し上げます」
「…」
「婚約者である彼は、我が家の入り婿になるより聖女様の護衛騎士になる方が向いています。婚約は白紙に戻し、彼に護衛騎士になる道を示して差し上げてください」
彼の家族は青ざめるが、覚悟もしていたらしい。
「…どうしてもですか」
「はい」
「わかりました…今まですみませんでした」
両親に向き直る。
「いいですよね?」
「仕方あるまい…だが…」
「そして、国王陛下と王妃殿下の〝期待〟もご存知ですよね?」
「それは…」
「国の意識改革をした私が、この国では初の女公爵となる…それをお二人は密かに期待していらっしゃると噂です。…今更優秀な婿をといっても、私は結婚適齢期ですしもう難しいでしょう?」
父と母は顔を見合わせて頷いた。
「わかった…」
「ですが、元々私と彼の婚約は政略的なもの。家同士の利益あってのものですし、やはり婿はそちらのお家から女公爵となった私の配偶者として来ていただきたいのです」
「しかし長男はウチを継ぐので…」
「三男の彼をください」
「え!?」
彼らはみな驚くが、私の決意は固い。
「私は彼がいいのです」
「…わかりました」
そうして婚約の白紙化と、新たな婚約は決まった。
「アリスティア!君が婚約者になってくれるなんて!」
「私こそピーター様と婚約できるなんて幸せです!」
私の婚約者となった、彼の弟のピーター様。
ピーター様はイケメンで優秀で気遣い上手な素敵な人。
そして、女の子らしい可愛い格好をするのが好き。
ただそういう趣味なだけなのに、親から頭ごなしに叱られてそれでも自分を曲げずに生きてきた人。
破天荒な私にはぴったりな人とも言えるし、性格的にも合う。
「ピーター様の婚約者になれたのですから、これまでの人生も無駄ではありませんでしたね」
「ふふ、僕もそう思う!…一方の兄上は聖女様の護衛騎士になろうとして、予想外の鍛錬の厳しさに心が折れそうになってるけど自業自得だし頑張って欲しいよね」
「ですわね。聖女様の方も、今までちやほやしてくれていた彼が鍛錬のためそばにいられなくなって泣き言を仰られているとのことですが…頑張って欲しいですね」
「その上細身のイケメンだった兄上がガチムチになるに連れて聖女様の目が冷たくなってるとか。どう転んでも兄上には辛いかもねー。アリスティアを大事にしない奴なんてそうなって当然だけど」
「彼にも彼の事情もありますから、幸せになってくれるならそれでもいいんですけど…難しそうですね。なんでもしてくれる都合のいい彼が居なくなってからの聖女様は精神的に不安定だそうですから、そちらも辛そうですが…」
正直ざまぁみろと思ってしまうのはご愛嬌。
「それよりもピーター様、私の配偶者となるからには自由に生きていいですから!どんどん可愛さを極めてください!」
「うん、公式な場以外では極める!アリスティアが自慢の夫って言えるくらい可愛くなるよ!」
「私もピーター様の自慢の妻となれるよう、領地経営も魔法学の研究も頑張ります!」
こうして私達はそれぞれ、収まるところに収まった。
ちょっと可哀想なことになっている人たちもいるがそれはともかく、これからは私達はお互いを理解し尊重するオシドリカップルを目指して頑張ろうと思う。
468
お気に入りに追加
109
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
兄がいるので悪役令嬢にはなりません〜苦労人外交官は鉄壁シスコンガードを突破したい〜
藤也いらいち
恋愛
無能王子の婚約者のラクシフォリア伯爵家令嬢、シャーロット。王子は典型的な無能ムーブの果てにシャーロットにあるはずのない罪を並べ立て婚約破棄を迫る。
__婚約破棄、大歓迎だ。
そこへ、視線で人手も殺せそうな眼をしながらも満面の笑顔のシャーロットの兄が王子を迎え撃った!
勝負は一瞬!王子は場外へ!
シスコン兄と無自覚ブラコン妹。
そして、シャーロットに思いを寄せつつ兄に邪魔をされ続ける外交官。妹が好きすぎる侯爵令嬢や商家の才女。
周りを巻き込み、巻き込まれ、果たして、彼らは恋愛と家族愛の違いを理解することができるのか!?
