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初夜?
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結婚式と披露宴が無事終わり、遅めの夕食をお腹いっぱい食べてお風呂でリラックス。ゆっくりと休んだ後、ちょっとドキドキしながらユルリッシュ様の待っている夫婦の寝室に向かう。
待っているのは大人姿のユルリッシュ様か、それとも子供姿のユルリッシュ様か…と、思っていたのだけど。
「イザベル!待ってたぞ!」
案の定、子供姿のユルリッシュ様だった。
現金なもので、結婚式や披露宴でもあれだけユルリッシュ様に助けてもらったのに大人姿じゃないと全くときめかない。でも、可愛いから別の意味で好きではあるけど。
恋愛対象に見えるのは、やっぱり大人姿だけだなぁ。
「お待たせしました、ユルリッシュ様」
「うむ。しかし、今日は良い式を挙げられたな」
「そうですね、その…」
「どうした?」
「ゆ、ユルリッシュ様がかっこよくて…今日は一日中ドキドキしてしまいました」
自分で言ってて恥ずかしい。でも、言わずに後で後悔するよりちゃんと言っておこうと思った。
「そうだろう?俺もイザベルが可愛すぎてとても幸せな時間だった」
「えへへ…褒めても何も出ませんよ?」
私がそういうと、ユルリッシュ様はいきなり私の唇を奪った。
「んっ…」
「…ふふ、何も出ないならこっちから奪いに行けばいい」
満足そうなユルリッシュ様。子供姿なのになんだこの色気。頭バグりそう。
「も、もう!ユルリッシュ様ったら!」
「はは、まあ安心しろ。俺としてはしばらくイザベルとの夫婦の時間を大切にするつもりだ。子供はもうちょっと夫婦の親睦を深めてから考えようと思う。いきなり襲ったりはしないから、そう警戒するな」
警戒というか、単に貴方の色気にあてられただけです。
「ただまあ、いつかはそういう夫婦の触れ合いも…な?」
子供姿なのに色気を増さないでください。脳がバグります。
「それはそうと、結婚式と披露宴での奴らの顔は傑作だったなぁ?」
ご機嫌なまますごい話題を振ってくるユルリッシュ様。
「まあ、そうですね」
「あの悔しそうな、後悔や嫉妬に塗れた顔!…イザベル、少しはすっきりしたか?」
すっきりしたかと言われれば、答えはイエス。でも、完全に吹っ切れたかと言われると…やっぱり、まだなにか心に引っかかっている。それがどんな感情なのか、うまく言い表せないけれど。
「えっと…すっきりスカッとはしました。正直ざまぁみろと思ったというか」
「ははは!そうだろうな!俺もざまぁみろと思ったよ」
「けど…その…」
「…うん。まだ、引っかかりがあるんだろう?」
「え」
どうしてわかるんだろう?
「裏切られた苦しみは、痛みは、そう簡単には消えない。それでも少しでも楽になったならいいんだが」
「は、はい。それは…楽になりました」
「そうか。でも、あんまり無理はするなよ。辛かったら俺に言え。お前の心も、俺が守ってやる」
…やっぱり頼り甲斐のある人。大人姿で言われていたらまたときめいていただろう。今は可愛らしいだけだけど、でもちょっときゅんとした。ときめきというか、可愛いすぎて。
「まあ、ともかく。話は変わるが明日からイザベルには色々と頑張ってもらおうと思っているから、よろしくな」
「あ、は、はい!頑張ります!」
「なに、隣には俺がいるから緊張する必要はない。何かあればフォローしてやるし、イザベルはただ自分の力を発揮してくれるだけでいい」
まあ、光魔法と星辰語の翻訳ならば役には立てるとは思うけど。
「イザベル。今日はよく頑張ったな。偉いぞ」
「ユルリッシュ様…」
「明日は早い。今はゆっくりとお休み」
ユルリッシュ様が頭を撫でてくれて、結婚式と披露宴での疲れもあったのか私はスッと眠りについた。
待っているのは大人姿のユルリッシュ様か、それとも子供姿のユルリッシュ様か…と、思っていたのだけど。
「イザベル!待ってたぞ!」
案の定、子供姿のユルリッシュ様だった。
現金なもので、結婚式や披露宴でもあれだけユルリッシュ様に助けてもらったのに大人姿じゃないと全くときめかない。でも、可愛いから別の意味で好きではあるけど。
恋愛対象に見えるのは、やっぱり大人姿だけだなぁ。
「お待たせしました、ユルリッシュ様」
「うむ。しかし、今日は良い式を挙げられたな」
「そうですね、その…」
「どうした?」
「ゆ、ユルリッシュ様がかっこよくて…今日は一日中ドキドキしてしまいました」
自分で言ってて恥ずかしい。でも、言わずに後で後悔するよりちゃんと言っておこうと思った。
「そうだろう?俺もイザベルが可愛すぎてとても幸せな時間だった」
「えへへ…褒めても何も出ませんよ?」
私がそういうと、ユルリッシュ様はいきなり私の唇を奪った。
「んっ…」
「…ふふ、何も出ないならこっちから奪いに行けばいい」
満足そうなユルリッシュ様。子供姿なのになんだこの色気。頭バグりそう。
「も、もう!ユルリッシュ様ったら!」
「はは、まあ安心しろ。俺としてはしばらくイザベルとの夫婦の時間を大切にするつもりだ。子供はもうちょっと夫婦の親睦を深めてから考えようと思う。いきなり襲ったりはしないから、そう警戒するな」
警戒というか、単に貴方の色気にあてられただけです。
「ただまあ、いつかはそういう夫婦の触れ合いも…な?」
子供姿なのに色気を増さないでください。脳がバグります。
「それはそうと、結婚式と披露宴での奴らの顔は傑作だったなぁ?」
ご機嫌なまますごい話題を振ってくるユルリッシュ様。
「まあ、そうですね」
「あの悔しそうな、後悔や嫉妬に塗れた顔!…イザベル、少しはすっきりしたか?」
すっきりしたかと言われれば、答えはイエス。でも、完全に吹っ切れたかと言われると…やっぱり、まだなにか心に引っかかっている。それがどんな感情なのか、うまく言い表せないけれど。
「えっと…すっきりスカッとはしました。正直ざまぁみろと思ったというか」
「ははは!そうだろうな!俺もざまぁみろと思ったよ」
「けど…その…」
「…うん。まだ、引っかかりがあるんだろう?」
「え」
どうしてわかるんだろう?
「裏切られた苦しみは、痛みは、そう簡単には消えない。それでも少しでも楽になったならいいんだが」
「は、はい。それは…楽になりました」
「そうか。でも、あんまり無理はするなよ。辛かったら俺に言え。お前の心も、俺が守ってやる」
…やっぱり頼り甲斐のある人。大人姿で言われていたらまたときめいていただろう。今は可愛らしいだけだけど、でもちょっときゅんとした。ときめきというか、可愛いすぎて。
「まあ、ともかく。話は変わるが明日からイザベルには色々と頑張ってもらおうと思っているから、よろしくな」
「あ、は、はい!頑張ります!」
「なに、隣には俺がいるから緊張する必要はない。何かあればフォローしてやるし、イザベルはただ自分の力を発揮してくれるだけでいい」
まあ、光魔法と星辰語の翻訳ならば役には立てるとは思うけど。
「イザベル。今日はよく頑張ったな。偉いぞ」
「ユルリッシュ様…」
「明日は早い。今はゆっくりとお休み」
ユルリッシュ様が頭を撫でてくれて、結婚式と披露宴での疲れもあったのか私はスッと眠りについた。
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