8 / 60
魔法薬作成の準備
しおりを挟む
ルナさん曰く私は丸三日目覚めなかったらしく、フェリクス様からもなんの説明もなかったらしい。まあ、婚約者に丸三日眠り続ける魔法をかけましたとは言えないよね。でも、私を心配してくれたのはルナさんと…マノンだけだったらしい。マノンは振りだけだろうけれど。ルナさんは旦那様も奥様も酷いと怒ってくれたが『神の愛し子であるマノンを虐めた性悪』だと勘違いされているのだから仕方あるまいよ。
「お嬢様。マノンお嬢様に謝って仲直りしましょうよ…私以外にお嬢様を心配したのはマノンお嬢様だけだったんですから…」
「まあその辺はいつか話せたら話しますね」
「お嬢様…?」
「それよりも、よく寝てご飯も食べたことですし、自己改造の続きと行きたいんですが」
「いけません!もう無理なダイエットはさせませんよ!」
ルナさんがものすごい勢いで反対してくる。ああ、心配されてるんだなぁと場違いに喜んでしまう。
「大丈夫です。今回は運動じゃなくて、魔法薬を作ろうと思ってるんです」
「魔法薬、ですか?」
魔法薬は薬草に魔力を流し込んで錬金術で作る薬。レシピ次第でいくらでも効能を発揮する。
「魔法薬を作ると痩せるのですか?聞いたことがありませんが」
「普通は痩せないんですが…私の場合は、特別効果があるんです。まあ、とりあえずやってみませんか?やらせてくれますよね?」
「まあ、錬金術くらいでしたら…」
「それなら、とりあえずこの間の魔法石を売ったお金の、私の取り分を全額使って薬草を買えるだけ買ってきてください。お願いしますね」
「はい、わかりました」
ミレイユ様の記憶では、習ったことがある魔法薬は病気や怪我を治癒する普通の魔法薬一種類のみ。とりあえずそれを大量に生産しようと思います。
ー…
「錬金術用の鍋!」
「はい!」
「薬草!」
「はい!」
「澄んだ水!」
「はい!」
「では錬金術、開始します!」
「お手伝い致します!」
材料をぽいと鍋に入れて、魔力をじっくりと流し込みながらかき混ぜる。数分間よく煮立たせたら…。
「出来上がりですね」
「成功したのでしょうか?」
「自己改造って意味なら身体が軽くなった感じはしますね。魔法薬の作成って意味なら、飲んでみないとわからないかな…ちょっとグビッといっちゃいますね」
ごくんと飲み込む。…うん、なんだか丸三日寝続けたせいでぼんやりしていた頭がスッキリしたかも。
「成功したっぽいですね」
「おおー、さすがはお嬢様」
「ルナさんも飲んでみます?」
「では失礼して…んん!?これは!?」
「どうしました?」
「ここ最近の肩凝りが解消されました!」
「それは良かった!」
「お嬢様。マノンお嬢様に謝って仲直りしましょうよ…私以外にお嬢様を心配したのはマノンお嬢様だけだったんですから…」
「まあその辺はいつか話せたら話しますね」
「お嬢様…?」
「それよりも、よく寝てご飯も食べたことですし、自己改造の続きと行きたいんですが」
「いけません!もう無理なダイエットはさせませんよ!」
ルナさんがものすごい勢いで反対してくる。ああ、心配されてるんだなぁと場違いに喜んでしまう。
「大丈夫です。今回は運動じゃなくて、魔法薬を作ろうと思ってるんです」
「魔法薬、ですか?」
魔法薬は薬草に魔力を流し込んで錬金術で作る薬。レシピ次第でいくらでも効能を発揮する。
「魔法薬を作ると痩せるのですか?聞いたことがありませんが」
「普通は痩せないんですが…私の場合は、特別効果があるんです。まあ、とりあえずやってみませんか?やらせてくれますよね?」
「まあ、錬金術くらいでしたら…」
「それなら、とりあえずこの間の魔法石を売ったお金の、私の取り分を全額使って薬草を買えるだけ買ってきてください。お願いしますね」
「はい、わかりました」
ミレイユ様の記憶では、習ったことがある魔法薬は病気や怪我を治癒する普通の魔法薬一種類のみ。とりあえずそれを大量に生産しようと思います。
ー…
「錬金術用の鍋!」
「はい!」
「薬草!」
「はい!」
「澄んだ水!」
「はい!」
「では錬金術、開始します!」
「お手伝い致します!」
材料をぽいと鍋に入れて、魔力をじっくりと流し込みながらかき混ぜる。数分間よく煮立たせたら…。
「出来上がりですね」
「成功したのでしょうか?」
「自己改造って意味なら身体が軽くなった感じはしますね。魔法薬の作成って意味なら、飲んでみないとわからないかな…ちょっとグビッといっちゃいますね」
ごくんと飲み込む。…うん、なんだか丸三日寝続けたせいでぼんやりしていた頭がスッキリしたかも。
「成功したっぽいですね」
「おおー、さすがはお嬢様」
「ルナさんも飲んでみます?」
「では失礼して…んん!?これは!?」
「どうしました?」
「ここ最近の肩凝りが解消されました!」
「それは良かった!」
10
お気に入りに追加
392
あなたにおすすめの小説
ぽっちゃりな私は妹に婚約者を取られましたが、嫁ぎ先での溺愛がとまりません~冷酷な伯爵様とは誰のこと?~
柊木 ひなき
恋愛
「メリーナ、お前との婚約を破棄する!」夜会の最中に婚約者の第一王子から婚約破棄を告げられ、妹からは馬鹿にされ、貴族達の笑い者になった。
その時、思い出したのだ。(私の前世、美容部員だった!)この体型、ドレス、確かにやばい!
この世界の美の基準は、スリム体型が前提。まずはダイエットを……え、もう次の結婚? お相手は、超絶美形の伯爵様!? からの溺愛!? なんで!?
※シリアス展開もわりとあります。
四回目の人生は、お飾りの妃。でも冷酷な夫(予定)の様子が変わってきてます。
千堂みくま
恋愛
「あぁああーっ!?」婚約者の肖像画を見た瞬間、すべての記憶がよみがえった。私、前回の人生でこの男に殺されたんだわ! ララシーナ姫の人生は今世で四回目。今まで三回も死んだ原因は、すべて大国エンヴィードの皇子フェリオスのせいだった。婚約を突っぱねて死んだのなら、今世は彼に嫁いでみよう。死にたくないし!――安直な理由でフェリオスと婚約したララシーナだったが、初対面から夫(予定)は冷酷だった。「政略結婚だ」ときっぱり言い放ち、妃(予定)を高い塔に監禁し、見張りに騎士までつける。「このままじゃ人質のまま人生が終わる!」ブチ切れたララシーナは前世での経験をいかし、塔から脱走したり皇子の秘密を探ったりする、のだが……。あれ? 冷酷だと思った皇子だけど、意外とそうでもない? なぜかフェリオスの様子が変わり始め――。
○初対面からすれ違う二人が、少しずつ距離を縮めるお話○最初はコメディですが、後半は少しシリアス(予定)○書き溜め→予約投稿を繰り返しながら連載します。
不機嫌な悪役令嬢〜王子は最強の悪役令嬢を溺愛する?〜
晴行
恋愛
乙女ゲームの貴族令嬢リリアーナに転生したわたしは、大きな屋敷の小さな部屋の中で窓のそばに腰掛けてため息ばかり。
見目麗しく深窓の令嬢なんて噂されるほどには容姿が優れているらしいけど、わたしは知っている。
これは主人公であるアリシアの物語。
わたしはその当て馬にされるだけの、悪役令嬢リリアーナでしかない。
窓の外を眺めて、次の転生は鳥になりたいと真剣に考えているの。
「つまらないわ」
わたしはいつも不機嫌。
どんなに努力しても運命が変えられないのなら、わたしがこの世界に転生した意味がない。
あーあ、もうやめた。
なにか他のことをしよう。お料理とか、お裁縫とか、魔法がある世界だからそれを勉強してもいいわ。
このお屋敷にはなんでも揃っていますし、わたしには才能がありますもの。
仕方がないので、ゲームのストーリーが始まるまで悪役令嬢らしく不機嫌に日々を過ごしましょう。
__それもカイル王子に裏切られて婚約を破棄され、大きな屋敷も貴族の称号もすべてを失い終わりなのだけど。
頑張ったことが全部無駄になるなんて、ほんとうにつまらないわ。
の、はずだったのだけれど。
アリシアが現れても、王子は彼女に興味がない様子。
ストーリーがなかなか始まらない。
これじゃ二人の仲を引き裂く悪役令嬢になれないわ。
カイル王子、間違ってます。わたしはアリシアではないですよ。いつもツンとしている?
