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婚約者が私の姉に食ってかかります
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「あー、疲れた…」
朝、家族と共に食事を済ませて学園への登校準備をする。姉はいいのだけれど、両親と食事をとるのは正直疲れる。嫌味を言われることもあるし、姉には優しいのに私には厳しいし、本当は三人で食事をとりたいと思っているのが伝わってくるし、空気はピリピリしているし、本当になんで一緒に食事をしなくちゃいけないんだろう。昔みたいに一人で放っておいてくれたらいいのに。まあ、両親が私に何かする度にマリアナお姉様が庇ってくださるから我慢できるけど…なんて考えているうちに、コンコン、とドアが叩かれる。使用人かな?と思ったが違った。
「ユリアナ!」
「マリアナお姉様?どうかされましたか?」
部屋に入ってきたのはマリアナお姉様だった。一体どうしたんだろう?
「あの、ユリアナ、今日もお父様達がごめんなさい。辛くなかった?大丈夫?」
「大丈夫です!マリアナお姉様が庇ってくださったから…それに、このくらい慣れっこですもの」
そういうとお姉様は辛そうな顔をする。きっと私のことを考えてくださっているのだろう。本当に優しいお姉様。
「マリアナお姉様が側にいてくださるから、多少居心地が悪くても我慢できるのです。私はマリアナお姉様に助けてもらってばかりです。私はそんなマリアナお姉様が大好きなのです。だからどうかそんな顔をしないでください」
「ユリアナ…本当に優しい子ね。ありがとう、私の方こそ大好きよ。私はユリアナのお姉ちゃんなんだから、ユリアナを守るのは当然のことよ。ユリアナを守る為なら、なんだってしてあげる」
本当に優しいお姉様。でも、改まってこんな話をするなんてどうしたんだろう?
「それでね、ユリアナ。アルバート様との結婚の日取りが正式に決まったの!」
「まあ!おめでとうございます、マリアナお姉様!」
アルバート様とマリアナお姉様は政略結婚とは思えない程ラブラブだ。大好きなマリアナお姉様が幸せになってくれるのは私も嬉しい。
「だからね、アルバート様が家にくるから、お父様達もあからさまにユリアナを虐めたり出来なくなると思うの。アルバート様はユリアナの事を大切な妹として見ているもの。だから、今までよりもずっと居心地がよくなると思うの」
「マリアナお姉様…そこまで私のことを考えてくださってありがとうございます」
両親には嫌われてしまったけれど、優しいお姉様がいてくれて本当に幸せだ。
「だからね、学園を卒業して、成人して、ノア様の所に嫁いでいっても、たまには帰ってきて、いつもみたいに二人きりのお茶会をしましょう?もちろん私もユリアナの所に遊びに行くわ!大好きなユリアナと、結婚して離れ離れになっても、ずっと仲良しでいたいの。」
「マリアナお姉様…私もです!」
「えっと、それを伝えたかっただけなの。邪魔してごめんなさい」
「いえ、邪魔なんてそんなこと…嬉しかったですありがとうございます!」
「そろそろノア様が来る頃ね。私、見送りをしてもいいかしら」
「もちろんです!マリアナお姉様!」
使用人達に見送られ、挨拶をされ外に出る。今日はマリアナお姉様と一緒に外に出たのでいつものようなおざなりな挨拶ではなかった。
「ユリア!おはよう!」
ノアは、今日はいつもよりちょっと早く着いていたようで、外で待っていてくれた。
「おはよう、ノア。待たせてごめんなさい」
「大丈夫だよ、今日はちょっと早く着いちゃっただけだし。何よりユリアの為だもの…それよりなんでこいつが一緒に?」
「ノア!そんな言い方しないで?」
「だってこいつのせいでユリアはいつも嫌な思いをしてるじゃないか!」
こいつ呼ばわりされたお姉様はそれでも怯まなかった。
「おはようございます、ノア様。今日も妹をよろしくお願いします」