短編 兄がいるので悪役令嬢にはなりません を大幅加筆と修正して連載しています
カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。
【完結】捨てられ正妃は思い出す。
なか
恋愛
「お前に食指が動くことはない、後はしみったれた余生でも過ごしてくれ」
そんな言葉を最後に婚約者のランドルフ・ファルムンド王子はデイジー・ルドウィンを捨ててしまう。
人生の全てをかけて愛してくれていた彼女をあっさりと。
正妃教育のため幼き頃より人生を捧げて生きていた彼女に味方はおらず、学園ではいじめられ、再び愛した男性にも「遊びだった」と同じように捨てられてしまう。
人生に楽しみも、生きる気力も失った彼女は自分の意志で…自死を選んだ。
再び意識を取り戻すと見知った光景と聞き覚えのある言葉の数々。
デイジーは確信をした、これは二度目の人生なのだと。
確信したと同時に再びあの酷い日々を過ごす事になる事に絶望した、そんなデイジーを変えたのは他でもなく、前世での彼女自身の願いであった。
––次の人生は後悔もない、幸福な日々を––
他でもない、自分自身の願いを叶えるために彼女は二度目の人生を立ち上がる。
前のような弱気な生き方を捨てて、怒りに滾って奮い立つ彼女はこのくそったれな人生を生きていく事を決めた。
彼女に起きた心境の変化、それによって起こる小さな波紋はやがて波となり…この王国でさえ変える大きな波となる。
【完結】あなたから、言われるくらいなら。
たまこ
恋愛
侯爵令嬢アマンダの婚約者ジェレミーは、三か月前編入してきた平民出身のクララとばかり逢瀬を重ねている。アマンダはいつ婚約破棄を言い渡されるのか、恐々していたが、ジェレミーから言われた言葉とは……。
2023.4.25
HOTランキング36位/24hランキング30位
ありがとうございました!
(完結)相談女とお幸せに!(なれるものならの話ですけども。)
ちゃむふー
恋愛
「私は真実の愛に目覚めたんだ!ミレイユ。君は強いから1人で大丈夫だろう?リリアンはミレイユと違って私がいないとダメなんだ。婚約破棄してもらう!!」
完全に自分に酔いしれながらヒーロー気分なこの方は、ヨーデリア侯爵令息のガスパル。私の婚約者だ。
私はミレイユ・ハーブス。伯爵令嬢だ。
この国では、15才から18才まで貴族の令息令嬢は貴族の学園に通う。
あろう事かもうすぐ卒業のこの時期にこんな事を言ってきた。
できればもう少し早く言って欲しかったけれど…。
婚約破棄?大歓迎ですわ。
その真実の愛とやらを貫いてくださいね?
でも、ガスパル様。
そのリリアンとやらは、俗に言う相談女らしいですわよ?
果たして本当に幸せになれるのかしら…??
伯爵令嬢ミレイユ、伯爵令嬢エミール2人の主人公設定です。
学園物を書いた事があまり無いので、
設定が甘い事があるかもしれません…。
ご都合主義とやらでお願いします!!
所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!
ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。
幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。
婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。
王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。
しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。
貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。
遠回しに二人を注意するも‥
「所詮あなたは他人だもの!」
「部外者がしゃしゃりでるな!」
十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。
「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」
関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが…
一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。
なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…
【完結】探さないでください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
私は、貴方と共にした一夜を後悔した事はない。
貴方は私に尊いこの子を与えてくれた。
あの一夜を境に、私の環境は正反対に変わってしまった。
冷たく厳しい人々の中から、温かく優しい人々の中へ私は飛び込んだ。
複雑で高級な物に囲まれる暮らしから、質素で簡素な物に囲まれる暮らしへ移ろいだ。
無関心で疎遠な沢山の親族を捨てて、誰よりも私を必要としてくれる尊いこの子だけを選んだ。
風の噂で貴方が私を探しているという話を聞く。
だけど、誰も私が貴方が探している人物とは思わないはず。
今、私は幸せを感じている。
貴方が側にいなくても、私はこの子と生きていける。
だから、、、
もう、、、
私を、、、
探さないでください。
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
クリスマスの日、夫とお別れしました。
鍋
恋愛
田舎町から出て来たお針子ミリーは王都で有名なデザイナーのテオドールに見初められて、幸せな結婚をしました。
テオドールは名家のお得意様も多いお金持ちのデザイナーです。
当時、ミリーの結婚は玉の輿だとたくさんの女性たちから羨ましがれました。
それから16年。
夫はミリーには見向きもせず、若い愛人に夢中。義両親は田舎者のミリーに冷たい態度のままです。
自分はちっとも幸せじゃないことに気づいたミリーは……?
※クリスマスが近いのに、こんなお話ごめんなさい。
※タイトル通りの内容です。
※一話がとても短いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる