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婚約者のライバルとお友達になりました
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いつもと同じようにノアの馬車に乗り、いつもと同じように登校します。でも、そこにルーク様はいません。いつのまにかルーク様と一緒にいるのが当たり前になっていて、お友達のいない学園生活は久しぶりです。すっかり気持ちは重いですが、休むわけにもいきません。重い足取りで昇降口へ行き、ノアと別れて教室に向かいます。いつもと同じ、友達のいない一日。なんてつまらないんだろう。…いけないいけない。こんな調子ではまたノアに心配をかけてしまいます。
そんなことを考えながら教室に入った時でした。心臓が止まるかと思いました。
…目の前に、このクラスの王子様が、色とりどりの百合の花束を胸に抱えて跪いていたのです。
「ご機嫌よう、レディーユリアナ。突然で申し訳ないが、どうか僕の友達になってもらえないだろうか?」
「え」
「え?」
「え」
「…どうしたんだい?」
クラスの王子様ことハリー様は立ち上がり、私の頬に手をそっと添えます。何!?何が起こっているの!?
「きゃー!!!」
やや離れた場所から、一斉にたくさんの悲鳴が聞こえる。多分ハリー様のファンのご令嬢達だ。うん。正直私もそんな風に叫び出したい。一体何がどうしてこうなった!?
「あの方!ノア様がいながらハリー様にまで気にかけていただけるなんて!」
「なんて羨ましい!」
「ずるいわ!私もあの場所に立ちたい!」
そりゃあ外野はそうでしょうとも!当事者の身にもなっていただきたい!変な噂は流されるわ、それが解決する代わりにお友達は失うわ、そうかと思えばいきなりクラスの王子様からお友達要請だよ!?どういうことなの!?しかもなんか近いし!それにどこで聞いたのか、私の好きな花で花束作って持ってくるし!なにこれ!キャパオーバーだよ!
「大丈夫かい?」
「…は、はい」
「よかった…返事を聞かせてくれるかい?」
「えっ…えっと…」
じっとりとした視線を感じる。ハリー様のファンからの圧が強い!これ断っても受け入れてもブーイングされるやつだ!
「えっと…えっと…」
「うん」
「あ…あ…あの、その…」
「うん」
「な、なんでそんな急にそんなこと言うんですか!!!」
キャパオーバー過ぎて逆ギレしちゃったよー!うわあーん!ハリー様のファンからの圧が強いよー!
「…ああ、そうだね。それを話していなかった。つい焦って、急に友達になんてなろうとしてごめんね」
「あ、い、いえ、その…」
「先日あったノアと君の不仲説。そんな中でも君は夜会に出席し、気丈にも背筋を伸ばして凛とした雰囲気でノアの隣に立っていた」
「え、あ、はい…」
「あの雰囲気に僕はすっかり当てられてしまったんだ。ここ最近は君のことばかり考えている」
またハリー様のファンのご令嬢達から、一斉にたくさんの悲鳴が聞こえる。そりゃあそうだ。クラスの王子様が一人のご令嬢にご執心なんて、ファンのご令嬢達には耐えられないだろう。
「だからまずは友達から始めようと思ったんだ。どうだろうか?」
「お友達『から』?」
お友達からってなんだろう?親友とか?ああ、うん。えっと…えっと…。
「よ、よろしくお願いします…」
負けた!ハリー様のきらきらした瞳に負けた!
「本当かい?ありがとう!ユリアナ嬢…いや、そうだな。ノアはユリアと呼んでいるようだし、ルークはユリちゃんと呼んでいた。ユーナと呼んでもいいだろうか?」
「は、はい」
「そうか、それはよかった。ユーナも是非ハリーと」
「…ええ、ハリー様」
「友達なんだ。様は要らない」
「は、ハリー…」
またハリー様のファンのご令嬢達から、一斉にたくさんの悲鳴が聞こえる。ごめんね、でも私悪くない。
「では、これから改めてよろしく、ユーナ」
「よ、よろしくお願いします、ハリー」
と、ともかく。新たなお友達が出来ました!よかったです!
そんなことを考えながら教室に入った時でした。心臓が止まるかと思いました。
…目の前に、このクラスの王子様が、色とりどりの百合の花束を胸に抱えて跪いていたのです。
「ご機嫌よう、レディーユリアナ。突然で申し訳ないが、どうか僕の友達になってもらえないだろうか?」
「え」
「え?」
「え」
「…どうしたんだい?」
クラスの王子様ことハリー様は立ち上がり、私の頬に手をそっと添えます。何!?何が起こっているの!?
「きゃー!!!」
やや離れた場所から、一斉にたくさんの悲鳴が聞こえる。多分ハリー様のファンのご令嬢達だ。うん。正直私もそんな風に叫び出したい。一体何がどうしてこうなった!?
「あの方!ノア様がいながらハリー様にまで気にかけていただけるなんて!」
「なんて羨ましい!」
「ずるいわ!私もあの場所に立ちたい!」
そりゃあ外野はそうでしょうとも!当事者の身にもなっていただきたい!変な噂は流されるわ、それが解決する代わりにお友達は失うわ、そうかと思えばいきなりクラスの王子様からお友達要請だよ!?どういうことなの!?しかもなんか近いし!それにどこで聞いたのか、私の好きな花で花束作って持ってくるし!なにこれ!キャパオーバーだよ!
「大丈夫かい?」
「…は、はい」
「よかった…返事を聞かせてくれるかい?」
「えっ…えっと…」
じっとりとした視線を感じる。ハリー様のファンからの圧が強い!これ断っても受け入れてもブーイングされるやつだ!
「えっと…えっと…」
「うん」
「あ…あ…あの、その…」
「うん」
「な、なんでそんな急にそんなこと言うんですか!!!」
キャパオーバー過ぎて逆ギレしちゃったよー!うわあーん!ハリー様のファンからの圧が強いよー!
「…ああ、そうだね。それを話していなかった。つい焦って、急に友達になんてなろうとしてごめんね」
「あ、い、いえ、その…」
「先日あったノアと君の不仲説。そんな中でも君は夜会に出席し、気丈にも背筋を伸ばして凛とした雰囲気でノアの隣に立っていた」
「え、あ、はい…」
「あの雰囲気に僕はすっかり当てられてしまったんだ。ここ最近は君のことばかり考えている」
またハリー様のファンのご令嬢達から、一斉にたくさんの悲鳴が聞こえる。そりゃあそうだ。クラスの王子様が一人のご令嬢にご執心なんて、ファンのご令嬢達には耐えられないだろう。
「だからまずは友達から始めようと思ったんだ。どうだろうか?」
「お友達『から』?」
お友達からってなんだろう?親友とか?ああ、うん。えっと…えっと…。
「よ、よろしくお願いします…」
負けた!ハリー様のきらきらした瞳に負けた!
「本当かい?ありがとう!ユリアナ嬢…いや、そうだな。ノアはユリアと呼んでいるようだし、ルークはユリちゃんと呼んでいた。ユーナと呼んでもいいだろうか?」
「は、はい」
「そうか、それはよかった。ユーナも是非ハリーと」
「…ええ、ハリー様」
「友達なんだ。様は要らない」
「は、ハリー…」
またハリー様のファンのご令嬢達から、一斉にたくさんの悲鳴が聞こえる。ごめんね、でも私悪くない。
「では、これから改めてよろしく、ユーナ」
「よ、よろしくお願いします、ハリー」
と、ともかく。新たなお友達が出来ました!よかったです!
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