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私の幸せ

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一連の流れを見て、やっぱり兄様は…祟り神様なのだと改めて認識した。

けれど、兄様は私を不幸になんてしない。

むしろいつだって、助けてくれる。

だから私は幸せになれたのだ。

兄様は、私だけの神様なのだ。

「兄様…」

「なに?コトハ」

「離れていかないでくれて、ありがとう」

「うん?どうしたの急に。おいで」

急にお礼を言いだした私に、兄様は面食らった様子。

兄様に手招きされて、兄様の足の間に面と向かって座る。

「何か不安になっちゃった?」

「…うん、ちょっとだけ」

「言葉にして教えてくれるかな?」

兄様は優しく私に促す。

自分の中で自分の感情を整理しながら、言葉にした。

「あのね、あの不審者のおじさん…兄様のこと悪く言ってたから、兄様も嫌な思いしたでしょう?」

「まあ、そうだね。誰になんと言われようが構わないけれど、コトハに余計なことをしてくれたのは心底腹が立つかな」

「嫌な思いさせちゃったのに…それでも兄様は私のそばにいてくれるから嬉しくて…でも、なんだかまだ不安なの。それがどういう気持ちなのか、自分でもわからなくて」

「そっか」

兄様は私をぎゅっと抱きしめる。

その力強さにほっとする。

私も兄様の背中に手を回して、お互いにぎゅっとした。

「ぎゅー」

「ぎゅーっ」

「ふふ、こうしていると落ち着くね」

「うん、兄様」

兄様とこうしていると、不安が和らぐ。

「不安にさせてごめんね、コトハ」

「ううん、兄様は悪くないよ」

「心配してもしなくても、僕はコトハとずっと一緒にいるからね」

「うん…」

兄様の言葉に安心する。

やっぱり、私の幸せは兄様と一緒にいることだ。

そしてマミちゃんと一緒にいること。

「兄様とマミちゃんと一緒にいられるだけで私は幸せ」

「僕もだよ」

「ずっと、こんな日々が続いて欲しいな」

「いつまでも、ずっと続くよ」

「本当に?」

「うん」

兄様は自信満々に頷くから、私は心底ほっとする。

「兄様に出会えてよかった」

「僕もコトハと出会えて良かったよ」

「ずっと一緒にいてね」

「もちろん」

あのおじさんが諦めてくれてよかった。

この幸せは、誰にも壊されたくない。

おじさんはきっと善意でやってくれたはずだけど、私はそんなのは求めていない。

「もう、おじさんは来ない?」

「来ないよ、今度こそ絶対」

「よかった」

おじさんは悪い人じゃないと思うから、邪険にすると可哀想かもだけど…やっぱり、もう会いたくないから。

「…本当に、良かった」

「今度こそ絶対大丈夫だからね」

兄様に頭を撫でられる。

この幸せは、手放したくない。
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