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魔法薬作成の準備

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ルナさん曰く私は丸三日目覚めなかったらしく、フェリクス様からもなんの説明もなかったらしい。まあ、婚約者に丸三日眠り続ける魔法をかけましたとは言えないよね。でも、私を心配してくれたのはルナさんと…マノンだけだったらしい。マノンは振りだけだろうけれど。ルナさんは旦那様も奥様も酷いと怒ってくれたが『神の愛し子であるマノンを虐めた性悪』だと勘違いされているのだから仕方あるまいよ。

「お嬢様。マノンお嬢様に謝って仲直りしましょうよ…私以外にお嬢様を心配したのはマノンお嬢様だけだったんですから…」

「まあその辺はいつか話せたら話しますね」

「お嬢様…?」

「それよりも、よく寝てご飯も食べたことですし、自己改造の続きと行きたいんですが」

「いけません!もう無理なダイエットはさせませんよ!」

ルナさんがものすごい勢いで反対してくる。ああ、心配されてるんだなぁと場違いに喜んでしまう。

「大丈夫です。今回は運動じゃなくて、魔法薬を作ろうと思ってるんです」

「魔法薬、ですか?」

魔法薬は薬草に魔力を流し込んで錬金術で作る薬。レシピ次第でいくらでも効能を発揮する。

「魔法薬を作ると痩せるのですか?聞いたことがありませんが」

「普通は痩せないんですが…私の場合は、特別効果があるんです。まあ、とりあえずやってみませんか?やらせてくれますよね?」

「まあ、錬金術くらいでしたら…」

「それなら、とりあえずこの間の魔法石を売ったお金の、私の取り分を全額使って薬草を買えるだけ買ってきてください。お願いしますね」

「はい、わかりました」

ミレイユ様の記憶では、習ったことがある魔法薬は病気や怪我を治癒する普通の魔法薬一種類のみ。とりあえずそれを大量に生産しようと思います。

ー…

「錬金術用の鍋!」

「はい!」

「薬草!」

「はい!」

「澄んだ水!」

「はい!」

「では錬金術、開始します!」

「お手伝い致します!」

材料をぽいと鍋に入れて、魔力をじっくりと流し込みながらかき混ぜる。数分間よく煮立たせたら…。

「出来上がりですね」

「成功したのでしょうか?」

「自己改造って意味なら身体が軽くなった感じはしますね。魔法薬の作成って意味なら、飲んでみないとわからないかな…ちょっとグビッといっちゃいますね」

ごくんと飲み込む。…うん、なんだか丸三日寝続けたせいでぼんやりしていた頭がスッキリしたかも。

「成功したっぽいですね」

「おおー、さすがはお嬢様」

「ルナさんも飲んでみます?」

「では失礼して…んん!?これは!?」

「どうしました?」

「ここ最近の肩凝りが解消されました!」

「それは良かった!」
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