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我が剣にかけて
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俺、エドモン・アヴェリーノ・バスチアンは、ローズ帝国に攻め滅ぼされたプラム公国の、バスチアン公爵家の長男だった。本来ならバスチアン公爵家の跡取り息子。まあ、プラム公国はもう無いから、今更だけど。プラム公国の生き残った貴族の血筋の者は全員奴隷商に売り渡されたみたいで、俺もそうされたんだけど、隙があったから逃げてきちゃった。その逃げた先で、優しい女の子から匿ってもらった。それが、ミレイユ・モニク・マルセル様。ミレイ様は俺の恩人だ。見た目はなんだか肥え太っていて醜かったけれど、心はとっても美しい。俺は厚かましくもミレイ様に護衛として雇ってもらうことにした。我が剣にかけて、生涯の忠誠をミレイ様に。
そんなミレイ様は、婚約者であるフェリクス・グラシアン・エテルネル第一王子殿下と非常に仲が良い。ある日、新しい魔法薬のレシピをフェリクス殿下がミレイ様に届けた時に初めてお会いしたが、フェリクス殿下は俺の存在など意に介さずミレイ様の頬を摘んでいた。意図的に無視されてるんだろうなぁと思いつつも、まあ大切な婚約者の側に歳の近い男なんて面白い訳がないので仕方がないとも思う。
そして新しい魔法薬のレシピをフェリクス殿下からもらったミレイ様は魔法薬を作りまくり…ものすごい勢いで痩せ、美しい姿になった。そんなミレイ様とハイタッチアンドハグ。ミレイ様がお美しくなられて、俺は嬉しい。そんな中で、フェリクス殿下がミレイ様に会いにいらした。フェリクス殿下はミレイ様を散々からかい、楽しそうだ。ミレイ様もそれを楽しんでいる様子だった。そして、フェリクス殿下は何故かは知らないけれどミレイ様が元々着けていた婚約指輪を外し、新しい婚約指輪を贈られていた。うん、こっちの指輪の方がミレイ様に良く似合っている。さすがフェリクス殿下、一国の王子はセンスも良いらしい。
だがある日、フェリクス殿下が珍しく朝イチでミレイ様のところに来た。フェリクス殿下がミレイ様をきつく抱きしめているのをルナさんと一緒にニヤニヤ眺めていたが、話を聞くとどうも悪い話らしい。ミレイ様を俺が守らなければ…。
そしてその日。ミレイ様は虫に噛まれたと思ったら、呼吸が苦しくなったらしい。胸がドキドキして、身体が熱いとのこと。嘔吐もして、そのまま倒れた。俺は素早くルナさんに指示を出し、ミレイ様をベッドに運んで治癒魔法をかける。俺は治癒魔法は得意なのだけれど、回復したそばからすぐにまた原因不明の体調不良。また回復魔法を掛けて、また具合が悪くなって。その繰り返し。いたちごっこの状態だった。駆けつけた医者は呪いだと言う。ミレイ様は妹だというマノンという子から呪いをかけられたらしい。しかし、いつのまにかいたフェリクス殿下がミレイ様の解呪を行いミレイ様は回復した。その分マノンが苦しむらしいが、自業自得だ。しかし、ミレイ様は優しいから、マノンのことを心配していた。優しすぎるのも考えものかもしれない。
そして、貴族学園にミレイ様は入学した。これから楽しいスクールライフを満喫してもらえるよう、護衛の俺が頑張らないと…!
そんなミレイ様は、婚約者であるフェリクス・グラシアン・エテルネル第一王子殿下と非常に仲が良い。ある日、新しい魔法薬のレシピをフェリクス殿下がミレイ様に届けた時に初めてお会いしたが、フェリクス殿下は俺の存在など意に介さずミレイ様の頬を摘んでいた。意図的に無視されてるんだろうなぁと思いつつも、まあ大切な婚約者の側に歳の近い男なんて面白い訳がないので仕方がないとも思う。
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