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妹を傷つけるのは許さない

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今日も今日とてキューと添い寝する。

穏やかな寝顔を見て笑みがこぼれる。

この子を守るためならば、オレはなんだって出来ると思えた。

「それにしても、今日はまた色々なキューを見られたな」

今日のことを思い返す。

キューに、あの二人への特別任務とは何か問われた。

なので正直に答えたら、お口をあんぐり開けてキューにしては珍しく間抜けな顔をした。

そんな顔も可愛いなぁ。

オレが色々答えれば答えるほど、びっくりした声とかぎょっとした顔とか色々な反応が帰ってきて面白かった。

「普段大らかに振舞っているから、驚くのも無理はないけれど」

オレだって、こんな苛烈な怒りは初めてでちょっとびっくりしているくらいだからね。

本来ならば制御すべき感情なのはわかっているのだけれど。

「妹を傷つけるのは許さない。それは、兄であれば当然の感情だろう?」

…そう。

だってオレは、可愛い可愛いキューの兄様なのだから。

オレがキューを守らなければ、誰がキューを守るというのか。

「そのためにも、見せしめは徹底的にね」

報復であり見せしめなのだから苛烈なくらいでちょうどいい。

きっとそのうち貴族としては死に体になるだろうが、爵位と領地をお上に返上して裕福な平民として暮らす分にはまあ…いや、問題は多いだろうけどやれないことはないだろう。

ただ、その場合身辺には気をつけた方がいいけどね。

お貴族様ならいざ知らず、平民であればいつ何が起きてもおかしくないだろう?

だから平民になるならば、豊富な資産を身の回りの警備にあてることをお勧めするよ。

「どの道を選ぶにしろ、苦労するだろうねぇ」

パラディース教に刃向かうからこうなる。

いや、とはいえ別に我がパラディース教は困窮するものを救っているだけで基本刃向かう奴は排除だ!とかはしないんだけどね。

異教徒にだってスラム街での炊き出し普通においでおいでするし。

勧誘はまあ、するけど強制はしないよう言ってあるし。

でも、たまに締めるところは締めておかないと。

「教団の規模も大きくなっているしね」

馬鹿みたいに大きくなると、その内国教と揉めないかだけ心配なんだけどねぇ。

まあ、貴族連中にも教徒は多いし潰されることは避けられると思うけど。

逆に棄民だった子たちからの支持も厚いからね。

「まあでも、オレは助けるべき子たちを助けられてキューを守っていられればそれで十分なんだけど」

それ以上は別に求めてないし。

とりあえず、キューが何においても第一優先だ。
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