上 下
48 / 66

お勉強会の約束

しおりを挟む
「ねえねえ、コトハちゃん、マミちゃん!」

「どうしたの?」

「なに?」

「今度の土日、みんなでお勉強会したいなって思って!二人にお勉強教えてほしいんだ!どうかな?」

最近、私もマミちゃんも成績がいいから…かな?

成績がいいと言っても、小学生だからまだそこまで難しいお勉強ではないからかもだけど。

「うーんと、私は大丈夫だよ」

「私も少し教えるくらいなら…」

「やった!」

嬉しそうに笑うお友達。

「コトハちゃんのお家にお邪魔してもいい?」

「いいけど…もしかしてお兄さん目当て?」

「うん!」

力強く肯定するお友達に思わず笑う。

兄様、人気者だなぁ。

「じゃあ、許可取っておくね。今度の土日だね」

「うん、ありがとうコトハちゃん!マミちゃんも!」

「うん、みんなでお勉強会楽しみだね!」

「楽しみだね!」

ということで、土日にお勉強会をすることになった。

二日連続お勉強会なわけだし、当然お勉強だけでなくみんなで遊んだりお菓子を食べたりも出来るだろう。

楽しみ!

ということで、兄様とマミちゃんとの帰り道。

早速兄様に許可を求める。

「兄様あのね、土日にマミちゃんと他のお友達三人とお勉強会しようってお話になったの」

「そっか、それは楽しみだね」

「うん、それでね…うちに呼んでもいい?」

「もちろんいいよ。ジュースとお菓子を用意しておくね」

「兄様ありがとう!」

兄様はニコニコ笑って許可してくれた。

「ナギさん、ありがとうございます」

「もう、マミは常連さんなんだから今更遠慮はいらないよ」

「ふふ、はい」

「マミ以外の子たちにも、遠慮はいらないよって伝えておいて」

「ナギさんがそう言ってくれるなら」

兄様はなんだかご機嫌だ。

「兄様、ご機嫌?」

「うん、コトハにマミって言う大親友が出来ただけでなく他にもお友達がいるのが嬉しくてね。マミがいれば十分だけど、やっぱり交友関係が広いのはいいことだ」

「大親友…私がいれば十分…」

マミちゃんも目に見えてご機嫌になる。

「ふふ、兄様もマミちゃんも大袈裟だなぁ」

「そりゃあ可愛いコトハのことだもの、大袈裟にもなるよ」

「コトハちゃんのことが、大好きだから…」

「私も、マミちゃんも兄様も大ー好き!」

マミちゃんと兄様に抱き着く。

「こーら、人通りが多くない帰り道とはいえ歩道で戯れつかないの」

「ふふ、コトハちゃーん」

「マミちゃーん」

「もー、転んで怪我しないようにね」

三人でワイワイしながら帰るのも幸せだ。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

前世軍医だった傷物令嬢は、幸せな花嫁を夢見る

花雨宮琵
恋愛
侯爵令嬢のローズは、10歳のある日、背中に刀傷を負い生死の境をさまよう。 その時に見た夢で、軍医として生き、結婚式の直前に婚約者を亡くした前世が蘇る。 何とか一命を取り留めたものの、ローズの背中には大きな傷が残った。 “傷物令嬢”として揶揄される中、ローズは早々に貴族女性として生きることを諦め、隣国の帝国医学校へ入学する。 背中の傷を理由に六回も婚約を破棄されるも、18歳で隣国の医師資格を取得。自立しようとした矢先に王命による7回目の婚約が結ばれ、帰国を余儀なくされる。 7人目となる婚約者は、弱冠25歳で東の将軍となった、ヴァンドゥール公爵家次男のフェルディナンだった。 長年行方不明の想い人がいるフェルディナンと、義務ではなく愛ある結婚を夢見るローズ。そんな二人は、期間限定の条件付き婚約関係を結ぶことに同意する。 守られるだけの存在でいたくない! と思うローズは、一人の医師として自立し、同時に、今世こそは愛する人と結ばれて幸せな家庭を築きたいと願うのであったが――。 この小説は、人生の理不尽さ・不条理さに傷つき悩みながらも、幸せを求めて奮闘する女性の物語です。 ※この作品は2年前に掲載していたものを大幅に改稿したものです。 (C)Elegance 2025 All Rights Reserved.無断転載・無断翻訳を固く禁じます。

溺愛されていると信じておりました──が。もう、どうでもいいです。

ふまさ
恋愛
 いつものように屋敷まで迎えにきてくれた、幼馴染みであり、婚約者でもある伯爵令息──ミックに、フィオナが微笑む。 「おはよう、ミック。毎朝迎えに来なくても、学園ですぐに会えるのに」 「駄目だよ。もし学園に向かう途中できみに何かあったら、ぼくは悔やんでも悔やみきれない。傍にいれば、いつでも守ってあげられるからね」  ミックがフィオナを抱き締める。それはそれは、愛おしそうに。その様子に、フィオナの両親が見守るように穏やかに笑う。  ──対して。  傍に控える使用人たちに、笑顔はなかった。

リリーの幸せ

トモ
恋愛
リリーは小さい頃から、両親に可愛がられず、姉の影のように暮らしていた。近所に住んでいた、ダンだけが自分を大切にしてくれる存在だった。 リリーが7歳の時、ダンは引越してしまう。 大泣きしたリリーに、ダンは大人になったら迎えに来るよ。そう言って別れた。 それから10年が経ち、リリーは相変わらず姉の引き立て役のような存在のまま。 戻ってきたダンは… リリーは幸せになれるのか

初耳なのですが…、本当ですか?

あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た! でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。

職業『お飾りの妻』は自由に過ごしたい

LinK.
恋愛
勝手に決められた婚約者との初めての顔合わせ。 相手に契約だと言われ、もう後がないサマンサは愛のない形だけの契約結婚に同意した。 何事にも従順に従って生きてきたサマンサ。 相手の求める通りに動く彼女は、都合のいいお飾りの妻だった。 契約中は立派な妻を演じましょう。必要ない時は自由に過ごしても良いですよね?

【完結】あなたのいない世界、うふふ。

やまぐちこはる
恋愛
17歳のヨヌク子爵家令嬢アニエラは栗毛に栗色の瞳の穏やかな令嬢だった。近衛騎士で伯爵家三男、かつ騎士爵を賜るトーソルド・ロイリーと幼少から婚約しており、成人とともに政略的な結婚をした。 しかしトーソルドには恋人がおり、結婚式のあと、初夜を迎える前に出たまま戻ることもなく、一人ロイリー騎士爵家を切り盛りするはめになる。 とはいえ、アニエラにはさほどの不満はない。結婚前だって殆ど会うこともなかったのだから。 =========== 感想は一件づつ個別のお返事ができなくなっておりますが、有り難く拝読しております。 4万文字ほどの作品で、最終話まで予約投稿済です。お楽しみいただけましたら幸いでございます。

【完結】失いかけた君にもう一度

暮田呉子
恋愛
偶然、振り払った手が婚約者の頬に当たってしまった。 叩くつもりはなかった。 しかし、謝ろうとした矢先、彼女は全てを捨てていなくなってしまった──。

ブチ切れ公爵令嬢

Ryo-k
恋愛
突然の婚約破棄宣言に、公爵令嬢アレクサンドラ・ベルナールは、画面の限界に達した。 「うっさいな!! 少し黙れ! アホ王子!」 ※完結まで執筆済み

処理中です...