「…別にあんたにお願いされなくても、ユリアナは大切にするに決まってる。むしろユリアナの側にあんたがいる方が心配なんだけど」
「ふふ、本当にノア様はユリアナを大切にしてくださっているのね。何よりです」
ふー、とノアがため息を吐く。忌々しそうな顔でマリアナお姉様を見ると、みんながみんなその笑顔に騙されると思うな、と吐き捨てた。
「さあ、ユリア、こんな奴放っておいてはやく行こう?」
「ノア!マリアナお姉様にそんな言い方しないで!マリアナお姉様、ごめんなさい」
「いいのよ、気にしないで。いってらっしゃい」
「ユリア!こんな奴庇う必要ないよ!」
「もう!ノア!ごめんなさい、マリアナお姉様!いってきます!」
私はノアを馬車に押し込み自分も乗り込む。これ以上ノアとマリアナお姉様を険悪にさせたくないから。
「もう!ノア!私を気遣ってくれてるのはわかるけどマリアナお姉様をいじめないで?」
「あの程度、ユリアが両親に虐められてるより全然マシじゃないか!」
「そういう問題じゃないの!」
「…まあ、それはおいといて、とりあえずこっちにおいでよ」
ぽんぽんと自分の膝の上を叩くノア。仕方無しにその上に乗って横抱きにされる。途端に、顔中にキスをされる。
「…ごめんなさい、ユリアを困らせたいわけじゃないんだ。ただ、どうしてもマリアナを見ると許せないって思いが強くなっちゃって」
「ノア…」
わかってる。ノアはただ私を大切に思ってくれるあまり暴走してしまっただけなのだ。マリアナお姉様もそれをわかって許してくれている。
「ごめんなさい、ノア。いつもありがとう」
私からノアの頬にキスをする。ノアの顔がボッと赤くなる。私からするのは珍しいから。
「ゆ、ユリア、今…っ!」
「だーいすきよ、ノア。だからマリアナお姉様にももう少し優しくしてね?」
「…こ、今後は気をつけるよ」
よし、言質は取った。今後はマリアナお姉様への対応ももう少し柔らかくなるだろう。
「ありがとう、ノア」
「…はー、ユリアには敵わないよ」
そんなユリアも可愛いよ、と言いながらキスしてくるノア。実はこれでもお姉様への態度はかなり良くなった方なのだ。このままいけばいつか普通の義姉と義弟の関係になれるんじゃないだろうか?そうなったらアルバート様とノアとマリアナお姉様と私で、みんなでお茶会とかも出来るかもしれない。そんな未来を思い浮かべて楽しみにしつつ、ノアと共に今日も学園へと向かう。
朝、家族と共に食事を済ませて学園への登校準備をする。姉はいいのだけれど、両親と食事をとるのは正直疲れる。嫌味を言われることもあるし、姉には優しいのに私には厳しいし、本当は三人で食事をとりたいと思っているのが伝わってくるし、空気はピリピリしているし、本当になんで一緒に食事をしなくちゃいけないんだろう。昔みたいに一人で放っておいてくれたらいいのに。まあ、両親が私に何かする度にマリアナお姉様が庇ってくださるから我慢できるけど…なんて考えているうちに、コンコン、とドアが叩かれる。使用人かな?と思ったが違った。
「ユリアナ!」
「マリアナお姉様?どうかされましたか?」
部屋に入ってきたのはマリアナお姉様だった。一体どうしたんだろう?
「あの、ユリアナ、今日もお父様達がごめんなさい。辛くなかった?大丈夫?」
「大丈夫です!マリアナお姉様が庇ってくださったから…それに、このくらい慣れっこですもの」
そういうとお姉様は辛そうな顔をする。きっと私のことを考えてくださっているのだろう。本当に優しいお姉様。
「マリアナお姉様が側にいてくださるから、多少居心地が悪くても我慢できるのです。私はマリアナお姉様に助けてもらってばかりです。私はそんなマリアナお姉様が大好きなのです。だからどうかそんな顔をしないでください」
「ユリアナ…本当に優しい子ね。ありがとう、私の方こそ大好きよ。私はユリアナのお姉ちゃんなんだから、ユリアナを守るのは当然のことよ。ユリアナを守る為なら、なんだってしてあげる」
本当に優しいお姉様。でも、改まってこんな話をするなんてどうしたんだろう?