それは当たり前です。貴方こそなぜわたしの家にやってくるのですか?
わたしの料理が食べたい? そんなのアリシアに作らせればいいでしょう?
毎日つくれ? ふざけるな。
……カイル王子、そろそろ帰ってくれません?
死ぬはずだった令嬢が乙女ゲームの舞台に突然参加するお話
みっしー
恋愛
病弱な公爵令嬢のフィリアはある日今までにないほどの高熱にうなされて自分の前世を思い出す。そして今自分がいるのは大好きだった乙女ゲームの世界だと気づく。しかし…「藍色の髪、空色の瞳、真っ白な肌……まさかっ……!」なんと彼女が転生したのはヒロインでも悪役令嬢でもない、ゲーム開始前に死んでしまう攻略対象の王子の婚約者だったのだ。でも前世で長生きできなかった分今世では長生きしたい!そんな彼女が長生きを目指して乙女ゲームの舞台に突然参加するお話です。
*番外編も含め完結いたしました!感想はいつでもありがたく読ませていただきますのでお気軽に!
貴方の子どもじゃありません
初瀬 叶
恋愛
あぁ……どうしてこんなことになってしまったんだろう。
私は眠っている男性を起こさない様に、そっと寝台を降りた。
私が着ていたお仕着せは、乱暴に脱がされたせいでボタンは千切れ、エプロンも破れていた。
私は仕方なくそのお仕着せに袖を通すと、止められなくなったシャツの前を握りしめる様にした。
そして、部屋の扉にそっと手を掛ける。
ドアノブは回る。いつの間にか
鍵は開いていたみたいだ。
私は最後に後ろを振り返った。そこには裸で眠っている男性の胸が上下している事が確認出来る。深い眠りについている様だ。
外はまだ夜中。月明かりだけが差し込むこの部屋は薄暗い。男性の顔ははっきりとは確認出来なかった。
※ 私の頭の中の異世界のお話です
※相変わらずのゆるゆるふわふわ設定です。ご了承下さい
※直接的な性描写等はありませんが、その行為を匂わせる言葉を使う場合があります。苦手な方はそっと閉じて下さると、自衛になるかと思います
※誤字脱字がちりばめられている可能性を否定出来ません。広い心で読んでいただけるとありがたいです
せっかく転生したのにモブにすらなれない……はずが溺愛ルートなんて信じられません
嘉月
恋愛
隣国の貴族令嬢である主人公は交換留学生としてやってきた学園でイケメン達と恋に落ちていく。
人気の乙女ゲーム「秘密のエルドラド」のメイン攻略キャラは王立学園の生徒会長にして王弟、氷の殿下こと、クライブ・フォン・ガウンデール。
転生したのはそのゲームの世界なのに……私はモブですらないらしい。
せめて学園の生徒1くらいにはなりたかったけど、どうしようもないので地に足つけてしっかり生きていくつもりです。
少しだけ改題しました。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
断罪された挙句に執着系騎士様と支配系教皇様に目をつけられて人生諸々詰んでる悪役令嬢とは私の事です。
甘寧
恋愛
断罪の最中に前世の記憶が蘇ったベルベット。
ここは乙女ゲームの世界で自分がまさに悪役令嬢の立場で、ヒロインは王子ルートを攻略し、無事に断罪まで来た所だと分かった。ベルベットは大人しく断罪を受け入れ国外追放に。
──……だが、追放先で攻略対象者である教皇のロジェを拾い、更にはもう一人の対象者である騎士団長のジェフリーまでがことある事にベルベットの元を訪れてくるようになる。
ゲームからは完全に外れたはずなのに、悪役令嬢と言うフラグが今だに存在している気がして仕方がないベルベットは、平穏な第二の人生の為に何とかロジェとジェフリーと関わりを持たないように逃げまくるベルベット。
しかし、その行動が裏目に出てロジェとジェフリーの執着が増していく。
そんな折、何者かがヒロインである聖女を使いベルベットの命を狙っていることが分かる。そして、このゲームには隠された裏設定がある事も分かり……
独占欲の強い二人に振り回されるベルベットの結末はいかに?
※完全に作者の趣味です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる