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婚約者のライバルと隣の席になりました
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いきなりですが我がクラスの王子様とお友達になりました。ファンのご令嬢達からの圧が強いです。正直怖いです。ノアの婚約者だと知れ渡った時と同じくらい怖いです。でも、嬉しそうにきらきらした瞳をしているハリーにそんなこと言えません。こうなったら無心です。無心に帰るのです。怖くない、怖くない。
「ところでユーナ」
「?はい、ハリー」
「朝一番に担任の先生にな、今日からユーナの隣の席にしてくれと頼んできたんだ」
「え」
「だから今日から隣の席に座る。よろしく頼む」
…目の前の王子様はものすごく嬉しそうに笑っています。言えません。後ろで元隣の席のご令嬢が絶望に打ちひしがれているなんて言えません。クラスのご令嬢の大半が恨めしそうな目で私を見ているなんて言えません。
「それでな、今日は教科書を忘れてしまったんだ、見せてくれないか?」
「え」
「ハリー様が教科書を忘れるなんて初めてじゃない!?」
「まさかユリアナ様と仲良くなるためにわざと忘れたとか!?」
「それなら私が!」
「いいえ、私が!」
「…すまない。君たちに迷惑をかける訳にはいかないし、隣の席同士なら簡単に見せてもらえるからユーナに頼むよ。でも君たちの気持ちは本当に嬉しい。ありがとう、レディー」
クラスの王子様はそっとご令嬢の手を取りキスを落とします。
「きゃー!!!」
一斉にたくさんの悲鳴が聞こえます。ハリー様のファンのご令嬢達です。うん。改めてすごい人とお友達になってしまいました。
「ハリー様に言葉をかけていただけるばかりか手にキスまで!」
「あの子ばかりずるいわ!」
「ハリー様!私にも!ぜひ!」
クラスの中が熱狂に包まれています。これを他人事として見ていた頃に戻りたい…。
「ふふ、みんなありがとう。こうして好意を寄せてくれて。僕は本当に幸せ者だ」
「は、ハリー様…!」
「なんてお優しい方なの…」
「さすが貴公子の中の貴公子…!」
クラスのご令嬢の大半が大熱狂しているなか、クラスのご令息の大半もクラスの王子様に尊敬の目を向けている。もうこの教室おかしくないかな?今更だけども。むしろ私今までよく巻き込まれなかったな。うん。
「それで、教科書を見せてくれるかい?ユーナ」
「あ、はい。もちろんです」
「ありがとう、ユーナ」
「は、はい」
「じゃあ、机をくっつけよう」
またクラスの王子様との距離が物理的に近くなってしまいました。緊張するしファンのご令嬢達が怖い!
「…ふむ。それが君のノートかい?」
「あ、その…はい」
「授業の内容がとてもわかりやすくまとめられているね。さすがはオルコット家のご令嬢と言ったところか」
「え、あ、ありがとうございます!」
「よかったら今度、一緒に勉強会でもしないか?」
「あ、は、はい。ハリー様さえよろしければ」
今度テストがあるから、ハリー様の申し出は有難い。
「よかった。楽しみにしている」
「は、はい。私もです」
私がそう言うと王子様はまた瞳をきらきらさせて嬉しそうに笑った。笑顔が眩しい…。いや、ノアの笑顔も眩しいんだけど、見慣れているノアの笑顔と初めてみる王子様の笑顔だと破壊力が違う…。
「じゃあそういうことで。ああ、そろそろ授業が始まってしまうね。君と話が出来ない時間は苦痛だけれど、お互い頑張ろう」
「はい、ハリー様」
私、いつになったら平和な学園生活に戻れるのでしょうか…。
「ところでユーナ」
「?はい、ハリー」
「朝一番に担任の先生にな、今日からユーナの隣の席にしてくれと頼んできたんだ」
「え」
「だから今日から隣の席に座る。よろしく頼む」
…目の前の王子様はものすごく嬉しそうに笑っています。言えません。後ろで元隣の席のご令嬢が絶望に打ちひしがれているなんて言えません。クラスのご令嬢の大半が恨めしそうな目で私を見ているなんて言えません。
「それでな、今日は教科書を忘れてしまったんだ、見せてくれないか?」
「え」
「ハリー様が教科書を忘れるなんて初めてじゃない!?」
「まさかユリアナ様と仲良くなるためにわざと忘れたとか!?」
「それなら私が!」
「いいえ、私が!」
「…すまない。君たちに迷惑をかける訳にはいかないし、隣の席同士なら簡単に見せてもらえるからユーナに頼むよ。でも君たちの気持ちは本当に嬉しい。ありがとう、レディー」
クラスの王子様はそっとご令嬢の手を取りキスを落とします。
「きゃー!!!」
一斉にたくさんの悲鳴が聞こえます。ハリー様のファンのご令嬢達です。うん。改めてすごい人とお友達になってしまいました。
「ハリー様に言葉をかけていただけるばかりか手にキスまで!」
「あの子ばかりずるいわ!」
「ハリー様!私にも!ぜひ!」
クラスの中が熱狂に包まれています。これを他人事として見ていた頃に戻りたい…。
「ふふ、みんなありがとう。こうして好意を寄せてくれて。僕は本当に幸せ者だ」
「は、ハリー様…!」
「なんてお優しい方なの…」
「さすが貴公子の中の貴公子…!」
クラスのご令嬢の大半が大熱狂しているなか、クラスのご令息の大半もクラスの王子様に尊敬の目を向けている。もうこの教室おかしくないかな?今更だけども。むしろ私今までよく巻き込まれなかったな。うん。
「それで、教科書を見せてくれるかい?ユーナ」
「あ、はい。もちろんです」
「ありがとう、ユーナ」
「は、はい」
「じゃあ、机をくっつけよう」
またクラスの王子様との距離が物理的に近くなってしまいました。緊張するしファンのご令嬢達が怖い!
「…ふむ。それが君のノートかい?」
「あ、その…はい」
「授業の内容がとてもわかりやすくまとめられているね。さすがはオルコット家のご令嬢と言ったところか」
「え、あ、ありがとうございます!」
「よかったら今度、一緒に勉強会でもしないか?」
「あ、は、はい。ハリー様さえよろしければ」
今度テストがあるから、ハリー様の申し出は有難い。
「よかった。楽しみにしている」
「は、はい。私もです」
私がそう言うと王子様はまた瞳をきらきらさせて嬉しそうに笑った。笑顔が眩しい…。いや、ノアの笑顔も眩しいんだけど、見慣れているノアの笑顔と初めてみる王子様の笑顔だと破壊力が違う…。
「じゃあそういうことで。ああ、そろそろ授業が始まってしまうね。君と話が出来ない時間は苦痛だけれど、お互い頑張ろう」
「はい、ハリー様」
私、いつになったら平和な学園生活に戻れるのでしょうか…。
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