「それでね、ユリアナ。アルバート様との結婚の日取りが正式に決まったの!」
「まあ!おめでとうございます、マリアナお姉様!」
アルバート様とマリアナお姉様は政略結婚とは思えない程ラブラブだ。大好きなマリアナお姉様が幸せになってくれるのは私も嬉しい。
「だからね、アルバート様が家にくるから、お父様達もあからさまにユリアナを虐めたり出来なくなると思うの。アルバート様はユリアナの事を大切な妹として見ているもの。だから、今までよりもずっと居心地がよくなると思うの」
「マリアナお姉様…そこまで私のことを考えてくださってありがとうございます」
両親には嫌われてしまったけれど、優しいお姉様がいてくれて本当に幸せだ。
「だからね、学園を卒業して、成人して、ノア様の所に嫁いでいっても、たまには帰ってきて、いつもみたいに二人きりのお茶会をしましょう?もちろん私もユリアナの所に遊びに行くわ!大好きなユリアナと、結婚して離れ離れになっても、ずっと仲良しでいたいの。」
「マリアナお姉様…私もです!」
「えっと、それを伝えたかっただけなの。邪魔してごめんなさい」
「いえ、邪魔なんてそんなこと…嬉しかったですありがとうございます!」
「そろそろノア様が来る頃ね。私、見送りをしてもいいかしら」
「もちろんです!マリアナお姉様!」
使用人達に見送られ、挨拶をされ外に出る。今日はマリアナお姉様と一緒に外に出たのでいつものようなおざなりな挨拶ではなかった。
「ユリア!おはよう!」
ノアは、今日はいつもよりちょっと早く着いていたようで、外で待っていてくれた。
「おはよう、ノア。待たせてごめんなさい」
「大丈夫だよ、今日はちょっと早く着いちゃっただけだし。何よりユリアの為だもの…それよりなんでこいつが一緒に?」
「ノア!そんな言い方しないで?」
「だってこいつのせいでユリアはいつも嫌な思いをしてるじゃないか!」
こいつ呼ばわりされたお姉様はそれでも怯まなかった。
「おはようございます、ノア様。今日も妹をよろしくお願いします」
「…別にあんたにお願いされなくても、ユリアナは大切にするに決まってる。むしろユリアナの側にあんたがいる方が心配なんだけど」
「ふふ、本当にノア様はユリアナを大切にしてくださっているのね。何よりです」
ふー、とノアがため息を吐く。忌々しそうな顔でマリアナお姉様を見ると、みんながみんなその笑顔に騙されると思うな、と吐き捨てた。
「さあ、ユリア、こんな奴放っておいてはやく行こう?」
「ノア!マリアナお姉様にそんな言い方しないで!マリアナお姉様、ごめんなさい」
「いいのよ、気にしないで。いってらっしゃい」
「ユリア!こんな奴庇う必要ないよ!」
「もう!ノア!ごめんなさい、マリアナお姉様!いってきます!」
私はノアを馬車に押し込み自分も乗り込む。これ以上ノアとマリアナお姉様を険悪にさせたくないから。
「もう!ノア!私を気遣ってくれてるのはわかるけどマリアナお姉様をいじめないで?」
「あの程度、ユリアが両親に虐められてるより全然マシじゃないか!」
「そういう問題じゃないの!」
「…まあ、それはおいといて、とりあえずこっちにおいでよ」
ぽんぽんと自分の膝の上を叩くノア。仕方無しにその上に乗って横抱きにされる。途端に、顔中にキスをされる。
「…ごめんなさい、ユリアを困らせたいわけじゃないんだ。ただ、どうしてもマリアナを見ると許せないって思いが強くなっちゃって」
「ノア…」
わかってる。ノアはただ私を大切に思ってくれるあまり暴走してしまっただけなのだ。マリアナお姉様もそれをわかって許してくれている。
「ごめんなさい、ノア。いつもありがとう」
私からノアの頬にキスをする。ノアの顔がボッと赤くなる。私からするのは珍しいから。
「ゆ、ユリア、今…っ!」
「だーいすきよ、ノア。だからマリアナお姉様にももう少し優しくしてね?」
「…こ、今後は気をつけるよ」
よし、言質は取った。今後はマリアナお姉様への対応ももう少し柔らかくなるだろう。
「ありがとう、ノア」
「…はー、ユリアには敵わないよ」
そんなユリアも可愛いよ、と言いながらキスしてくるノア。実はこれでもお姉様への態度はかなり良くなった方なのだ。このままいけばいつか普通の義姉と義弟の関係になれるんじゃないだろうか?そうなったらアルバート様とノアとマリアナお姉様と私で、みんなでお茶会とかも出来るかもしれない。そんな未来を思い浮かべて楽しみにしつつ、ノアと共に今日も学園へと向かう。
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